本記事では令和4年秋向けのデータベーススペシャリストの
出題予想を大胆に行っています。
※予想は筆者の独断です。読者の責任でご活用ください。
勉強をそれなりにしてきた人であれば、
「どの範囲が出やすいんだろう?」と気になっていたり、
これまであまりうまく勉強時間が確保できていない人は、
「残りの時間、何に対策すればいいんだろう?」と思っていたりしませんか。
本記事では、次回データベーススペシャリストを受験される方向けに、
- 出題にはどのような傾向があるんだろう?
- 次回にはどのような問題が出題される可能性があるのかな?
- で、それらを午前問題、午後問題について知りたい!
といった疑問・要望にお答えしたいと思います。
なお、過去問は試験センターからダウンロード可能です。
1. 午前II予想
上図は過去3年の出題一覧です。
他区分でも言えることですが、「2回前」の出題との一致率が高いです。
過去問から対策する場合は令和2年秋の試験出題から勉強すると効率的でしょう。
午前IIの出題予想ポイントは次の通りです。
順に説明します。
1-1. 令和2年秋のDB系出題(問1~18)から同じ問題が8~9問出そう
前回(令和3年秋)と3回前(平成31年春)を比較すると、
部課係の階層関係、ER図(診療)、第1~第5の正規形の説明、
トランザクションの隔離性水準、SQL(社員取得資格)、属性n個の射影、
SQL(会員項目表への発行)、入れ子ループ法の計算量、MVCCあたりが
重複して出題されています。
このことから今年も前々回(令和2年秋)から同じ問題が
出題される可能性が高いです。
BASE特性のあるNoSQL、CEPは昔からの頻出なので
今回も出題されるのではないでしょうか?
他区分では自区分以外の問題も一定数再利用されていますが、
DBの場合、平成31年から令和3年で他区分の問題は再出題されていません。
※たとえば、PM試験の場合、平成31年で午前IIでDNSSEC(SC区分)が
出題されましたが、令和3年でも全く同じ問題が出題されています。
DBにはこのような例はありませんでした。
午前IIの足切り基準は6割(15問)なので、
DB系を完璧に対策すれば18~19問はとれるので通過できます。
DB以外の問題は過去問から対策しても再出題されない可能性が高いので、
DBの区分に絞って対策した方が効率が良いと言えるでしょう。
1-2. SQL問題が2~3問出そう
SQLの問題も例年2~3問出題されています。
令和3年では3問、令和2年では3問、平成31年は2問です。
得点を稼げるので、過去問を解いて対応できるようにしておきましょう。
1-3. CAP定理に関する問題が今年も出るか
1点予想ですが、CAP定理に関する問題が今年も出るかもしれません。
その根拠は、ここ3回分は問1にCAP絡みの問題が
出題されているからです。
試験センターの好みなのかもしれませんね。
CAP定理とは、Consistency(一貫性)、Availability(可用性)、
Partition-torlerance(分断時の耐久性)の頭文字であり、
この3つの性質のうち同時に2つは満たせるが
3つは満たせないというもの。
上に引用した令和2年秋の問1は良問で、上記のことがよく理解できます。
参考までにCAP定理についてもリンクをはっておきます。
2. 午後I(記述)予想
上図は過去3年分の過去問テーマ分析です。
午後Iは3問中2問を選択します。
自分にとって相性のよいものを選択できるよう、
出題予想を参考にしてください。
午後Iの出題予想ポイントは次の通りです。
順に説明します。
2-1. 問1は図表完成問題、問2・3はSQLが出題される
過去問を分析すると出題にある傾向が見られます。それは
- 問1は図表完成問題(概念データモデルの完成問題)を含む
- 問2・3はSQL問題(穴埋めや選択問題)を含む
ということです。
前者は解答用紙に未完成の概念データモデルの図が書かれており、
問題文の文章や関係スキーマをもとに図を完成させる問題です。
後者はSQL文を完成させる問題です。
傾向として、問1には概念データモデルの完成問題、問2,3にはSQL問題を
含んで出題されることが見えているので、たとえばSQLが得意な方は
問2,3を選ぶといったことを戦略として持てると思います。
「○○と○○明細」の関係は下矢印で書ける
発注と発注明細、生産と生産明細のような関係ですね。
矢印は基本的に1方向(特に上から下)にひかれる
実際の開発現場のドキュメントにおいても、可読性を重要とするため、
試験センターとしてもあまりトリッキーな矢印を書かせる設問は
出しにくいと考えられます。
このことを頭に入れておくと、
「逆向きの矢印をひくことをなくせる」
「極論、解答用紙の余白から完成図が想像できるようになる」
ようになります。
2-2. 問3はSQLの比重が大きい問題が出題される
過去3年から分析すると、問2よりも問3の方がSQLの設問が多いです。
令和3年、令和2年は有意に差があったので、最近の傾向として
問3はSQLの比重が大きくなることが予想されます。
SQLが苦手な方は、あえて選ぶならば問3よりも問2を選ぶ、
などが考えられるかもしれません。
問1はここ数年、「データベースの設計」というタイトルで変わりません。
問2は同じく「データベースの実装」というワードを含むタイトルです。
問3は業務やシステムの特徴を示すワードを含むタイトルです。
問1は概念データモデルの完成問題などを試験センターとしては"設計"と
捉えているように思います。
問2はより詳細な部分(性能、ログ、排他制御など)を含むことを
"実装"と捉えている感じでしょうか。
問3は業務知識を有していると有利かと思いきや、問われている内容は
問2以上に細かいSQLの知識であったり、計算問題が多いので、
問2以上にDBの実装的な知識が求められる印象です。
2-3. 問2は難問、問3は易問となる可能性がある
これは試験センターの採点講評を根拠にしています。
問2は令和3年・令和2年と最近過去二回、正答率が低かったと評されています。
問3は令和2年・平成31年が正答率が高かったと評されています。
もちろん、その問題を選択した方のなかでの正答率でしょうから、
一概にその問題が易問・難問とは限りません。
しかし、もしも本番で問題選択に迷ったら参考にしては
いかがでしょうか。
3. 午後II(論述)予想
上図は過去3年分の過去問テーマ分析です。
午後IIは2問中1問を選択します。
自分にとって相性のよいものを選択できるよう、
出題予想を参考にしてください。
午後IIの出題予想ポイントは次の通りです。
順に説明します。
3-1. 問1はSQL、問2は図表完成問題が出題される
問1は従来、SQLを含む問題、問2は図表(概念データモデルの完成問題)を
含む問題が出題されます。
午後I試験と対応付けると以下の通りです。
- 図表(概念データモデルの完成)問題:
午後I:問1 午後II:問2 - SQL問題:
午後I:問2,3 午後II:問1
たとえばSQL問題を得意にしている方であれば、
午後Iは問2,3を、午後IIは問1を選択すれば
図表(概念データモデルの完成)問題に触らずに試験突破できる
可能性があります。
なお、午後IIにおいて問2は
文章で業務を説明する比重が大きいため、
業務知識を持っていると有利でしょう。
SAやPMなどの高度資格を持っている場合は
問2を選んだ方が取り組みやすいと思います。
3-2. 問1は性能(チューニング)を含む問題が出題される可能性がある
問1は問2に比べ、実装寄りの問題が出題されます。
問題タイトルも例年「データベースの実装」というワードが含まれており、
よりデータベースに実際に触った方である方が有利と思います。
問1の過去3年の設問を分析すると、
令和3年と平成31年はDBログについて、
令和2年は性能(チューニング)について
出題されています。
DBログ・性能・DBログと来たので、次は性能がくるのではないか?
という予想になります。
問1を狙っている方は参考にしてみてください。
3-3. 問1は易問、問2は難問となる可能性がある
試験センターが公表する採点講評から分析すると、
過去3年の傾向として問1よりも問2の方が正答率が低かったようです。
各年の正答率の講評:
令和3年 問1:高 問2:高
令和2年 問1:低 問1:低
平成31年 問1:高 問2:低
その問題を選んだ方の中での正答率、なので
一概にその問題が易問・難問だったかという評価ではありません。
ですが、もしも選択に迷われるようでしたら、
参考にしてみるのもありかもしれません。
ご紹介しましょう。
1. 問題文の属性の説明箇所と、関係スキーマの表を読み比べ、下線やメモを
とりながら読み進めていく。
2. ○○番号という属性が出たら、まずは主キーとしてチェックする。
3. ○○と○○明細は第三正規化のためスキーマを分ける。
1. については、たとえば以下の要領です。
慣れてきたら、問題文か図表のどちらかやりやすい方に
メモを取りながら理解していくのが時短にもつながり
良いと思います。
おわりに
いかがだったでしょうか?
データベーススペシャリストを受験予定で、どのように対策を
進めればよいかの考え方の一助となれば幸いです。
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ではそれまで。