本記事では令和5年春向けのITストラテジストの
出題予想を大胆に行っています。
※予想は筆者の独断です。読者の責任でご活用ください。
勉強をそれなりにしてきた人であれば、
「どの範囲が出やすいんだろう?」と気になっていたり、
これまであまりうまく勉強時間が確保できていない人は、
「残りの時間、何に対策すればいいんだろう?」と思っていたりしませんか。
本記事では、次回ITストラテジストを受験される方向けに、
- 出題にはどのような傾向があるんだろう?
- 次回にはどのような問題が出題される可能性があるのかな?
- で、それらを午前問題、午後問題(記述・論文)について知りたい!
といった疑問・要望にお答えしたいと思います。
なお、過去問は試験センターからダウンロード可能です。
1. 午前II予想
上図は過去3年の出題一覧です。
他区分でも言えることですが、過去問から同じ問題・似た問題が
出題されることが多いです。
午前IIの出題予想ポイントは次の通りです。
2. 予測法のデルファイ法は今年も出るかも
3. 特定商取引法など契約・法律系の問題は今年も出そう
4. 計画生産量など計算して選択する問題は今年も出そう
順に説明します。
1-1. 令和元年~4年の過去問から同じ問題が4~5問出そう
令和4年春の過去問を分析すると、その前の令和3年・令和元年の
2回分から3~4問ほど同じ問題・類題が出題されています。
1期前(令和4年秋試験)では過去問からの出題率は少し減った印象ですが、
それでも令和元年からの過去3回分からは4~5問くらいは
再出題しそうであると考えられます。
1-2. 予測法のデルファイ法は今年も出るかも
2回前(令和3年春)と3回前(令和元年秋)において
予測法のデルファイ法を問う問題が出題されています。
1回前(令和4年春)が出題されていませんが、
昔からの頻出ではあるので今年も出題されるのではないでしょうか?
1-3. 特定商取引法など契約・法律系の問題は今年も出そう
契約・法律系の問題は毎年必ず出題されます。
令和元年秋問5は実費償還型契約、
令和3年春問22は特定商取引法、
令和4年春問5は準委任契約、といった具合です。
ITストラテジストの役割を考慮すると
契約や法律の知識は求められやすいといったところでしょう。
1-4. 計画生産量など計算して選択する問題は今年も出そう
与えられた条件を加味して計算して選択する問題も
毎年出題されています。
令和元年秋問18・21は顧客獲得単価計算・利益最大化計算、
令和3年春問17は計画生産量計算、
令和4年春問16は正味所要量計算、といった具合です。
計算問題は時間を取られるので、時間配分に注意しましょう。
2. 午後I(記述)予想
上図は過去3年分の過去問テーマ分析です。
午後Iは4問中2問を選択します。
うち、問4は例年エンベデッド系(組込みシステム)のテーマが出題されます。
自分にとって相性のよいものを選択しましょう。
午後Iの出題予想ポイントは次の通りです。
2. 問4はAIをテーマにした組込みシステムが出題されそう
3. 問2・3はどちらかが文章、どちらか図表の読解力が求められる問題が出題されるかも
4. 難易度についてはここ数年の傾向から難しすぎず簡単すぎずとなりそう
順に説明します。
2-1. 問1は製造業系などのデジタルトランスフォーメーションが出題されそう
過去3年を分析すると問1は全てデジタルトランスフォーメーション(DX)が
テーマです。
この傾向は令和1年からです。
IPAはDXに関するメッセージ・研究をたくさん発信しているので、
すぐにDXというテーマが出題されなくなることは
まあ無いだろうと思います。
問1の過去のモチーフは以下の通りです。
- 令和1年秋 化学品メーカ
- 令和3年春 タクシー会社
- 令和4年春 国際物流会社
IPAが発しているDX事例などを確認すると、
次に来るのは製造業などではないでしょうか?
下記のリンクからヒントを探すと、
- 日報管理業務の電子化、ペーパーレス化
- センサーや営業装置を活用した溶接作業のデータ化
などが考えられますがいかがでしょう。
2-2. 問4はAIをテーマにした組込みシステムが出題されそう
例年問4は組込みシステムが出題されますが、
過去のテーマは以下の通りです。
- 令和1年秋 自動運転技術を用いた海底探査システム
- 令和3年春 AIを用いた節電義手
- 令和4年春 AIを利用した気象予測システム
自動運転技術も要素技術にAIが組み込まれていると考えるならば、
令和5年も同様にデータからインサイトを得て活用するような
AIが技術的テーマになり得るのではないでしょうか。
2-3. 問2・3はどちらかが文章、どちらか図表の読解力が求められる問題が出題されるかも
問2・問3の過去問を分析すると、どちらかは図表のない問題が
出題されています。
傾向としては、図表のない問題の方が文章からの読解力、
つまり自分で必要なキーワードを抽出し必要であれば
図や表におこして整理する力が求められると思います。
反対に図表のある問題は、文章と図表の対応付け、
図表そのものを読み取る力が求められるでしょう。
過去は以下の通りになっています。
- 令和1年秋 問3が図表無し
- 令和3年春 問2が図表無し
- 令和4年春 問3が図表無し
もちろん図表のあるなしはただの目安ですが、
本番にどれを選ぶかの方針が定まってない方は
参考にしていただいてもよいのではないでしょうか。
2-4. 難易度についてはここ数年の傾向から難しすぎず簡単すぎずとなりそう
採点講評には問題全体の正答率についてコメントがあります。(令和3年から)
過去2年の採点講評を見ると、問題全体の正答率については
どの問題についても「平均的だった」とコメントされています。
正答率と難易度は異なるものですが、
あえて予想をすると年ごとに正答率や難易度のばらつきは
少ない方が試験センターとしても望ましいでしょうから、
今回も平均的な問題が出題されるのではないでしょうか。
3. 午後II(論述)予想
上図は過去3年分の過去問テーマ分析です。
午後IIは3問中1問を選択します。
うち、問3は例年エンベデッド系(組込みシステム)のテーマが出題されます。
自分にとって相性のよいものを選択しましょう。
午後IIの出題予想ポイントは次の通りです。
2. 問2は既存業務やプロジェクトを前提とした"守り"の問題が出題されそう
順に説明します。
3-1. 問1はDXを前提とした"攻め"の問題が出題されそう
"攻め"や"守り"といった言葉遣いはイメージですが、
問1は新規投資や事業停滞打開など、事業として攻めの姿勢で
手段としてDXを用いる文脈での問題が出題されています。
過去の問題文に例示されているDX事例は以下の通りです。
- 令和1年秋
病院における音声認識とAIを活用した記録業務のデジタル化
組立加工業におけるAR機器とIoTによる組立業務のデジタル化 - 令和3年春
流通業におけるICタグを用いた物流保管のプラットフォームサービス
測量機器メーカにおけるドローンとAIを用いたサブスク監視サービス - 令和4年春
保険会社における顧客健康データを活用した割引などの新サービス
実際の企業における経営課題は千差万別ですが、
ITストラテジストで出題される問題にはいくつかのパターンがあります。
"攻め"のパターンとして、上記の事例は読み込んで理解しておくと
よいでしょう。
なお、令和4年春については本ブログでも解説記事を
あげているので合わせてご確認ください。
3-2. 問2は既存業務やプロジェクトを前提とした"守り"の問題が出題されそう
問2は比較的保守的な文脈で出題されることが多く、
過去3年は以下のようなことが問われています。
- 令和1年秋 ビジネスモデル策定の支援
- 令和3年春 ステークホルダの意見調整
- 令和4年春 スケジュールの管理
試験区分の領域としてはプロジェクトマネージャーの
知見・経験があると有利でしょう。
2022年に更新しています。
もしかするとアジャイル開発を前提とするような文脈で
問題が出される可能性もあるでしょう。
おわりに
いかがだったでしょうか?
ITストラテジストを受験予定で、どのように対策を
進めればよいかの考え方の一助となれば幸いです。
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ではそれまで。