
本記事ではシステムアーキテクトの午後II(論文)対策として、
令和7年問1で出題された過去問を分析します。
実際に論文を書く上での考え方を整理し
論文骨子を設計するところまでやっていきます。
問題(令和7年問1)

過去問は試験センターから引用しています。

設問文は以下の通り。

何が問われているかを把握する
本問はデータを収集して指標を提供する機能について
問われています。収集元となるシステムは
複数のシステムである必要があることに
注意が必要です。
設問アは達成する「業務目標」、提供する「指標」、
収集元となる「複数の情報システム」、収集する「データ」
について問われています。
設問イは「どのような事項をどのように検討したか」
について問われています。
設問ウは「データの内容の問題」と「対応」
について問われています。
出題要旨と採点講評からの分析

試験センターから公表されている出題要旨と採点講評を確認して
出題の意図と論述のNG例を把握します。
出題趣旨

出題趣旨の2文目には
業務目標と求められる指標の関係を理解した上で
と書かれています。
設問アでは「業務目標」と「指標」について問われていますが、
この2つの関連性を論じることが求められているということです。
出題趣旨の最終文には
業務を理解する能力
情報システムを設計する能力
複数の情報システムからのデータ収集に関する経験
を評価する、とあります。
論文を通して、これらの能力や経験について
アピールすることが必要です。
採点講評

「全問共通」の採点講評の2文目にはNG例が書かれています。
実施した理由や検討の経緯が読み取れない論述
上記は、ここ数年は毎年のように指摘されています。
また、システムアーキテクト区分に限らない、
論文の一般的な注意事項でもあります。
実施したことのみ論述する"したした論文"になってしまい
論拠を説明できていない論文がこれにあたります。
論文の基本的な作法や経験によって払拭できる注意点なので、
論文作成時に意識して取り組みましょう。

問1の採点講評の3文目には次のNG例が紹介されています。
業務目標と指標の関係が不明確な論述
指標と関連の薄い要件定義を記述している論述
各設問で問われている事柄に対して、関係や関連性を
えがけていない論述はNGとされています。
関係や関連性を説明するには、事柄について述べた後で
「なぜならば」といった接続詞で理由を示すのが良いです。
論文を設計する

問われていることの概略を把握したら
自身の経験や用意してきた論文パーツに当てはめて
どのように論述を展開するかを設計します。
設問アの設計
設問アは「業務目標」と「指標」と「情報システム」と「データ」
について問われています。
問題文の上部に事例が書かれているので確認しましょう。

「情報システム」については複数の情報システムをもとにする
必要があることに注意しましょう。
また達成するべき業務目標と提供すべき指標についても
関連性を持って論じることが重要です。
私の場合は、問題文1つ目の例に近い形で論じました。
①生産管理システムから設計・仕様関連データ
②保守業務支援システムから故障・保守履歴データ
以上の2点をもとに、製品やロットごとの障害検知時間と
原因特定までの時間を可視化する機能を設計する方向性としました。
設問イの設計
設問イでは「どのような事項をどのように検討したか」について
問われています。
問題文の記載を確認しましょう。

指標の算出のためデータを分析することは必要なプロセスです。
また、検討するべき事項は問題文と全く同じにする必要はありません。
問題文以外に考えられる検討事項としては、例えば、
- データの外れ値の扱い
- データの表示設計(UI設計)
- 補助指標との連携
などが考えられます。
私の場合は、問題文に近い形で論じました。
①指標を算出する手順
では、「障害とは何か」を明確に定義し、
障害検知時間や原因特定時間が
何と何の時点の差なのか、といった点を
述べました。
②データのクレンジング
では、各システムのデータ体系や単位を確認の上、
中間データを生成し、データ定義の差を吸収する
方法などを検討しました。
設問ウの設計
設問ウは「データの内容の問題」と「対応」が問われています。
問題文にも例があるので確認しましょう。

設問イにおいてデータの分析を経ているので、
設問ウではその分析の結果、データ上の具体的な問題点に触れ、
解決する展開が必要です。
データベーススペシャリストなどのデータを扱う実務経験や
知識があると書きやすいでしょう。
私の場合はデータの登録漏れやフォーマットの差を問題点とし、
設問イでも触れた中間データを生成する具体的設計を掘り下げ、
データにおける課題への対応としました。
論文骨子

論文骨子の一例を示します。
■設問ア
1.業務目標達成のための指標とデータ
1-1.業務目標と指標
A社はNC工作機械を製造・販売するメーカー
業務目標:利用顧客の満足度向上のための製造の品質向上
MTTRの30%改善
求められた指標:MTTR。中でも障害検知までの時間と
原因特定までの時間が重要。
1-2.複数の情報システムとデータ
活用する情報システム・データ
①生産管理システム・設計、仕様関連データと製造工程データ
②保守業務支援システム・稼働データや故障、保守履歴データ
■設問イ
2.指標を提供する機能の設計
2-1.指標を算出する手順
はじめに障害を明確に定義。
顧客における生産に影響を与える突発的な設備停止を伴う障害。
次に障害検知時間と原因特定時間を定義。
障害検知時間=障害発生時点T1と障害検知時点T2の差
原因特定時間=障害検知時点T2と原因特定時点T3の差
2-2.データのクレンジング
システム間に共通する製品番号による突合を
行うことで必要な中間データを生成。
障害履歴情報(T1~T3)のデータ定義の差を検討。
■設問ウ
3.データの内容の問題と対応
次のような課題に直面。
①両システムでデータ構造やキーが不一致。
②T1~T3のフォーマットの差や登録漏れ。
課題に対し、次のように対応。
①ロットと設置先の対応表となる中間マスタを生成。
②フォーマットの差はT3に合わせる。
時刻が登録されていないケースについては、
追加で登録されている時刻を補助データとして読み替える。
論文全文について
ここまででも十分考え方はお伝え出来たかと思いますが、
論文全文を参考にされたい方は有料とはなりますが
以下記事の末尾をご参照ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
本記事ではシステムアーキテクトの午後II(論文)対策として、
令和7年問1で出題された論文の書き方を紹介しました。
収集データを分析・加工して指標として提供する機能開発という
テーマですので、データベーススペシャリストの範囲の
知識や経験があると選びやすかったものと思います。
私自身の受験記もまとめているので合わせて参考にしてください。
また、他の区分・過去問の【論文の書き方】の記事については
以下リンクを参照ください。
論文の書き方 カテゴリーの記事一覧 - スタディルーム by rolerole
今後も、【論文の書き方】記事を充実して参ります。
ではそれまで。