スタディルーム by rolerole

情報処理試験対策やIT業界への愚見・書評

システム監査技術者 データ利活用基盤の監査【論文の書き方】(令和5年秋問1)

本記事ではシステム監査技術者の午後II(論文)対策として、

令和5年問1で出題された過去問を分析します。

実際に論文を書く上での考え方を整理し

論文骨子を設計するところまでやっていきます。

 

 

 

問題(令和5年問1)

過去問は試験センターから引用しています。

問題文はこちらです。

設問文はこちらです。

 

何が問われているかを把握する

本問題はデータ利活用基盤の構築における

リスクと監査手続について問われています。

 

データ利活用基盤については問題文の第一段落に

説明がなされています。

 

ビッグデータを利活用して経営課題を解決したり

 

このような仕組みを実現するには、関連する様々なデータを利活用できるプラットフォームとなるデータ基盤(以下、データ利活用基盤という)が必要になる

 

上記より、ビッグデータを利活用するためのプラットフォームが

「データ利活用基盤」と言えます。

 

 

出題要旨と採点講評からの分析



試験センターから公表されている出題要旨と採点講評を確認して

出題の意図と論述のNG例を把握します。

 

出題要旨

 

データの偏りや不整合に起因するおそれ(リスク)については、

問題文でも強調されており、論点とした方が良いでしょう。

 

データ自体の取り扱いや整形ロジックに詳しいと論述しやすいと

思われるので、システムアーキテクトデータベーススペシャリスト

経験者は取り組みやすい要素だったと思います。

 

採点講評

問1,問2共通の採点講評では

  • 問題文の趣旨又は設問の無いように沿っていない論述
  • 監査手続が不十分
  • 論文の体裁になっていない

という3つのNG例が載っていました。

 

システム監査技術者試験では必ず「監査手続」について

問われます。監査手続については、

下記記事に基本をまとめているので、

不安な方は再確認しておきましょう。

システム監査技術者の論文対策(リスク・コントロール・監査手続) - スタディルーム by rolerole (hatenablog.jp)

 

問1の採点講評では、まず第一文に、

  • 個別システムにおけるデータ整備
  • 旧システムからのデータ移行

がNGの例として挙げられています。

ビッグデータを扱うデータ利活用基盤がテーマであることに

立ち戻りましょう。

 

設問アでは構築理由の記述が不十分だとNGになるので注意です。

 

設問イでは、問題文の例示でもあった「データセキュリティ」に

偏重しているケースがNGだったとされています。

出題要旨にもあった通り、データ自体の品質・整合性を

論点に盛り込みましょう。

 

設問ウは全体の採点講評でも触れられていましたが、

「監査手続」になっていない論述がNGとされています。

 

論文を設計する

問われていることの概略を把握したら

自身の経験や用意してきた論文パーツに当てはめて

どのように論述を展開するかを設計します。

 

 

設問アの設計

設問アは「データ利活用基盤の構築の概要」「目的」

「基盤の構築が必要になる理由」について問われています。

 

設問イで書くことになる「構築に際して想定するリスク」を

予め念頭に置き「構築の概要」を書くと良いでしょう。

 

採点講評によれば設問アは「構築の理由」が不十分になりがちなので、

「なぜデータ利活用基盤を構築しなければならなかったか」を

説明する必要があります。

 

  • 個別システムにおけるデータ整備
  • 旧システムからのデータ移行

 

上記のような論述ですと「データ利活用基盤」を構築する理由は

書きづらくなるので避けましょう。

 

個別システムではなく複数のシステム、

データ移行ではなくデータの活用、

といった視点でシステムを開発するという

イメージを持てると良いと思います。

 

 

設問イの設計

設問イは「データ利活用基盤の構築のリスク」について

問われています。

 

設問アで記述した構築の概要を踏まえてリスクを

書かなければならないことに注意しましょう。

 

問題文にはリスクについて

  • データセキュリティに関するリスク
  • データの品質や整合性に関するリスク

例示がありますが、

採点講評によれば前者に偏る論文が多かったとあります。

データ利活用基盤というテーマ性からして、後者のリスクも

想定しましょう。

 

 

設問ウの設計

設問ウは「データ利活用基盤が適切に構築されているかを確かめる監査手続」

について問われています。

 

一般的なシステム監査の考え方として、

「リスク」「コントロール」「監査手続」の3点があります。

設問イで論述したリスクに対して、

「コントロールが機能しているかを確かめるのが監査手続」です。

 

システム監査人は構築プロジェクトとは距離を置き、

客観的な立場で判定する必要があります。(監査の独立性)

 

このことから、「監査手続」には何らかの「監査証跡」を

定義して確認(査閲)するという行為が必要です。

 

 

採点講評によれば、「監査証跡」が曖昧であったり、

そもそも「監査手続」になっていなかったりする

論文が散見されたとあるので、注意しましょう。

 

 

論文骨子

ここでは、参考として論文骨子の例をご紹介します。

1.データ利活用基盤の構築の概要

 1-1.データ利活用基盤の目的

 データサイエンスの技術を事業戦略に活用する経営方針。

 市場分析を行い、不良在庫を抑制。

 1-2.データ利活用基盤の概要

 購買業務と販売業務から取り扱いデータをデータ利活用基盤に構築。

 商品や売上額をAIに学習させ売れ筋商品や流行商品を予測。

 1-3.データ利活用基盤の構築が必要となる理由

 購買支援システムと販売支援システムでデータの保持形式が異なっている。

 AIによる学習効率を高めるためデータの加工が必要。

2.データ利活用基盤の構築に際して想定したリスク

 2-1.データセキュリティに関するリスク

 データ利活用基盤で扱う源泉データやインサイトは競争力の源泉であり、

 漏えいは優位性と信頼の損失。

 2-2.誤ったインサイトを提示してしまうリスク

 データの形式の不統一や偏りにより誤ったインサイトを提示すると

 適切な経営判断が出来ず在庫の適正化に繋がらない。

 2-3.データ利活用基盤の停止時のリスク

 データ利活用基盤の停止時に業務停止が発生する。

3.適切に構築しているかを確かめる監査手続

 3-1.データセキュリティに関する監査手続

 構築プロジェクトの責任者へセキュリティ施策についてヒアリング

 3-2.学習データの整合性に関する監査手続

 保持・加工データの設計書を監査証跡とし、査閲する

 3-3.データ利活用基盤の可用性や代替手段に関する監査手続

 可用性やバックアップに関する設計書やコンティンジェンシープラン

 監査証跡とし、査閲する

 

論文全文について

ここまででも十分考え方はお伝え出来たかと思いますが、

論文全文を参考にされたい方は有料とはなりますが

以下記事の末尾をご参照ください。

note.com

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

本記事ではシステム監査技術者の午後II(論文)対策として、

令和5年問1で出題された過去問を分析しました。

データ利活用基盤という特徴あるシステムの

リスクと監査手続を論述させる問題でした。

 

また、他の区分・過去問の【論文の書き方】の記事については

以下リンクを参照ください。

論文の書き方 カテゴリーの記事一覧 - スタディルーム by rolerole

 

今後も、論文の書き方記事を充実していきます。

ではそれまで。

高度情報処理技術者 午後対策の仕方と参考書の選び方

更新:2024/8/13

 

暑い日が続きますね。

今年は秋の試験は実施日が10月13日と公表されています。

 

本記事は、高度情報処理試験を受験予定の方を対象に書いています。

次回受ける予定でなかったとしても、意味のある情報を届けたいと思います。

 

基本情報処理試験と違って、

高度は何を対策すればいいんだろう?」と悩んでいたり、

論文や記述式ってどう対策したら?」と思っていませんか。

 

本記事では、高度情報処理試験を初めて受験される方向けに、

  • 高度試験って、基本情報にない何か特別な対策をする必要ある?
  • 午後対策で、何を一番重視して進めていけばいい?
  • 午後の、記述式と論文って、どう対策分けすればいいの?
  • おすすめの参考書は?

といった疑問にお答えしたいと思います。

 

筆者は高度情報処理試験を全て制覇しております。

実際の体験も踏まえながら、高度に特有の試験対策を説明したいと思いますので、参考にしてください。

 

 

1. 基本情報にない特別な対策

基本情報処理試験の受験経験がある方向けに、

まずは高度情報処理試験の対策として同じ所と違う所を

整理して説明します。

 

1-1. 基本情報と同じ対策でいいところ

高度区分の試験は、午前Iと午前IIは4択マークシート式ですが、

基本情報と同じマークシート選択式です。

これにより、マークシート選択式の特有の対策は、基本情報と同じでよいと言えます。

 

基本情報でもそうですが、過去問から同じ問題・類題が

多く出題されます。

これにより、特に午前対策としては、過去問を繰り返し解いて対策とする、

ことも同じ所と思います。

 

1-2. 基本情報とは異なる対策がいるところ

一方基本情報と大きく異なるのは、午後と思います。

まずは、試験時間をチェックしましょう。

 

情報処理安全確保支援士以外の8区分は以下の時間配分です。

f:id:createrolerole:20211130161910p:plain

基本情報に比べ、長い。体力も必要。

情報処理安全確保支援士は以下の時間配分です。

午後IとIIで分かれていないのが特徴。

 

午後I(90分)または午後(150分)は、高度試験の全区分で記述式で出題されます。

一方、午後II(120分)は、区分によって記述式か論文かで分かれます。

 

このため、基本と最も異なる対策が必要となるのは午後です。

ご自身の受験予定の区分を確認し、特に論文が必須の場合は、

基本とは大きく異なる対策がいるでしょう。

 

2. 午前対策よりも午後対策に注力しよう

前述の通り、午後の方が過去問一辺倒では対策がしづらく、

勉強の進め方としては午後対策に注力するのがよいでしょう。

 

逆に午前は過去問からの採用率が高いので、3~4年程度の

過去問を頭に入れておくだけで十分合格できるでしょう。

 

短絡的な考え方かもしれませんが、合格だけを目的に考えるなら、

出題された単語や意味などを覚えなくても、

問題文と回答のセットだけを覚えれば十分です。

 

午前はそのように対応をすればよいので、

午後対策をどのように進めるか、が合格への鍵になります。

 

2-1. 午後対策をどのように進めるか

誤解のないように最初に述べておくと、

その区分に求められている知識、という意味では、

午後であろうと午前であろうと共通しています。

 

プロマネの例で言うと、PMBOKの基本的な知識エリアや、

ウォーターフォール開発モデルの各工程(V字モデル)は、

午前II(選択式)であろうと午後I(記述式)であろうと

午後II(論文)であろうと、求められる知識です。

(午前Iは各区分共通の問題が出題されるので、

その区分特有の知識が求められる比重は小さい)

 

その区分に求められる知識」というのが存在することを

念頭に置いたうえで、選択式・記述式・論文それぞれに

対処するイメージで対策するとよいでしょう。

 

それでは次に、午後対策の話を中心に掘り下げていきます。

 

3. 午後対策(記述式と論文)

3-1. 記述式の対策

記述式の問題は、時間との戦いになりがちです。

区分によっては、90分の記述式(午後I)と

120分の記述式(午後II)が連続に取り組まなければなりません。

※情報処理安全確保支援士の場合は午後いっぱい150分

 

合格点に満たない時の大きな「課題」としては

  1. 時間が足りない
  2. 知識が足りない
  3. 解き方が分からない

のいずれかだと思います。順にみていきましょう。

 

3-1-1. 「時間が足りない」への対策

これは時間さえあれば合格点に達成できたのに、という

場合の対策です。

 

この課題への対策は、

長文である問題文の読み方、設問文との対照付けなど、

問題を把握するスピードをあげること

と、

記述する内容のあたりをつけてから制限字数にまとめて

記述するスピードをあげること

の2つが主に考えられます。

 

前者は、試験区分によって若干クセがあり、

その試験特有の出題のルールのようなものを

理解する必要があります。

 

たとえば、ITストラテジストでは、

「課題」-「機能」ー「設問」

がセットになっており、「設問」に対応する

「機能」と「課題」が問題文中のどこに記載されているかを

見極めることが重要になります。

これにより、問題に取り組むスピードを向上できます。

 

後者は、内容のあたりのつけ方と、

あたりをつけたあとに手早くまとめる力が必要です。

 

この対策は色々あるので本記事だけではとてもまとめられないですが、

最も効果的なものを1つだけ述べておきます。

 

それは、「迷ったときのルールを予め決めておくこと」です。

 

区分にもよりますが、たとえば、次のようなルールが考えられます。

 

問題文から、回答文として記述する情報元が複数あり、文字数的にどちらかを選択する必要がある場合。設問文のキーワードが書かれている問題文中の箇所からの距離が物理的に(問題文の紙面的に)近い方を選択する。

 

上記のルールを作る場合、「なぜ?」という理由付けは何でも構いません。

重要なことは、時間をかけても意味のないこと(迷う行為)を

減らすということです。

 

この節については情報量が多かったので、いったんまとめておきます。

 

■「時間が足りない」への対策■

1. 問題文を把握するスピードをあげること [INPUT SPEED UP]

その試験特有のクセを理解し、把握に努める。
設問文と問題文の関係と構造把握がカギとなる。

2. 制限字数にまとめるスピードをあげること [OUTPUT SPEED UP]

迷ったときに拠り所にする自分だけの記述ルールを
予め決めておく。

 

3-1-2. 「知識が足りない」への対策

これは前節の前提になっており、時間があったとしても

解けないという場合の対策となります。

 

「知識が足りない」のは勉強したてであれば仕方のないことです。

 

「知識が足りない」への対策は、すなわち

その区分に求められる知識」を習得するということが

対策となるので、当ブログの各試験区分の

対策を覗いてみてください。

 

ひとつ言えるのは、午前対策のように、過去問のみで

仕上げるのは難しいです。

ここは参考書に頼りましょう。

 

問題は、ある程度勉強していたり、何度か不合格を経験していたりで、

得点が取れないのが、「知識が足りない」からなのか、

他に理由があるのかが曖昧になってしまう場合です。

 

ここでは、「知識は足りているが解けない」とは

どのようなパターンがあるか述べておきましょう。

 

■知識は足りているが解けないとは■
・ある程度自信をもって記述した自分の解答文が、微妙に/明らかに正答文と異なる
・複数の解答候補は思いつくが、最終的に正答となる候補を選択できない
・何度やっても、同じようなミスをする
・参考書を読んでも、納得がいかない

 

上記のようなケースにあてはまる場合は、

知識というよりも、次に述べる「解き方が分からない」

状況にあると考えられます。

 

3-1-3. 「解き方が分からない」への対策

これは知識は足りているけど、間違えてしまうという

場合の対策です。

 

筆者の周囲を見ると、現役やベテランエンジニアのように、

ある程度の知識や経験を備えている方が、

頭を情報処理試験のために切り替えられずに

陥っているケースがあるようです。

 

そのことの是非はともかく、合格を目指すならば、

いったんは自分の自信も経験も置いておいて、

解き方がわかってないかも? と自分の思考回路を

振り返ってみてください。

 

この節で言いたいことは、自分の考え方のクセを、

情報処理試験合格のために、矯正することにあります。

 

このことを理解するには、いちど情報処理試験に臨んだり、

過去問を実際に解いてみる必要があります。

 

その上で、自分の疑問を言語化して、

さらにその上で、なぜその考え方ではいけないか、を

納得しなおす必要があります。

 

このプロセスには、一定の勉強時間がかかります。

もしも試験が直前に迫っているのならば、

考え方は納得しなくてもよいので、

正答の表現や参考書に書かれていることを、

「鵜呑み」してしまいましょう。

(あるいは、単にその問題を捨てるか)

 

この節に書かれていたことをまとめておきます。

 

■「解き方が分からない」への対策■

「自分の考え方のクセ」を客観視し、試験合格のために考え方を矯正する。

実際に問題を解いてみて、自分の考え方のクセを認識したら、
その思考プロセスを言語化し、なぜそのプロセスだといけないのかを
納得する。

時間が無ければ、参考書に書かれていることを、「鵜呑み」する。
単に捨てるのも手。

 

こうした、"セルフアジャスト" のプロセスは、

試験合格に限らず、さまざまな人間関係の場面でも、

重要なことだと思います。

 

3-2. 論文の対策

論文は、人によっては問答無用で苦手意識を持っており、

この時点で受験者にとって大きな差になるところと思います。

 

筆者も初の論文試験はとても警戒・勉強しても身になった感覚を持てず、

何度か不合格になり苦手意識を持っていました。

 

ただ、論文も書き方やコツがあります。

ひとたび、合格した区分があったあとは、基本的には、

私はむしろ論文系の試験区分の方が対策が立てやすい、と

思っています。

 

このコツのようなものを一言で言い表すのは難しいですが、

それでもあえて言うと、

求められている"論文構造"に気付くこと

だと思っています。

 

また、単に知識・経験が足りなくて論文が書けない、

ということもあります。

 

120分という時間をどうやって使うか、という点も、

実際に取り組んでみないと、自分に最適な

時間配分は導き出せないと思います。

 

こうした、「その区分に求められる知識」や、

論文に対する基本的なお作法などは、参考書に頼りましょう。

 

また、論文対策においては、最終的に、

自分の表現に"昇華"させる必要があります。

このために参考にしていただきたい本ブログのオリジナルのフレームワークが、

「論文事例マップ」です。

別記事にまとめていますので、合わせてご参考ください。

 

■論文事例マップの作り方■
ITストラテジストを例に、論旨展開の"型化"を目指すフレームワークの紹介記事です。

studyrolerole.hatenablog.jp

 

上記のリンクは、

求められている"論文構造"に気付くこと

を自分の論述につなげる試みでもあります。

コツのようなものを会得する一助になれば幸いです。

 

4. おすすめの参考書

色々述べましたが、ここからは、午後対策となる、

記述式と論文の参考書を筆者の体験をもとに紹介していきます。

 

4-1. 記述式対策の参考書

記述対策に求めるポイントは、次の1点です。

解説が充実していること

どの区分にしろ、勉強し初めから試験センターの定義する

「正解」を記述する事はできないでしょう。

自分の考え方のクセを意識して、「正解」に合わせる行為が必要です。

そこで必要なものが、「解説の充実度」です。

 

ここからは、私自身の体験も踏まえて、参考書について評価してみましょう。

iTEC 重点対策

ITストラテジストに合格した筆者は、

記述対策にiTECの『重点対策』を用意しました。

午前II、午後I、午後IIまですべて

これ1冊でカバーしているところが強みです。

紙面の配分も同等か、しいて言うならば

午後II対策の分量が少ないと言えるかもしれません。

 

記述式の対策は解説が充実していることが重要なので、

その観点で評価してみますと、

  • 200ページ超の分量
  • 段階的に仕上げることができる仕組み
    (テクニック、作成例、実践、解説と節立てされている)
  • とりあげている過去問(解説)16問(うち3問が組込みシステム)

と、かなり充実していると言えそうです。(2020年版の評価です)

 

ただ、解説自体に納得がいかないものも一部でありました。

たとえば、解説文が、問題文の引用や焼き直しに終始しており、

「なぜその回答になるのか?」という論理が足りないと感じるものがありました。

その正答ならば、問題文のこの部分を引用しないのはなぜ?

といったような疑問がわくものもありました。

 

ただし、筆者の場合は一発で合格できたので、

上に指摘した問題点も大した問題ではないのかもしれません。

 

翔泳社 情報処理教科書

システム監査技術者の合格の際は、

翔泳社の『情報処理教科書』で準備しました。

最新版ではなく、2014年版を中古で購入しました。

比較的、午後対策に特化しています。

全体的な章立てとしては、

  • 監査の計画
  • 監査の実施
  • 監査の報告

などいくつかの体系に分けられており、

章ごとに知識・午後I対策・午後II対策ができるようになっています。

章の体系からして、合格に向けた対策がとれることと同時に、

各監査のフェーズにおける専門知識を習得できるようになっており、

実際の監査業務に役立てやすい構成になっていると感じます。

特に、第1章に書かれている「監査とは」の部分は個人的に必見です。

なぜ監査が必要か、監査はどうあるべきで、

実務を踏まえてどうアジャストする必要があるかなどといった

観点が含まれています。

実体験を通じておぼろげながら理解できているという人でも、

よりクリアに理解しなおすことができます。

 

なお、筆者は2014年版で対策し2020年に受験しましたが、

試験体系も、ましてや監査の勘所といった点は

あまり変わりません。

(何しろ監査という概念そのものは、ITが登場する前からあったので)

ですので、対策本を検討する際は、

最新のものに固執せず、中古で安く仕入れるという

考え方もアリだと思います。

 

4-2. 論文対策の参考書

本記事では1冊、参考書のシリーズを紹介します。

論文のある試験区分では『合格論文の書き方・事例集』という

シリーズが出ており、その名の通り、論文を書く上での

言い回しや論旨展開の事例集として活用できます。

 

筆者の場合、基本的に論文系の試験区分の試験対策には

このシリーズで準備しています。

 

とにかく、文の事例が豊富。

 

おすすめする点は、これにつきます。

論文で、どのように表現するべきか迷ったとき、

事例が豊富にあると、参考にしたり取捨選択して

自分のものにできたりします。

 

おわりに

いかがだったでしょうか?

 

高度情報処理試験を受験予定で、どのように対策を

進めればよいか、考え方の一助となれば幸いです。

 

今回の秋試験のスタートダッシュ記事も参考に載せました。

どのように勉強のモチベーションをあげればよいか、

IPA公開の統計情報も元に紹介しているので、

よければ合わせてご覧ください。

studyrolerole.hatenablog.jp

 

 

本ブログでは、高度情報処理試験の、合格に向けたサポート記事を充実していきます。

「読者になる」ボタンで、ブログの更新時に通知されますので、ご検討ください。

 

それでは、ともに頑張りましょう。

 

ではそれまで。

プロジェクトマネージャー 感染症流行への対策(PJ計画の修整)【論文の書き方】(令和5年秋問1)

本記事ではプロジェクトマネージャーの午後II(論文)対策として、

令和5年問1で出題された過去問を分析します。

 

モチーフとして「感染症流行への対策」として扱います。

 

実際に論文を書く上での考え方を整理し

論文骨子を設計するところまでやっていきます。

 

 

 

問題(令和5年問1)

過去問は試験センターから引用しています。

表題:『プロジェクトマネジメント計画の修整(テーラリング)について』

 

設問文は以下の通り。

 

何が問われているかを把握する

本問のポイントは「修整」という考え方です。

軌道修正の「修正」ではなく、「修整」という、

実生活では聞きなれない言葉です。

 

「修整」について説明する前に、「計画フェーズ」と「実行フェーズ」

について説明します。

 

前提として、プロジェクトの「計画フェーズ」と「実行フェーズ」は

全く異なるフェーズであることは理解しなくてはなりません。

 

プロジェクトの計画中と実行中

「計画フェーズ」と「実行フェーズ」の主な対比は上記の通りです。

 

本問の場合は、「計画フェーズ」において策定する各種基準

(問題文では「プロジェクトマネジメント計画」や

「マネジメントの方法」と記載)について、

既存の標準や前例から「修整」して適用することを問われています。

 

修整(テーラリング)とは

上図のように、標準や前例から

  • どのように修整(テーラリング)して適用したか
  • そのまま適用しなかった理由は何か

といった点が本問の主題となっています。

 

それでは、中身について確認していきましょう。

 

出題要旨と採点講評からの分析

 

試験センターから公表されている出題要旨と採点講評を確認して

出題の意図と論述のNG例を把握します。

 

出題要旨

 

出題要旨の2文目に次の記述があります。

個々のプロジェクトの独自性を考慮して修整(テーラリング)することが重要

「個々のプロジェクトの独自性」は設問アで特徴として述べておきましょう。

設問イで「なぜ修整して適用したか」の理由として、「プロジェクトの独自性」

を根拠とするのが説得力のある組み立てとなります。

 

出題要旨の2文目には次の記述があります。

「マネジメントの方法をどのように修正し」

「どのようにモニタリングし」

「結果にどのように対応したか」

1点目は設問イで論述する部分であり、計画フェーズです。

2,3点目は設問ウで論述する部分であり、実行フェーズです。

 

設問イと設問ウで論述する部分はフェーズが異なるので、

時系列を意識して論述する必要があります。

 

 

採点講評

はじめに「全問共通」の採点講評ですが、

自らの考えや行動に関する記述が希薄な論文

経験が感じられない論述

などは毎年のように講評されている部分です。

 

当ブログでは何度も述べていますが、

受験者に「実際の経験」は不要です。

「経験があると感じさせる」論述が書ければよいです。

 

具体的には、教科書や一般論をなぞっただけではなく、

問題文に与えられたテーマや状況と、

プロジェクトの特徴・独自性を踏まえた論述が書けていることが

ポイントです。

 

上記がピンとこない方は、本問を例にどのように論述して

ゆけばよいかを説明していきます。

 

 

問1の採点講評によると、

実行中に発生した課題に対応する計画変更

を修整(テーラリング)と書いているNG例があったと述べられています。

出題条件が「計画フェーズ」であるのに「実行フェーズ」について

論述しているので、フェーズの誤認が原因です。

 

また

プロジェクトの目標達成に適合していない修整

もNG例として述べられています。

設問アで述べるプロジェクトの目標達成に繋がっていない修整では

説得力がありません。

目標との関連を意識して修整する内容を論述しましょう。

 

 

論文を設計する

問われていることの概略を把握したら

自身の経験や用意してきた論文パーツに当てはめて

どのように論述を展開するかを設計します。

 

 

設問アの設計

設問アは「プロジェクトの目標」

「重要と考えたプロジェクトマネジメントの対象とその理由」

の2点について問われています。

 

一例としてはこの2点をそれぞれ1-1、1-2節として

論文を設計すると書きやすいと思います。

 

考慮が必要な点としては、「重要と考えたプロジェクトマネジメントの対象」

の条件として「時間・コスト・品質以外」と挙げられていることです。

「時間・コスト・品質」はQCD(Quality(品質)・Cost(コスト)・時間(Delivery))とも言われ

プロジェクトマネジメントでは最重要なので、

計画段階の修整(テーラリング)の余地が少ないため、

除外されたものと思われます。

 

「時間・コスト・品質以外」の例として、問題文中には以下があります。

リスク、スコープ、ステークホルダ、プロジェクトチーム、コミュニケーションなど

PMBOKなどの標準には他のマネジメント対象もあるので、

論述できれば上記以外の対象でもよいですが、

思いつかなければ上述の例から一つ選ぶのが無難でしょう。

 

設問アでは「プロジェクトの目標」も問われているので

なぜその「マネジメントの対象が重要か」といった理由についても

プロジェクトの目標に沿ったものにしましょう。

 

 

1-1、1-2節の関係を図で示すと次の通りです。

 

設問アの構造



一例として、本記事ではプロジェクトの目標として

「競争力強化のための新機能リリース」「納期必達」

を挙げています。

 

また重要と考えたマネジメント対象として

「コミュニケーション管理」を挙げています。

その理由として「感染症流行」という状況を述べています。

 

感染症流行」があったために従来の標準や前例が機能せず、

Web会議などの非接触コミュニケーションを推進する必要がある点を

主に修整(テーラリング)が必要だったと述べてゆきます。

 

なお、修整(テーラリング)が不要だった例も盛り込むと、

 

  • 何が重要か(修整が必要)
  • 何が重要でないか(修整が不要)

 

の対比で説明できるため説得力が増すと思います。

 

本記事の場合、「協力会社との共同開発」をプロジェクトの特徴としており、

「前例をそのまま適用できるから重要なマネジメントの対象とは

しなかった」という組み立てとしました。

 

 

設問イの設計

設問イはマネジメントの方法を修整した内容と理由について

問われています。

 

今一度、問題文で説明されている「修整」とは何かということ

について整理しておきましょう。

 

修整とは

 

上の図の通り、

  1. 「リスク、スコープなどのPMの対象に関して」
  2. 「マネジメントの役割、責任、組織、プロセスなどを定義する際に」
  3. 「参照した標準や前例から個々のPJの独自性を考慮して修整(変更して適用)すること」

です。

 

このうち、1.の「PMの対象」については設問アですでに述べています。

また 3. の「個々のPJの独自性」についても、設問アでPJの目標や

特徴・背景として述べられていることが望ましいでしょう。

 

また、3.の「参照した標準や前例」からの変更点がすなわち修整の内容と

なるので、まずは「参照した標準や前例」から書きだすのが書きやすいと

思います。

 

「参照した標準や前例」は具体的には、

所属する会社や組織のプロジェクト標準、

蓄積されているノウハウ、前例となる記録

などが考えられるでしょう。

 

「修整の内容」の書き方ですが、2.の「役割、責任、組織、プロセスなど」

を意識して書く必要があります。

「参照した標準や前例」では2.の何がどのように定義されており、

今回はそれをどのように変更して適用(修整)したかを書くイメージです。

 

ここまでをまとめると、以下の図の通りです。

 

設問イの構造

 

さて、本記事の場合、感染症流行への対策のため「コミュニケーション」に

関するマネジメントの方法を修整(テーラリング)したという骨子です。

設問イで何を述べるかと言うと、

はじめに「標準や前例」としては会社標準のプロジェクトマネジメント標準の

コミュニケーション管理の項に、

各ステークホルダの情報のニーズに対する要求事項の分析を行うことを前提として、①ツール②会議体③役割の定義を行う

という記載があることを書きました。

上述の①ツール②会議体③役割が問題文中にある「マネジメントの方法」を

意識したものになっています。

 

①ツールと②会議体においては、

Web会議に最適なツールの選定を行うこと、

対面会議は極力排すること、

それによるコミュニケーション不足を補うため個々のチームで

1on1会議(一人対一人のWeb会議)を推奨することなどを

定義づけました。

 

③役割については、PMOの役割について論じました。

プロジェクト標準には、PMOはメイン会議のファシリテーター・運営を

行う程度の役割にとどまっていますが、

今回のプロジェクトにおいては、それらに加えて

Web会議ツールのメンバーへのレクチャやQandAに対応することを

述べました。

 

いずれも理由としては、

テレワークを推奨する働き方に対応するためであり、

テレワークによるコミュニケーションの非効率性を最低限に

するため、というように組み立てました。

 

 

設問ウの設計

設問ウでは設問ア、イまでとは異なり「実行フェーズ」についても

問われています。

より正確に言うと、

「修整の有効性のモニタリング」は計画フェーズで定義し、

「モニタリングの結果と対応」は実行フェーズ、という時系列です。

 

計画フェーズで"基準"を定め、実行フェーズで生じた問題を

"基準をもとに対応する"という形はPM区分の

典型的な構図です。

 

本問の場合は、設問イまでで論じた「修整」の有効性を

どのようにモニタリングするか、を定めます。

その後 定めたモニタリングの結果を実行フェーズの期間中に

追いかけ、結果についてどのように対応したかを論じます。

 

本記事の場合、感染症流行への対策としての「修整」を定義しています。

モニタリングの方法としては、

①Web会議の実施記録数と成果物の推移の観測

②ツールの使い勝手に対するアンケート

としています。

 

①は、成果物のアウトプット数が目標に反して少ない場合に、

Web会議の実施記録数が鈍化していたとしたら、

Web会議を前提としたコミュニケーションに支障が出ていると

仮定することができます。

 

②は、ツールの使い勝手に対するアンケート結果から、

プロジェクトへの不満や不調の予兆を掴み取ることを

狙いとしています。

 

 

論文骨子

以上を踏まえ、論文骨子は次のようになりました。

1.プロジェクトの目標ならびに目標達成に重要と考えたプロジェクトマネジメントの対象
 1-1.プロジェクトの目標
 販売管理システムの刷新
 目標:競争力強化を目的とした新機能リリース、2021年4月までのシステムリリース
 特徴:システム受託会社との共同開発
 1-2.重要なプロジェクトマネジメントの対象
 対象:コミュニケーション管理
 理由:2020年当時が感染症流行への対策としてテレワークが推奨されており、目標達成が阻害される恐れがあったため
2.プロジェクトマネジメント計画の修整
 自社のプロジェクトマネジメント標準のコミュニケーション管理の項:

  各ステークホルダの情報のニーズに対する要求事項の分析を行うことを
  前提として、①ツール②会議体③役割の定義を行う

 (1)ツールと会議体について
  Web会議を含めたコミュニケーションツールについて選定
  性能面・機能面を備えるツールでないと効果的なコミュニケーションが阻害されるため

  1on1などの手法も駆使してコミュニケーション不足を補うことも推奨
 (2)役割について

  PMOの役割は会社の標準規定によれば会議のファシリテーターと運営に留まっていた

  Web会議のツールのメンバへのレクチャとQandAに答える役割を追加した
3.修整の有効性のモニタリングと評価
 3-1.修整の有効性のモニタリング

 (1)Web会議の実施記録数と成果物の推移の観測

 (2)Web会議のツールの使用勝手に関するアンケート

 3-2.モニタリングの評価と対応

 (1)設計フェーズにおいて成果物の推移で遅延が観測、Web会議も実施記録数が少なくなっている状況が観測された。

    特定のWeb会議に関する機能が阻害要因であったことが分かり、機能の活用法を周知した

 (2)アンケートには問題なく、有効性があると評価した。

論文全文について

ここまででも十分考え方はお伝え出来たかと思いますが、

論文全文を参考にされたい方は有料とはなりますが

以下記事の末尾をご参照ください。

note.com

 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

本記事ではプロジェクトマネージャーの午後II(論文)対策として、

令和5年問1で出題された論文の書き方を紹介しました。

今回、プロジェクトの計画段階の"修整"がテーマであり、

従来の計画フェーズ(基準)ー実行フェーズ(基準の修正)の

単純な対比に比べると一段複雑な問題であったと思います。

また、「感染症流行への対策」という身近なモチーフも

論文に絡めることができる例を示したつもりです。

ぜひ参考にしてください。

 

また、他の区分・過去問の【論文の書き方】の記事については

以下リンクを参照ください。

論文の書き方 カテゴリーの記事一覧 - スタディルーム by rolerole

 

今後も、【論文の書き方】記事を充実して参ります。

ではそれまで。

情報処理試験 受験に向けて モチベーションをアップしよう

更新:2024/6/30

 

こんにちは。本記事は情報処理試験合格を目指して始動される方向けに書いています。

受験を申し込むのはよいが、長い勉強期間にモチベーションを持ち続けられるか

不安に思っていませんか?

 

本記事は情報処理試験の受験を申し込んだエンジニア、社会人、学生の方向けに

モチベーションを喚起、または継続するために、

  • 資格を取得するとどんなメリットがあるのか
  • どうやって勉強を続ければよいのか
  • どんな人が合格するのか・どんな仲間がいるのか

といった疑問に答えたいと思います。

 

 

 

資格を取得するメリットについて

情報処理試験は業界唯一の国家資格であり、スキルの保有証明に適格です。

なぜならIT業界は変化のスピードが速く、知識の陳腐化も速いためです。

ベンダー資格とは異なり業界横断型の試験を展開している情報処理試験は、時代の推移の影響を受けづらいと言えます。

 

より具体的に資格のメリットを知るために、試験センターであるIPAサイトを覗いてみましょう。

 

情報処理技術者試験の活用事例としては、

IPAは次の4つに分けて紹介しています。

  1. 企業における活用事例
  2. 大学・高等学校等における活用事例
  3. 官公庁・自治体等における活用事例
  4. 大学における活用事例

順に確認してみましょう。

 

1. 企業における活用事例

事例1. インタビュー(SCSK株式会社)

IT業界の雄、SCSK株式会社では次のようにインタビューに答えています。

情報処理試験のメリットとしては、業界全体で認知されている国家試験であると同時に、ほとんどの業務領域に連動しているため、客観的なスキル判断の尺度となるからです。当社では、人材育成の重要な一翼を担っています。

このように、資格自体が人材計画に組み込まれている会社が存在します。

社内での有望なプロジェクトに手を挙げたり、異動の交渉などに有利に働くことが考えられると思います。

www.ipa.go.jp

 

事例2. インタビュー(株式会社日立ソリューションズ)

同じくIT業界の雄と言える日立系のSI会社でのインタビューでは女性役員がこのようなことを話しています。

人生85年と考えれば、仕事をする期間は40年くらいで、子育てはたったの10年程度。意外に短いのです。そう考えれば、今しかやれないことを思い切りやって、その後にたくさんの選択肢を残してあげたほうが、未来の自分がずっと幸せになれます。IT業界は知識と意欲があれば、ブランク後の復帰もしやすい業界です。

人材のダイバーシティが騒がれて久しいですが、女性の出産・育児休暇からの復帰は人材マネジメントとしても課題です。

情報処理試験を取得しておくことで、復帰する際の意欲や能力の証明とすれば、障壁なく職場に復帰することができると考えられます。

www.ipa.go.jp

 

 

 

2. 大学・高等学校等における活用事例

事例1. 東京情報大学

東京情報大学では20年以上にわたって情報処理技術者試験

活用しています。

大学のシラバスと試験を連動することで大学の学びの質が

高まるとしています。

試験の合格によって、一部単位の試験免除をする制度も

あるようです。

 

www.ipa.go.jp

 

3. 官公庁・自治体等における活用事例

事例1. 農林水産省

行政に関わるデジタルトランスフォーメーション(DX)を

推進するにあたり、情報処理技術者試験を重視したとのことです。

DXを推進するチームにおいてシステム・業務・戦略・運用など

さまざまな観点でのコミュニケーション上の用語統一を図るために

試験を推奨しています。

 

www.ipa.go.jp

 

4. 大学における活用事例

多くの大学で情報処理技術者試験が活用されています。

入試優遇・単位認定・シラバス参考授業・対策講座・受験推奨の

観点で、全国300校近くの大学が活用をしています。

 

www.ipa.go.jp

 

 

 

また、各高度試験区分の取得メリットについては以下の記事にまとめていますので

合わせてご参照ください。

 

studyrolerole.hatenablog.jp

 

 

どうやって勉強を続ければよいのか

効果的なのは試験当日までの勉強計画を立てることです。

短期的な目標・中期的な目標・最終目標を定めて勉強することにより、

「何を今日は勉強しようか」という迷いを取り払うことができるからです。

具体的には人それぞれ最適な計画が存在するはずですが、

ここでは筆者からおススメの勉強計画の例を挙げておきます。

 

■勉強計画の例■

初期(試験日3か月以上前):参考書を手に取り知識を補充する。業務に直結する内容や興味のある内容からでよい。自分が面白いと感じる内容は掘り下げてみる。

中期(試験日2か月前):過去問を解いて傾向を知り対策を立てる。必要に応じて参考書を買い足す。

後期(試験1か月前):これまでの勉強の振り返りを行い、残り時間を改めて可視化する。過去問は複数回取り組み、記述式や論述式それぞれの形式に応じた対策を立てる

直前(試験1週間前):最後に集中して取り組む形式の勉強や知識範囲を絞り込む。

 

当ブログでは具体的な勉強方法についても発信しています。

勉強計画や期間に応じた記事もアップしていますので過去記事をチェックしてみてください。

 

 

どんな仲間が受験するのか

受験者や合格者の平均年齢は公開されています。

  • 基本情報は26歳くらい。
  • 高度区分は30代後半から40歳くらい。

基本情報は腕試し的な位置付けで若手あるいは学生のうちに受験し、高度区分は業務で体系的知識を身に付けるため学び直すマインドで取得する人が多いと思われます。

1回の応募者数は全体で20万人超。

合格率の統計も公開されています。平成21年度~現在までのデータですと、

  • 基本情報で25~30%
  • 応用情報で20%前半
  • 高度区分で10%台

といったところです。

参考:応募者・受験者・合格者の試験区分別平均年齢

ところが申し込んだのに受験しないという割合が3割にのぼるというデータもあります。

受験しなければ合格はおろか、次につながる自分の中の気付きも発生しないことになるので、申込んで受験しないというのは絶対に無いようにしましょう。

 

www.ipa.go.jp

 

私の場合

ところで私の場合ですが、新人の頃から情報処理試験のコンプリートを目指してきました。

しかし仕事の先輩や上司の中にも、試験など業務に無意味とばかり頭から見下す方もいました。

それでも体系的な知識の収集・補充ができることから勉強は続けました。

その結果、多くの現場においても経験を積むことができ応用を利かせやすい人材になれたように思います。

 

無料サポートの活用もご検討ください

いかがでしたでしょうか?

情報処理試験の合格に向けたモチベーションを喚起する情報となっていれば幸いです。

 

また、以下のツイートにあるように、無料での相談サービスも立ち上げています。

論文添削や相談にご興味のある方、ぜひ活用してみてください。 

 

 

 

 

近い未来、晴れて合格証を手にしているあなたを信じています。

ではそれまで。

プロジェクトマネージャー 出題予想(令和5年秋)

本記事では令和5年秋向けのプロジェクトマネージャーの

出題予想を大胆に行っています。

 

※予想は筆者の独断です。読者の責任でご活用ください。

 

勉強をそれなりにしてきた人であれば、

どの範囲が出やすいんだろう?」と気になっていたり、

これまであまりうまく勉強時間が確保できていない人は、

残りの時間、何に対策すればいいんだろう?」と思っていたりしませんか。

 

本記事では、次回プロジェクトマネージャーを受験される方向けに、

  • 出題にはどのような傾向があるんだろう?
  • 次回にはどのような問題が出題される可能性があるのかな?
  • で、それらを午前問題、午後問題(記述・論文)について知りたい!

といった疑問・要望にお答えしたいと思います。

 

なお、過去問は試験センターからダウンロード可能です。

www.jitec.ipa.go.jp

 

 

1. 午前II予想

過去4年分の出題。令和3年秋の出題に注目。

上の画像は過去4年の出題一覧です。

傾向として、「2回前」の試験からの再出題率が高いです。

  • 令和4年秋 ← 令和2年秋から6問再出題
  • 令和3年秋 ← 平成31年春から7問再出題

午前IIの合格ラインは6割なので25問中15問正解すれば通過です。

過去問から対策する場合は令和2年秋の試験出題から勉強すると効率的でしょう。

 

午前IIの出題予想ポイントは次の通りです。

 

■午前II出題予想ポイント■
1. RACIチャートに関する出題が今年も出そう
2. 令和3年秋から同じ問題が6~7問出そう
3. 計算問題は今年も1~2問出そう
4. PMBOK 7 版準拠・アジャイル開発に関する問題が出るかも

 

順に説明します。

 

1-1. RACI チャートに関する出題が今年も出そう

4年分の過去問を分析すると RACI チャートというキーワードは

4年連続で出題されています。

試験センターの好みなのかもしれませんが、今年も

RACI チャートは出題されるかもしれません。

令和3年秋問2。正解はエ。

1-2. 令和3年秋から同じ問題が6~7問出そう

冒頭にも申し上げた通り、「2回前」の試験からの再出題率が高いです。

  • 令和4年秋 ← 令和2年秋から6問再出題
  • 令和3年秋 ← 平成31年春から7問再出題

午前IIの合格ラインは15問正解すれば通過なので、

そのうちの6~7問が取れるのは大きいです。

過去問から対策する場合は令和2年秋の試験出題から勉強すると効率的でしょう。

令和3年秋問1。正解はウ。

 

1-3. 計算問題は今年も1~2問出そう

工数やコストのために計算させる問題が毎年出ています。

今年も出題される可能性があるのでチェックしておきましょう。

令和3年問13。正解はイ。

 

計算問題は時間を取られるので、時間配分に注意しましょう。

 

1-4. PMBOK 7 版準拠・アジャイル開発に関する問題が出るかも

2022年次に IPAシラバス更改があり、出題範囲が変わる可能性があります。

これまではPMBOK 6 版から引用した出題が多かったですが、

今期からはPMBOK 7 版も出題対象になると考えられます。

PMBOK 7 版やアジャイル開発に関する基礎知識も、おさえておければ心強いでしょう。

 

IPAシラバス改版に関するまとめ記事や PMBOK 7 版との関係に

ついては、以下記事を参考ください。

 

studyrolerole.hatenablog.jp

令和4年問15。正解はエ。

 

 

■午前IIのオススメ参考書■

 

 

午前IIは過去問対策をするのが近道であるのと、

インターネットにも対策コンテンツが充実しているので、

書籍のメリットは、「手に取って対策したい」という点でしょうか。

書き込みや付箋をつけるなど、実際に手を動かして対策を進めたい

方にオススメです。

 

 

 

 

 

2. 午後I(記述)予想

過去問分析(4年分)

上画像は過去4年分の過去問分析です。

午後Iは3問中2問を選択します。

自分にとって相性のよいものを選択しましょう。

 

 

午後Iの出題予想ポイントは次の通りです。

 

■午後I出題予想ポイント■
1. 新規事業や顧客価値などといったST寄りの出題が出題されそう
2. アジャイル開発を前提とした出題があるかも
3. チームやステークホルダ管理が出そう

 

順に説明します。

 

2-1. 新規事業や顧客価値などといったST寄りの出題が出題されそう

令和2年度より傾向が少し変わり、新規事業や顧客価値といった

ST寄りの出題が多くなっている印象です。

 

ここでST寄りとは、組織体を取り巻く背景や事業戦略から説明され、

どのような施策が組織体にどのようなメリットをもたらすかという

タイプの設問が多い問題のことです。

 

情報システムに求められる役割はますます多様化・高度化

していることから、プロジェクトマネージャー区分の問題でも、

戦略的な比重の高い出題が増えることが予想されます。

 

ITストラテジストの資格をすでに持っている方はその復習を、

持っていない方も、課題に対してどう分析して施策を講じれば解決するか

という考え方を身につけておくと解ける問題が増えるでしょう。

 

2-2. アジャイル開発を前提とした出題がありそう

IPAシラバスが更改されたことに伴い、今後は

よりアジャイル開発を前提とした問題が出題されると思います。

 

注目は令和2年の問2がそのはしりであると言えるでしょう。

 

スプリントに応じ開発を進めたり

そのために組織を作り直すことをしたりするなど、

参考になるアジャイル対応するPMの振る舞いや

設問が見られます。

 

アジャイル用語の重要性については

以下リンクを参考にしてください。

>アジャイル用語を習得する

 

2-3. チームやステークホルダ管理が出そう

PMBOK 6 版で提唱される10の知識エリアで過去問を分析すると、

チーム管理・ステークホルダ管理・コミュニケーション管理が

頻出傾向にあります。

令和3年の問1,3、令和2年の1~3問が該当します。

 

今年もこの知識エリアからの出題が見込まれます。

 

IPA の新シラバスからも、激しい変化の波を乗り越えるために

チームメイキングが重要であると読み取れます。

このあたりのことは以下のリンクをご参照ください。

>IPA シラバス ver4.9 変更のまとめ

 

さらにPMBOKで提起される10の知識エリア別で

対策を整理しておくことも重要です。

これについては以下の記事を参考ください。

studyrolerole.hatenablog.jp

 

 

■午後Iのオススメ参考書■

 

 

記述式の対策は解説が充実していることが重要なので、

その観点で「アイテック 重点対策」を評価してみますと、

  • 200ページ超の分量
  • 段階的に仕上げることができる仕組み
    (テクニック、作成例、実践、解説と節立てされている)
  • とりあげている過去問(解説)が多い

と、かなり充実しておりオススメです。

 

 

翔泳社 情報処理教科書」は比較的、午後対策に特化しています。

各章で知識体系を整理でき、

習得具合を節目節目にある小テストでチェックができます。

じっくりと知識を習得してからテスト対策をしたい方にオススメです。

 

 

 

3. 午後II(論述)予想

過去問分析(4年分)

上画像は過去4年分の過去問テーマ分析です。

午後IIは2問中1問を選択します。

自分にとって相性のよいものを選択しましょう。

 

午後IIの出題予想ポイントは次の通りです。

 

■午後II出題予想ポイント■
1. "変化や不確かさへの対応力"を問う出題がありそう
2. 救済のため?オーソドックスなQCDに関する出題がありそう

 

順に説明します。

 

3-1. "変化や不確かさへの対応力"を問う出題がありそう

午前IIや午後Iの予想の時にも触れましたが、

2022年次にIPAシラバスが変わっているので、

"変化や不確かさへの対応力"を問う問題が狙われそうです。

 

2022年度にもすでに出ましたが、形を変えて問われる

可能性があるので、要注目ですね。

 

採点基準もまだ整っていないことが想定されるので、

自分の経験に自信があれば多少の体裁が失われていたとしても

するりと合格できる狙い目かもしれません。

 

IPAシラバスの分析も合わせてしておくとよいでしょう。

>IPA シラバス ver4.9 変更のまとめ

 

3-2. 救済のため?オーソドックスなQCDに関する出題がありそう

オーソドックスなQCD(品質・コスト・納期)に関わる出題も

されるのではないかと予想します。

PMBOK の知識エリアでいっても、コスト管理・納期管理・品質管理

あたりが出題されるのではないでしょうか?

その根拠は大きく分けて2つあります。

 

  • 2問中1問はアジャイル系が出題されるので、想定していない受験者を救済するため
  • アジャイル系はチーム管理・コミュニケーション管理・ステークホルダ管理の色彩が濃いので、もう1問はそれ以外が出る

 

PMBOKの知識エリアで言うと、チーム管理・コミュニケーション管理・

ステークホルダ管理は頻出テーマでした。

これらが出ないとすると、次に頻出である

納期管理・コスト管理・品質管理あたりが出ることが考えられます。

 

さらに令和3年時点で納期管理が出題されていることを考えると、

コスト管理・品質管理あたりが狙われるのではないでしょうか?

 

 

■過去問対策記事のご紹介■

・令和4年 秋問1 「事業環境の変化への対応」

studyrolerole.hatenablog.jp

 

・令和3年 秋問1 「チーム内の対立の解消」

studyrolerole.hatenablog.jp

 

 

■午後IIのオススメ参考書■

 

 

筆者の場合、基本的に論文系の試験区分の試験対策には

このシリーズで準備しています。

 

とにかく、文の事例が豊富。

 

おすすめする点は、これにつきます。

論文で、どのように表現するべきか迷ったとき、

事例が豊富にあると、参考にしたり取捨選択して

自分のものにできたりします。 

 

 

 

おわりに

いかがだったでしょうか?

 

プロジェクトマネージャーを受験予定で、どのように対策を

進めればよいかの考え方の一助となれば幸いです。

 

本ブログでは、高度情報処理試験の、合格に向けたサポート記事を充実していきます。

「読者になる」ボタンで、ブログの更新時に通知されますので、ご検討ください。

 

それでは、ともに頑張りましょう。

 

ではそれまで。

プロジェクトマネージャー 出題予想(令和6年秋)(最新)

本記事では令和6年秋向けのプロジェクトマネージャーの

出題予想を行っています。

 

勉強をそれなりにしてきた人であれば、

どの範囲が出やすいんだろう?」と気になっていたり、

これまであまりうまく勉強時間が確保できていない人は、

残りの時間、何に対策すればいいんだろう?」と思っていたりしませんか。

 

本記事では、次回プロジェクトマネージャーを受験される方向けに、

  • 出題にはどのような傾向があるんだろう?
  • 次回にはどのような問題が出題される可能性があるのかな?
  • で、それらを午前問題、午後問題(記述・論文)について知りたい!

といった疑問・要望にお答えしたいと思います。

 

なお、過去問は試験センターからダウンロード可能です。

www.ipa.go.jp

 

1. 午前II予想

過去問分析

上の画像は過去5年の出題一覧です。

傾向として、「2回前」の試験からの再出題率が高いです。

  • 令和5年秋 ← 令和3年秋から3問再出題
  • 令和4年秋 ← 令和2年秋から6問再出題
  • 令和3年秋 ← 平成31年春から7問再出題

午前IIの合格ラインは6割なので25問中15問正解すれば通過です。

過去問から対策する場合は令和4年秋の試験出題から勉強すると効率的でしょう。

 

午前IIの出題予想ポイントは次の通りです。

 

■午前II出題予想ポイント■
1. 令和4年秋から同じ問題が5~6問出そう
2. 計算問題は今年も3~4問出そう
3. PMBOK 7 版準拠・アジャイル開発に関する問題が出そう

 

順に説明します。

 

1-1. 令和4年秋から同じ問題が5~6問出そう

冒頭にも申し上げた通り、「2回前」の試験からの再出題率が高いです。

  • 令和5年秋 ← 令和3年秋から3問再出題
  • 令和4年秋 ← 令和2年秋から6問再出題
  • 令和3年秋 ← 平成31年春から7問再出題

午前IIの合格ラインは15問正解すれば通過なので、

そのうちの5~6問が取れるのは大きいです。

過去問から対策する場合は令和4年秋の試験出題から勉強すると効率的でしょう。

令和4年秋問1。正解はイ。

 

1-2. 計算問題は今年も3~4問出そう

工数やコストのために計算させる問題が毎年出ています。

今年も出題される可能性があるのでチェックしておきましょう。

令和4年問13。正解はア。

 

計算問題は時間を取られるので、時間配分に注意しましょう。

 

1-3. PMBOK 7 版準拠・アジャイル開発に関する問題が出そう

2022年次に IPAシラバス更改がありました。

これまではPMBOK 6 版から引用した出題が多かったですが、

今後はPMBOK 7 版が出題中心になると考えられます。

PMBOK 7 版やアジャイル開発に関する基礎知識も、おさえておければ心強いでしょう。

 

IPAシラバス改版に関するまとめ記事や PMBOK 7 版との関係に

ついては、以下記事を参考ください。

 

studyrolerole.hatenablog.jp

令和4年問15。正解はエ。

 

 

■午前IIのオススメ参考書■

 

 

午前IIは過去問対策をするのが近道であるのと、

インターネットにも対策コンテンツが充実しているので、

書籍のメリットは、「手に取って対策したい」という点でしょうか。

書き込みや付箋をつけるなど、実際に手を動かして対策を進めたい

方にオススメです。

 

 

 

 

 

2. 午後I(記述)予想

過去問分析(5年分)

上画像は過去5年分の過去問分析です。

午後Iは3問中2問を選択します。

自分にとって相性のよいものを選択しましょう。

 

 

午後Iの出題予想ポイントは次の通りです。

 

■午後I出題予想ポイント■
1. 新規事業や顧客価値などといったST寄りの出題が出題されそう
2. アジャイル開発を前提とした出題があるかも
3. チームやステークホルダ管理が出そう

 

順に説明します。

 

2-1. 新規事業や顧客価値などといったST寄りの出題が出題されそう

令和2年度より傾向が少し変わり、新規事業や顧客価値といった

ST寄りの出題が多くなっている印象です。

 

ここでST寄りとは、組織体を取り巻く背景や事業戦略から説明され、

どのような施策が組織体にどのようなメリットをもたらすかという

タイプの設問が多い問題のことです。

 

情報システムに求められる役割はますます多様化・高度化

していることから、プロジェクトマネージャー区分の問題でも、

戦略的な比重の高い出題が増えることが予想されます。

 

ITストラテジストの資格をすでに持っている方はその復習を、

持っていない方も、課題に対してどう分析して施策を講じれば解決するか

という考え方を身につけておくと解ける問題が増えるでしょう。

 

2-2. アジャイル開発を前提とした出題がありそう

IPAシラバスが更改されたことに伴い、今後は

よりアジャイル開発を前提とした問題が出題されると思います。

 

注目は令和2年の問2がそのはしりであると言えるでしょう。

 

スプリントに応じ開発を進めたり

そのために組織を作り直すことをしたりするなど、

参考になるアジャイル対応するPMの振る舞いや

設問が見られます。

 

アジャイル用語の重要性については

以下リンクを参考にしてください。

>アジャイル用語を習得する

 

2-3. チームやステークホルダ管理が出そう

PMBOK 6 版で提唱される10の知識エリアで過去問を分析すると、

チーム管理・ステークホルダ管理・コミュニケーション管理が

頻出傾向にあります。

令和3年の問1,3、令和2年の1~3問が該当します。

 

今年もこの知識エリアからの出題が見込まれます。

 

IPA の新シラバスからも、激しい変化の波を乗り越えるために

チームメイキングが重要であると読み取れます。

このあたりのことは以下のリンクをご参照ください。

>IPA シラバス ver4.9 変更のまとめ

 

さらにPMBOKで提起される10の知識エリア別で

対策を整理しておくことも重要です。

これについては以下の記事を参考ください。

studyrolerole.hatenablog.jp

 

 

■午後Iのオススメ参考書■

 

 

記述式の対策は解説が充実していることが重要なので、

その観点で「アイテック 重点対策」を評価してみますと、

  • 200ページ超の分量
  • 段階的に仕上げることができる仕組み
    (テクニック、作成例、実践、解説と節立てされている)
  • とりあげている過去問(解説)が多い

と、かなり充実しておりオススメです。

 

 

翔泳社 情報処理教科書」は比較的、午後対策に特化しています。

各章で知識体系を整理でき、

習得具合を節目節目にある小テストでチェックができます。

じっくりと知識を習得してからテスト対策をしたい方にオススメです。

 

 

 

3. 午後II(論述)予想

過去問分析(5年分)

上画像は過去5年分の過去問テーマ分析です。

午後IIは2問中1問を選択します。

自分にとって相性のよいものを選択しましょう。

 

午後IIの出題予想ポイントは次の通りです。

 

■午後II出題予想ポイント■
1. "変化や不確かさへの対応力"を問う出題がありそう
2. オーソドックスなQCDに関する出題があるかも

 

順に説明します。

 

3-1. "変化や不確かさへの対応力"を問う出題がありそう

午前IIや午後Iの予想の時にも触れましたが、

令和4年次にIPAシラバスが変わっているので、

"変化や不確かさへの対応力"を問う問題が狙われそうです。

 

令和4年度にもすでに出ましたが、令和6年にも「修整」という形で、

変化への対応力が問われました。

 

採点基準もまだ整っていないことが想定されるので、

自分の経験に自信があれば多少の体裁が失われていたとしても

するりと合格できる狙い目かもしれません。

 

IPAシラバスの分析も合わせてしておくとよいでしょう。

>IPA シラバス ver4.9 変更のまとめ

 

3-2. オーソドックスなQCDに関する出題があるかも

昨年は出題されませんでしたが、

オーソドックスなQCD(品質・コスト・納期)に関わる出題も

あるかもしれません。

PMBOK の知識エリアでいっても、コスト管理・納期管理・品質管理

あたりが出題されるのではないでしょうか?

その根拠は大きく分けて2つあります。

 

  • 2問中1問はアジャイル系が出題されるので、想定していない受験者を救済するため
  • アジャイル系はチーム管理・コミュニケーション管理・ステークホルダ管理の色彩が濃いので、もう1問はそれ以外が出る

 

PMBOKの知識エリアで言うと、チーム管理・コミュニケーション管理・

ステークホルダ管理は頻出テーマでした。

これらが出ないとすると、次に頻出である

納期管理・コスト管理・品質管理あたりが出ることが考えられます。

 

 

■過去問対策記事のご紹介■

・令和4年 秋問1 「事業環境の変化への対応」

studyrolerole.hatenablog.jp

 

・令和3年 秋問1 「チーム内の対立の解消」

studyrolerole.hatenablog.jp

 

 

■午後IIのオススメ参考書■

 

 

筆者の場合、基本的に論文系の試験区分の試験対策には

このシリーズで準備しています。

 

とにかく、文の事例が豊富。

 

おすすめする点は、これにつきます。

論文で、どのように表現するべきか迷ったとき、

事例が豊富にあると、参考にしたり取捨選択して

自分のものにできたりします。 

 

 

 

おわりに

いかがだったでしょうか?

 

プロジェクトマネージャーを受験予定で、どのように対策を

進めればよいかの考え方の一助となれば幸いです。

 

本ブログでは、高度情報処理試験の、合格に向けたサポート記事を充実していきます。

「読者になる」ボタンで、ブログの更新時に通知されますので、ご検討ください。

 

それでは、ともに頑張りましょう。

 

ではそれまで。

システム監査技術者 出題予想(令和5年秋)

本記事では令和5年秋向けのシステム監査技術者の

出題予想を大胆に行っています。

 

※予想は筆者の独断です。読者の責任でご活用ください。

 

勉強をそれなりにしてきた人であれば、

どの範囲が出やすいんだろう?」と気になっていたり、

これまであまりうまく勉強時間が確保できていない人は、

残りの時間、何に対策すればいいんだろう?」と思っていたりしませんか。

 

本記事では、次回システム監査技術者を受験される方向けに、

  • 出題にはどのような傾向があるんだろう?
  • 次回にはどのような問題が出題される可能性があるのかな?
  • で、それらを午前問題、午後問題(記述・論文)について知りたい!

といった疑問・要望にお答えしたいと思います。

 

なお、過去問は試験センターからダウンロード可能です。

 

www.ipa.go.jp

 

 

1. 午前II予想

過去4年分の出題分析

上図は過去4年の出題一覧です。

午前IIの合格ラインは6割なので25問中15問正解すれば通過です。

 

昨年(令和4年)は「2回前」(令和2年)と「3回前」(平成31年)からの

再出題がありました。

過去問から対策する場合は「2回前」「3回前」すなわち令和3年と令和2年の

出題に注目するとよいでしょう。

 

午前IIの出題予想ポイントは次の通りです。

 

■午前II出題予想ポイント■
1. 令和3年秋と令和2年秋から同じ問題が7~8問出そう
2. アジャイル系やクラウド系の知識が問われるかも

 

順に説明します。

 

1-1. 令和3年秋と令和2年秋から同じ問題が7~8問出そう

前回(令和4年)には2回前(令和2年)から3問、3回前(平成31年)から4問

再出題されています。

よって2回前(令和3年)と3回前(令和2年)の過去問を完璧にしておけば、

7問ほど拾える期待があります。

 

午前IIは15問正解すれば通過なので、7問はかなり大きい配分です。

 

EDMモデル、ITF法、クラウドサービスの監査、アジャイル開発、

固定資産管理システムは令和3年にも出題された頻出傾向の問題なので、

今回も出題されるのではないでしょうか?

令和3年秋問1。正解はア。

 

1-2. アジャイル系やクラウド系の知識が問われるかも

AU区分以外の情報処理技術者試験全体の傾向ですが、

ここ10年ほどはアジャイル系やクラウド系の出題が増えていることから、

狙われるかもしれません。

 

令和3年問3はシステム管理基準に規定されたアジャイル開発の

取り扱いを問うものですが、この問題自体頻出(平成31年にも出た)

なので、周辺知識含めて深掘りしておくと良いと思います。

 

令和3年秋問3。正解はエ。

 

AUの自区分比率は低い■

AUは自区分(AU)の出題比率が他区分の試験に比べ小さいので、

ここ(他区分からの出題)の対策が重要になります。

 

午前IIの合格ラインは6割なので15問正解で通過ですが

例年自区分(AU)は10問なのでここを完璧に対策したとしても

あと5問は他区分から正解する必要があります。

 

システム監査人を名乗る以上、他のシステム(他の区分)の

知識も幅広く持っていた方がよいということでしょうね。

 

 

■午前IIのおススメ参考書■

 

 

午前IIは過去問対策をするのが近道であるのと、

インターネットにも対策コンテンツが充実しているので、

書籍のメリットは、「手に取って対策したい」という点でしょうか。

書き込みや付箋をつけるなど、実際に手を動かして対策を進めたい

方にオススメです。

 

 

 

2. 午後I(記述)予想

過去問テーマ分析。

上図は過去4年分の過去問テーマ分析です。

午後Iは3問中2問を選択します。(記述式)

自分にとって相性のよいものを選択できるよう、

出題予想を参考にしてください。

 

午後Iの出題予想ポイントは次の通りです。

 

■午後I出題予想ポイント■
1. 問1は先端テーマ(AI、IoT、クラウドアジャイル等)が出題されそう
2. 問1は採点基準が易しくなる可能性あり
3. 設問と問題文本文のマッピングが難しい問題の方が問題自体は易しくなる可能性あり

 

順に説明します。

 

2-1. 問1は先端テーマ(AI、IoT、クラウドアジャイル等)が出題されそう

過去4年を分析すると問1は先端技術をテーマとする出題が多いです。

令和3年はチャットボット、令和2年はDX、平成31年はRPAです。

 

今年はAIかIoTかクラウドあたりが狙われるのではないでしょうか?

クラウドは単なるハイブリッドクラウドなどの概念が狙われそうです。

シラバスが改訂されているのでアジャイル開発の監査もあるかもしれません。

 

AIであれば午後IIの令和2年問1、IoTであれば午後IIの平成31年問1が

参考になると思います。

 

2-2. 問1は採点基準が易しくなる可能性あり

問1は先端技術のキーワードがテーマなので、

そのキーワードを知らない受験者は敬遠しがちです。

 

そのため採点基準が他の"枯れた"テーマに比べ甘くなる可能性があり、

狙い目とするのもよい戦略だと思います。

 

2-3. 設問と問題文本文のマッピングが難しい問題の方が問題自体は易しくなる可能性あり

"設問と問題文本文のマッピング" についてまず説明します。

これは、設問と、問題文の各節が対応しているということを意味します。

 

具体例は、以下の通りです。

令和3年問3より。設問文と問題文がマッピングされている。

上記は典型的な例ですが、これはこの問題だけがそうなのではなくて、

システム監査技術者の試験は必ずこの構成になっています。

 

後述しますが、システム監査技術者の記述式の試験突破には、

設問文から問題文を逆に読み進めていき、

問題文全体の構造を串刺しで理解することが早道です。

 

それで、この設問文と問題文のマッピングが一見すると

マッピングされていないような出題があります。

そうした問題はマッピングが難しい問題ということになりますが、

マッピングが難しいということは、その分このことを知らない

他の受験者の正答率が落ちるということになるので、

逆にこのことを知っている方にとっては相対的に採点基準が甘くなる

可能性があります。

 

AUの午後I取り組み方■
ここで、システム監査技術者の午後Iの取り組み方をまとめておきます。

1. 問題文構造の表を頭の中に意識して、「縦方向に読み解く」ことを心掛ける。
設問と問題文の各章の各節が対応しているので、串刺し的に読み進める。

2. 設問で何が問われているかを、設問だけでなく本文も使って明確にする。
回答材料は問題文構造を縦方向に遡って探しに行く。

3. 監査手続が問われている場合、回答テンプレートを意識して回答する。
"リスク"が"コントロール"されていることを、"監査証跡"で確認する。

3. については午後Iに限らないシステム監査技術者の全体を成すテーマと
言ってよいです。
詳しくはこちらの記事を参照ください。
>リスク・コントロール・監査手続きについて
 
 
■午後Iのおススメ参考書■

 

 

記述式の対策は解説が充実していることが重要なので、

その観点で「アイテック 重点対策」を評価してみますと、

  • 200ページ超の分量
  • 段階的に仕上げることができる仕組み
    (テクニック、作成例、実践、解説と節立てされている)
  • とりあげている過去問(解説)が多い

と、かなり充実しておりオススメです。

 

 

翔泳社 情報処理教科書」は比較的、午後対策に特化しています。

各章で知識体系を整理でき、

習得具合を節目節目にある小テストでチェックができます。

じっくりと知識を習得してからテスト対策をしたい方にオススメです。

 

 

 

 

 

3. 午後II(論述)予想

過去問テーマ分析。

上図は過去4年分の過去問テーマ分析です。

午後IIは2問中1問を選択します。(論文)

自分にとって相性のよいものを選択できるよう、

出題予想を参考にしてください。

 

午後IIの出題予想ポイントは次の通りです。

 

■午後II出題予想ポイント■
1. 問1は先端キーワード(DX、チャットボット、PoCなど)をテーマとした出題がありそう
2. 問2はオーソドックスなキーワード(新サービス、スケジュール管理など)をテーマとした出題がありそう

 

順に説明します。

 

3-1. 問1は先端キーワードをテーマとした出題がありそう

問1は従来先端キーワードとしたテーマで出題されています。

令和3年はRPA、令和2年はAI、平成31年はIoTシステムがテーマでした。

また令和4年は監査の制約としてテレワークが例示されていました。

 

今年の予想ですが、DX、チャットボット、

PoCあたりが狙われるのではないでしょうか?

 

余談ですが、DX、チャットボットは

午後Iの近年の出題をヒントに、

PoCは他区分からの出題をヒントに予想しています。

 

DXはAU午後Iの令和2年問1、チャットボットはAU午後Iの令和3年問1、

PoCはSA午後IIの令和3年問1を参考にしてみるとよいでしょう。

 

3-2. 問2はオーソドックスなキーワードをテーマとした出題がありそう

一方、問2は従来オーソドックスなキーワードをテーマとして出題されています。

令和4年は障害管理態勢、令和3年は他の監査の利用、令和2年はIT組織の役割・責任、平成31年はセキュリティがテーマでした。

 

予想する材料が少ないですが、新サービス、スケジュール管理

あたりが狙われるのではないでしょうか?

 

新サービスに関してはST区分の過去問のチェックを、

スケジュール管理に関してはPM区分の過去問のチェックを

行ってみましょう。

 

 

AUの午後II取り組み方■
ここで、システム監査技術者の午後IIの取り組み方をまとめておきます。

午後Iと同様、リスク・コントロール・監査手続の3点セットを
論述に落とし込むことが重要です。
詳しくはこちらの記事を参照ください。
>リスク・コントロール・監査手続きについて

なお、実際の例として、以下の過去問に関する記事も参考ください。

studyrolerole.hatenablog.jp

 

 

studyrolerole.hatenablog.jp

 

また、他区分にヒントを求めるとしたら、圧倒的にPM区分がよいでしょう。
監査の対象とするプロセスは、多くの場合はプロジェクトであるためです。
その際、リスクとコントロールについてはPMが行うべきものであり、
その徹底具合をAUが監査手続によって監査する、という関係性を
頭に入れておきましょう。
 
 
■午後IIのおススメ参考書■

 

 

筆者の場合、基本的に論文系の試験区分の試験対策には

このシリーズで準備しています。

 

とにかく、文の事例が豊富。

 

おすすめする点は、これにつきます。

論文で、どのように表現するべきか迷ったとき、

事例が豊富にあると、参考にしたり取捨選択して

自分のものにできたりします。 

 

 
 

おわりに

いかがだったでしょうか?

 

システム監査技術者を受験予定で、どのように対策を

進めればよいかの考え方の一助となれば幸いです。

 

本ブログでは、高度情報処理試験の、合格に向けたサポート記事を充実していきます。

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それでは、ともに頑張りましょう。

 

ではそれまで。