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情報処理試験対策やIT業界への愚見・書評

システムアーキテクト 受験振り返り(令和5年春・最新)

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情報処理試験を受験された方、お疲れ様でした!

振り返りをしていきたいと思います。

 

午前IIの振り返り

体感的に、4割くらい過去問(令和4,3,1年、平成30年)の再出題であったと思います。

過去問の再出題と思われたのは次の通りです。

  • 問1 アシュアランスケース:令和3年 問1
  • 問2 DFD:令和1年 問1
  • 問5 オーバーライド:令和1年 問4
  • 問6 GoFデザインパターン:令和1年 問2
  • 問7 チューリングテスト:令和1年 問12
  • 問9 スプリントレトロプロスペクティブ:平成30年 問13
  • 問14 WTO政府調達協定:令和3年 問15
  • 問17 共通鍵暗号:令和4年 問15

令和1年からの再出題が最も多いですね。

以上より、4回分くらい過去問を解いていると、その中から特定年度のものは4問ほど再出題される年もあるということのようです。

 

自己採点したところ、4問誤りでした。

 

試験センター公表の回答はこちら。※午前試験の解答はすでに公表されています。

www.ipa.go.jp

 

午後Iの振り返り

午後Iは、次の4問が出題されました。

  • 問1 システム再構築における移行計画
  • 問2 セミナー管理システム
  • 問3 融資保証システムの再構築
  • 問4 ホテルチェーンを展開する事業者向けの顔認証システム、及び顔認証を提供する基盤システム

問1は移行系、問2はDB寄り、問3はST寄り(問4は例年通りES系)の印象です。

 

私は問1、問3を選択しました。

問1に目標45分のところ50分かけてしまい、問2を40分で解かなければならず焦りました。

ただ、以下のポイントを思い出し速読できました。

  • SAはまず全体の問題文の構成を把握すればよく、最初から細部を読まなくてよい
  • 構成を把握したら、設問からキーワード別に遡って解いてゆく

上記の点を思い出し、何とか時間内に全ての問題を納得いく形で答えることができました。

なお、上記の点は三好康之様の下記動画で詳しく紹介されております。

www.youtube.com

 

あと、参考までに私は問題選択の基準を以下のように決めてました。

  1. ST寄りの問題を選ぶ
  2. 図表の多い問題は選ばない
  3. 公共系の問題は選ばない

その結果、問2は図表が多かったので選びませんでした。

なぜ上記のようにしたかというと、過去問を解いてみての相性でした。

自分が易問と感じたものを選ぶようにしたということです。

ここで重要なのは、問題選択で時間を取られ過ぎないようにするために、予め自分の中で基準を決めておいた方がいい、ということです。

 

速報として回答した内容を下に記しますが、自己採点・分析は進めておきたいと思います。

 

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午後IIの振り返り

次の3問が出題されました。

  • 問1 デジタルトランスフォーメーションを推進するための情報システムの改善について
  • 問2 利用者と直接の接点がない情報システムのユーザインタフェースの検討について
  • 問3 再利用の容易化を考慮した組込みシステムのアーキテクチャについて

問1は例年DXライクな問題でしたが、ついに直接的にDXが出題された印象です。

ただ、問題文をよく読むとDX施策推進のために割と具体的な(泥臭い)調整が例示(システム連携やデータ統一)されていて、AIなどの最先端技術に代表されるDX一辺倒だけの知識では回答しづらいようにも思いました。

一方問2は設計カテゴリの出題ではありますが、昨年の傾向的にUI・使用性に傾倒した内容であるように思えました。

 

私は問1を選択しました。

選択基準は、

  • 要件定義と設計であれば要件定義を選ぶ
  • ST寄りとAP寄りであればST寄りを選ぶ

でした。

 

 

執筆した論文の骨子は以下の通りです。

 

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合格したいですが、こればかりは分からないですね…。

 

以下は、現時点で気にしすぎても仕方ない、あまり参考にならない点かもしれませんが、私なりの反省点です。

 

採点で気になるところとしては、

  1. 問題文の趣旨に沿っているか
  2. 論理が破綻していないか
  3. SAとしての主張ができているか
  4. 字が汚くなりすぎていないか

ですね。

 

1. 「問題文の趣旨に沿っているか」は、

「情報システムの改善」としているのに「DX用の新情報系システムを構築する」という論旨は趣旨に沿っているか?

が気になります。

「既存システム(販売管理システムとECサイト)のID統合」が論文で最大の紙面を割いたテーマなので、「情報システムの改善」に沿えたつもりではいますが、致命的な減点に繋がらないことを祈ります。

 

2. 「論理が破綻していないか」は、

設問ウで、3-1. で生じた課題①②の解決策について3-2.で案①②を比較検討しているが、そもそも課題②を解決できない案①は検討の余地もないのではないか?

という点が気になります。

設問ウについては時間も無く、とにかく字数と論旨(に見えるもの)を時間内に書くことしか意識できなかったので、ここで減点されてしまったら仕方ないと考えます。

 

3. 「SAとしての主張ができているか」は、

設問イで、2-1. でヒアリングの結果生じた課題①②の最終的な解決策「顧客自身にIDの紐づけを実行してもらう」がSAらしい解決策ではないのでは?

という点が気になります。

どちらかといえばST的な視点での解決策になってしまいそうだったので、執筆中に急遽「顧客自身にIDの紐づけを実行してもらう『画面を用意した』」というSAらしい実装面の表現にしましたが、本質的にはSTの動きであるような気もしてしまいます。

 

4. 「字が汚くなりすぎていないか」は、設問イ後半~設問ウがオーバーペースになり、字が汚くなってしまったことが気になります。

 

なお、時間配分の実績は以下の通りでした。

  1. 論文設計まで:35分(残り85分)
  2. 設問ア完了まで:30分(残り55分)
  3. 設問イ、字数800字クリアまで:35分(残り20分)
  4. 設問イ完了まで:5分(残り15分)
  5. 設問ウ完了まで:14分(残り1分!)

正直、3. の設問イの字数800字クリア時点で残り20分を目の当たりにしたとき、諦めもよぎりました。

しかし「手を止めたら死ぬ」くらいの思いで何とか4, 5まで書き終えました。

その結果、3. の途中からと 4, 5 は字が汚くなってしまいました…。

 

ただ、何とか読める字であることと、ギリギリまで論理が破綻しないように表現を考えて展開しきった自負はあります。

 

ここまで、多少自分に厳しく反省してみましたが、あとは自分を信じるしかありません。

 

振り返り総評

総評としては、特に午後IIが当落線上といったところでしょうか。

 

午前IIは採点結果4問間違いで通過、午後Iはおそらく6割は取れていると思うので、やはり合否を分けるのは午後IIでしょう。

 

試験センターの午後試験の解答が出るまでまだ時間があります。

まずは、試験を完遂できた自分をほめて、休息しましょう。

 

ではそれまで。