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情報処理試験対策やIT業界への愚見・書評

情報処理技術者試験(高度) 各区分の午前II分析 (令和3年秋)

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情報処理試験、受験された方、お疲れ様でした。

試験が終了して少し時間が経過しましたが、合否発表にはまだ時間があります。

各区分の、午前IIの出題分野を分析してみたので、本記事でまとめてみました。

 

■ATTENTION■
本記事で分析する主題分野は筆者の独断です。
IPAとしては、テクニカル系・ストラテジ系・マネジメント系に分けられるということを公開しています。

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各試験区分の午前の出題範囲
参考:
試験要綱ver4_7.pdf (ipa.go.jp)

 

各試験区分の午前II出題割合

1. プロジェクトマネージャー(PM)

問題 区分 問題数 割合
問1~14 PM 14 56%
問18,19,21,23~25 SC 6 24%
問15~17,20 SA 4 16%
問22 ST 1 4%

 

■コメント■

 

自区分(プロジェクトマネージャー)の出題数は14問で全体の56%。

次に多いのがSC(情報処理安全確保支援士)で6問・24%。SCの出題数が多いのは、他の区分でも同様と見られる。

SA(システムアーキテクト)も4問・16%で多め。プロジェクト管理を行う以上、開発ノウハウは知っておくべき、ということと思われる。

 

2. システム監査技術者(AU

問題 区分 問題数 割合
問1~10 AU 10 40%
問13,17~20 SC 5 20%
問14,15,24 PM 3 12%
問11~12 応用情報 2 8%
問23,25 SM 2 8%
問16 ST 1 4%
問21 DB 1 4%
問22 ES 1 4%

 

■コメント■

 

全区分で、最も幅広い試験区分から出題されている。

自区分(システム監査技術者)の出題数は10問・全体の40%で、自区分比率は他の区分の試験と比較して最も少ない。

次に多いのがSC(情報処理安全確保支援士)、PM(プロジェクトマネージャー)と続く。

監査する立場である以上、セキュリティ観点の知識や、被監査対象であるプロジェクトの管理者の知識を求めていると思われる。

 

3. データベーススペシャリスト

問題 区分 問題数 割合
問1~15 DB 15 60%
問16~18,25 SA 4 16%
問22~23 応用情報 2 8%
問19 SM 1 4%
問20 SC 1 4%
問21 NW 1 4%
問24 PM 1 4%
 
 
■コメント■

 

自区分(データベーススペシャリスト)の出題数は15問・全体の60%で多め。

合格ラインは60%なので、自区分の問題さえ確実にこなせばそれだけで午前IIパスも可能。

次に多いのがSA(システムアーキテクト)で4問・16%。

データベースと連携するアプリケーション層やとりまくシステムアーキテクチャの理解が求められていると思われる。

 

4. エンベデッドスペシャリスト

問題 区分 問題数 割合
問1~14,24,25 ES 16 64%
問16~19 SC 4 16%
問20~23 SA 4 16%
問15 NW 1 4%
 
 
■コメント■

 

自区分(エンベデッドスペシャリスト)の出題数は16問・全体の64%で多め。

合格ラインは60%なので、自区分の問題さえ確実にこなせばそれだけで午前IIパスも可能。

次に多いのがSC(情報処理安全確保支援士)、SA(システムアーキテクト)の順。

IoTデバイスのセキュリティは求められているのと、組込みソフトウェアの設計でプログラムの知識が求められているということと思われる。

 

5. 情報処理安全確保支援士

問題 区分 問題数 割合
問1~17,23,24 SC 19 76%
問18~20 NW 3 12%
問22,25 PM 2 8%
問21 DB 1 4%

 

■コメント■

 

自区分(情報処理安全確保支援士)の出題数は19問・全体の76%にも上る。

合格対策としては、ほぼ自区分の勉強だけで十分。

次に多いのがNW(ネットワークスペシャリスト)だが、これはセキュリティとネットワークが密接に関わっているため。

本区分は、午後問題でもネットワークの知識があると回答しやすい設問が多い。

 

総合分析

各区分の出題表を再掲します。

 

  • プロジェクトマネージャー
問題 区分 問題数 割合
問1~14 PM 14 56%
問18,19,21,23~25 SC 6 24%
問15~17,20 SA 4 16%
問22 ST 1 4%

 

  • システム監査技術者
問題 区分 問題数 割合
問1~10 AU 10 40%
問13,17~20 SC 5 20%
問14,15,24 PM 3 12%
問11~12 応用情報 2 8%
問23,25 SM 2 8%
問16 ST 1 4%
問21 DB 1 4%
問22 ES 1 4%

 

問題 区分 問題数 割合
問1~15 DB 15 60%
問16~18,25 SA 4 16%
問22~23 応用情報 2 8%
問19 SM 1 4%
問20 SC 1 4%
問21 NW 1 4%
問24 PM 1 4%

 

問題 区分 問題数 割合
問1~14,24,25 ES 16 64%
問16~19 SC 4 16%
問20~23 SA 4 16%
問15 NW 1 4%

 

  • 情報処理安全確保支援士
問題 区分 問題数 割合
問1~17,23,24 SC 19 76%
問18~20 NW 3 12%
問22,25 PM 2 8%
問21 DB 1 4%

 

 

自区分比率が最も高いのはSC(情報処理安全確保支援士)で、19問・76%です。

SCは、他区分の試験においても必ず出現しているのも特徴です。

 

一方、自区分比率が最も低いのはAU(システム監査技術者)で、10問・40%でした。

しかも、他区分の試験においてはまったく登場していないです。

 

これは、AUの試験区分が他から特異であることを意味しているように思えます。

推測ですが、AUの試験作成には、他の区分の作成者とはかなり違った経路の専門家が集まっているのではないでしょうか?

 

複数の高度試験の合格を目標としている方は、まずはSC合格から狙って経験を積んでいくのが、効果的な取り組み方だと思います。

 

おわりに

いかがだったでしょうか?

本ブログではあまり取り上げない、午前IIを中心に分析しました。

本記事では筆者独自の観点で問題を種別して分析しているので、一つの考え方として参考としていただければ幸いです。

 

本ブログでは、高度情報処理試験の、合格に向けたサポート記事を充実していきます。

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試験センターの合格発表までまだ時間があるので、今後も分析記事を投稿したいと考えています。

ではそれまで。