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情報処理試験対策やIT業界への愚見・書評

システムアーキテクト 受験振り返り(令和4年春)

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更新:2022/4/22

 

※本記事は令和4年(2022年)の振り返り記事です。

 

情報処理試験を受験された方、お疲れ様でした!

振り返りをしていきたいと思います。

 

午前IIの振り返り

体感的に、2割くらいは過去問(前回(令和3年)、前々回(令和1年))の類題であったと思います。

過去問の類題と思われたのは次の通りです。

  • 問2 GoF デザインパターンを問う問題:令和1年 問3 ★全く同じ設問
  • 問9 バグ管理図を問う問題:令和1年 問11 ★全く同じ設問
  • 問12 テーラリングプロセスを問う問題:令和3年 問11 の類題
  • 問18 共通鍵暗号方式を問う問題:令和1年 問24 の類題
  • 問25 PBXを問う問題:令和1年 問22 ★全く同じ設問

問16 eシール や 問17 マルチベクトルDDoS は新出だったように思います。

個人的には、問21 キャッシュヒット率 や 問24 トランザクションの待ちグラフ はじっくり考えさせる問題であったことに加え、他の問題も全体的に選択肢の文章が長い印象で、時間が足りなくなりがちでした。

PBXはネスぺ区分の設問であるにも関わらず、全く同じ設問が出題されているのは、どのような意図があるのか気になります。

 

自己採点したところ、5問誤りでした。

 

試験センター公表の回答はこちら。※午前試験の解答はすでに公表されています。

www.jitec.ipa.go.jp

 

(追記)TACの解答速報も出ました。貼っておきます。

www.tac-school.co.jp

午後Iの振り返り

午後Iは、次の4問が出題されました。

  • 問1 新たなコンタクトシステムの構築
  • 問2 品質管理システムの構築
  • 問3 保険申込システムの再構築
  • 問4 IoT、AIを活用した橋梁点検・診断システム

問1はST寄り、問2はDB寄り(問4は例年通りES系)の印象です。

 

私は問1、問2を選択しました。

問1は素直に取り組めましたが、問2はDB的に取り組む頭に切り替えられず、時間不足で苦戦しました。

問2の出来具合によってはここで不合格となる可能性もありそうです。

速報として回答した内容を下に記しますが、特に問2はもう一度自分でも解いてみて、自己採点を進めたいと思います。

 

午後I 問1
設問1
(1)在宅かつ柔軟な勤務時間で働くニーズに応えるため
(2)購入方法の情報収集、会員情報の確認
(3)配送業者との調整など処理できない質問の時
(4) (c)
(5)問合せやクレームなどを分析し商品の改善に活かすため
設問2
(1)一人のオペレータが同時に複数の顧客とチャット対応
(2)非常事態に特定のコンタクトセンタを閉鎖せざるを得ないケース
(3)FAQを早く掲載することで問合せの急増を防ぐため

 

午後I 問2 ※自信薄です
設問1
(1)製造日、便コード、変更元検査担当者
(2)検査担当者の見込回数の確認
(3)変更前の検査担当者の見込回数で集計するため
設問2
属性:検査日時
条件:検査当日と一致すること
属性:変更元検査担当者
条件:存在しないこと
設問3
(1) (ア) (キ)
理由:品質記録票と出荷前承認記録票を廃止したため
(2) c 製造日が同一である
d 検査結果が合格である
(3) 品質管理規定に基づいた最終チェックを検査責任者に促すため

 

午後IIの振り返り

次の3問が出題されました。

  • 問1 概念実証(PoC)を活用した情報システム開発
  • 問2 業務のデジタル化
  • 問3 IoT、AIなどの技術進展に伴う組込みシステムの自動化

問1はPoCに関する設問であり、問題文中にはAIに関する実証例が述べられていました。

AIを用いたシステム開発を論文事例に持ってきていれば、対応しやすかったのではないかと思います。

問2は業務のデジタル化というタイトルではありますが、設問ウは使用性に関してが問われていました。

問2の方がむしろ問1よりも"先端技術らしさ"は求められていないように思いました。

 

私は問2を選択しました。

デジタル化の定義はあいまいですが、私はシステムを新設するケースで論述しました。

ただ、デジタル化がテーマとして出題される可能性は予想していました。

 

執筆した論文の骨子は以下の通りです。

 

午後II 問2
衣料品卸売業の在庫管理業務のデジタル化

1.私が携わった業務のデジタル化について
 1-1. デジタル化で実現を期待した業務改善
  ・特定のベテラン社員のノウハウ展開
  ・商品のデジタル管理で効率化
 1-2. 対象の業務と情報システムの概要
  ・倉庫から店舗への配送指示業務
  ・在庫管理システム

2. 業務のデジタル化の検討、課題、対応策
 2-1.デジタル化の検討方針
 ノウハウ展開のため配送指示に上司の承認を求める
 課題を予め洗いだし対応策を講じる
 2-2.想定された課題
  (1)円滑な業務のためのなりすまし
  (2)承認のオーバーヘッドで業務停滞
 2-3.対応策
  (1)社員のユーザ情報のディレクトリ管理
   全員への端末支給は配置スペースの制約から断念
  (2)商品ごとの配送基準点を設定する機能
   過去の配送指示から他担当者や承認者が判断する上での材料として提示

3.利用者がデジタル化した業務に習熟するための工夫
 3-1. デジタル化した業務の習熟する上の課題
  (1)高齢者多く標準の文字サイズが見えない
  (2)キーボード操作に不慣れ
 3-2.利用支援の仕組み
  (1)OSやソフトの設定変更で文字拡大
  音声読み上げソフトも検討したがプロトタイプの利用者評価の結果見送り
  (2)マウス操作で完結するよう追加開発
  パソコンのインストラクター支援も検討したがコスト比較の結果追加開発の方が有利だった

 

問題に求められていることではないのですが、私なりに今の日本の課題(中小企業の後継者不足)を取り上げてみたつもりでもあります。採点者の人間的な部分に届いてくれると嬉しいですね。(この考え方は合格に向けては関係ないので、あまり参考にしないでください)

 

なお午後IIでは、論文事例マップを用いて対策をするのがおすすめです。

システムアーキテクト区分においても、そのうち特集記事を書きたいと考えています。

 

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ITストラテジスト版はこちら

 

 

振り返り総評

総評としては午後Iに悔いが残りますが、全体を通じて当落線上といったところでしょうか。

 

 

午後Iは問2が不完全燃焼ですが、問1で得点カバーできることを期待です。

午後IIはデジタル化という概念的には新しい(2015頃~)テーマなのにも関わらず単純なシステム導入というシナリオを選択してしまったので、採点されるかが不安点です。

 

 

試験センターの午後試験の解答が出るまでまだ時間があります。

まずは、試験を完遂できた自分をほめて、休息しましょう。

システムアーキテクト受験記としては、次は自己採点(特に午後Iの問2)をしたときに、報告をしたいと思います。

ではそれまで。