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情報処理試験対策やIT業界への愚見・書評

高度情報処理試験対策 2か月前から取り組むべき5点のこと(令和3年秋版)

更新:2021年12月27日

令和3年度の秋季情報処理試験(10/10)まで残り55日となりました。

約2か月前。直前でも無いけど、半年・一年以上の長期学習計画を立てるほどの時間も無いこの時期。

 

何に取り組めばよいのでしょうか?

さきに結論を書きましょう。

 

■2か月前から取り組むべき5点■
  • 1. 気構え:長い試験時間に耐えられる覚悟・体調管理
  • 2. 午前II対策:過去問を解くこと
  • 3. 午後対策(記述対策):解説の多い参考書で準備
  • 4. 午後対策(論文対策):事例集で自分なりの表現を掴む
  • 5. 気構え:SNSでモチベーション維持

 

本記事では、合格するために、上記5点について詳しく書いて参ります。

 

[目次]

 

なお、今期(令和3年秋)のスタートダッシュ記事については、下記を参考ください。

 

■スタートダッシュ記事■
今期の始動時(6月)に、試験受験に向けて必要な情報・心構えをまとめています。
ポイントは、
情報処理試験のメリット/統計情報/試験の作成プロセス です。

>秋季 情報処理試験 受験に向けて モチベーションをアップしよう 

 

コロナ禍における試験開催

コロナ禍に入り久しいですが、前期(令和3年度 春)、前々期(令和2年度 秋)は試験開催されました。

3期前(令和2年度 春)は、コロナ禍を理由に開催が中止されています。

中止となったのは、この時だけです。

 

今期が予定通り開催されるかは、確実なところは分かりません。

ただ、前期と前々期が開催されたこと、ワクチンなどの接種状況が進んでいることから、余程のアウトブレイクが発生しない限りは、開催されるのではないかと思います。

 

今期も、コロナ禍の動向やワクチンの接種状況、国や自治体の勧告などに注目してください。

 

1. 高度情報処理試験についておさらい

さて、まずは試験そのものについておさらいをしましょう。

「レベル4」と言われる高度情報処理試験は、9区分があります。

下の図を見ながら確認してください。

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IPA 試験区分一覧 H29春以降

中央ピンク色で表現されている試験9区分が高度試験と呼ばれています。

9区分のうち、ST、SA、PM、SM、AUの5区分が午後IIに論文試験があります。

一方、NW、DB、ES、SCは午後IIは午後Iと同様、記述試験です(午後Iよりも分量の多い記述試験という感じ)。

9区分の試験区分は同一です。

  • 午前I:50分
  • 午前II:40分
  • 午後I:90分
  • 午後II:120分

試験終了は16時30分になります。他の試験区分の中でも試験時間が長いことが特徴です。

このことから、長い試験時間に耐えれることが必要です。

初めて受験される方は、一度は自分で一日を通して模擬試験をしてみましょう。

 

(参考)IPAの試験区分一覧

www.jitec.ipa.go.jp

  

■1つ目のポイント■
高度の試験区分は、試験時間が長い。
慣れておくために、時間を測って過去問を解いておこう。

 

2. 過去問はやはり重要

情報処理試験は過去問とその回答を公開しています。

 

特に午前の試験は選択式で、かつ過去問の採用率が高いので、3~4年分の過去問を頭に入れておくだけで合格できます

短絡的な考え方かもしれませんが、合格だけを目的に考えるなら、出題された単語や意味などを覚えなくても、問題文と回答のセットだけを覚えれば十分です。

 

一方、午後の試験(記述式・論述式)は同じ問題は出ないので、過去問だけを解いて合格しようとするのは、膨大な時間をかける必要があるという意味で、無理があるでしょう。

IPAでは過去問の解答は公開しても、解説までは公開しないので、ここは参考書に頼るのがよいと思います。

 

■2つ目のポイント■
過去問を解こう。
極論、午前問題は、それだけで対策になる。

 

3. 記述対策の参考書

記述対策に求めるポイントは、次の1点です。

解説が充実していること

どの区分にしろ、初めから試験センターの定義する「正解」を記述する事はできないでしょう。

自分の考え方のクセを意識して、「正解」に合わせる行為が必要です。

そこで必要なものが、「解説の充実度」です。

 

ここからは、私自身の体験も踏まえて、参考書について評価してみましょう。

iTEC 重点対策

前回、ITストラテジストに合格した私は、記述対策にiTECの『重点対策』を用意しました。

 

午前II、午後I、午後IIまですべてこれ1冊でカバーしているところが強みです。

紙面の配分も同等か、しいて言うならば午後II対策の分量が少ないと言えるかもしれません。

記述式の対策は解説が充実していることが重要なので、その観点で評価してみますと、

  • 200ページ超の分量
  • 段階的に仕上げることができる仕組み(テクニック、作成例、実践、解説と節立てされている)
  • とりあげている過去問(解説)16問(うち3問が組込みシステム)

と、かなり充実していると言えそうです。(2020年版の評価です)

 

ただ、解説自体に納得がいかないものも一部でありました。

たとえば、解説文が、問題文の引用や焼き直しに終始しており、「なぜその回答になるのか?」という論理が足りないと感じるものがありました。

その正答ならば、問題文のこの部分を引用しないのはなぜ?といったような疑問がわくものもありました。

 

ただ、私は一発で合格できたので、上に指摘した以外の要素は問題ないと思います。

 

翔泳社 情報処理教科書

前々回合格できたシステム監査技術者の際は、翔泳社の『情報処理教科書』で準備しました。

最新版ではなく、2014年版を中古で購入しました。

 

比較的、午後対策に特化しています。

全体的な章立てとしては、

  • 監査の計画
  • 監査の実施
  • 監査の報告

などいくつかの体系に分けられており、章ごとに知識・午後I対策・午後II対策ができるようになっています。

章の体系からして、合格に向けた対策がとれることと同時に、各監査のフェーズにおける専門知識を習得できるようになっており、実際の監査業務に役立てやすい構成になっていると感じます。

特に、第1章に書かれている「監査とは」の部分は個人的に必見です。

なぜ監査が必要か、監査はどうあるべきで、実務を踏まえてどうアジャストする必要があるかなどといった観点が含まれていて、実体験を通じておぼろげながら理解できているという人でも、よりクリアに理解しなおすことができます。

なお、本書は2014年版でしたが、試験体系も、ましてや監査の勘所といった点はあまり変わりません。(何しろ監査という概念そのものは、ITが登場する前からあったので)

ですので、対策本を検討する際は、最新のものに固執せず、中古で安く仕入れるという考え方もアリだと思います。

 

■3つ目のポイント■
記述対策は参考書に頼ろう。
何冊かで迷ったら、「解説の充実度」があるものを選ぼう。

 

4. 論述対策の参考書

本記事では1冊、参考書のシリーズを紹介します。

 

論文のある試験区分では『合格論文の書き方・事例集』というシリーズが出ており、その名の通り、論文を書く上での言い回しや論旨展開の事例集として活用できます。

私の場合、他の論文系の試験区分を合格した際も、このシリーズで準備をしました。

論文で、どのように表現するべきか迷ったとき、事例が豊富にあると、参考にしたり取捨選択して自分のものにできたりします。

 

また、論文対策においては、単に例文を読むだけではダメで、自分なりの表現に"昇華"させる必要があります。

このために参考にしていただきたい本ブログのオリジナルのフレームワークが、「論文事例マップ」です。

別記事にまとめていますので、合わせてご参考ください。

 

■論文事例マップの作り方■
ITストラテジストを例に、論旨展開の"型化"を目指すフレームワークの紹介記事です。

studyrolerole.hatenablog.jp

 

記述対策・論文対策と参考書を紹介しましたが、自分との相性もあると思いますので、時間が許せば、書店で手にとって比較するのがよいと思います。

ただ、ここに挙げたものに限らず、目的が合格にあるという点ではどれも同じなので、まずは1冊選んでとにかく沿って学習してみる(その方が参考書を比較検討する時間を削って勉強にあてられる)、という考え方もあるかもしれません。

 

■4つ目のポイント■
論文対策には参考書などで事例集めを。
論旨展開は、「論文事例マップ」などの活用で自分なりの"型化"を目指そう。

 

5. SNSでモチベーションアップ

モチベーション管理のために、SNSで受験する方の状況をチェックするのもよいと思います。

たとえばtwittertwitterをやっていなくとも、リアルタイム検索でキーワードを登録しておけば、通知を受け取れるアプリがあります。

promo-search.yahoo.co.jp

キーワードには、情報処理試験や、受ける試験区分の試験名を登録しておくとよいでしょう。

尚、私もtwitterはやっていますので、よろしければフォローもご検討ください。

ここには書けないような日常のTIPSや細かい記事ネタもつぶやいていますので、本ブログの先取りになるかもしれません。

 

 

■5つ目のポイント■
勉強の中だるみを防ぐため、SNSでモチベーションを維持しよう。

 

まとめ

それでは、情報処理試験の高度試験にどのように準備するか、本記事で紹介したことを改めてまとめておきましょう。

 

■まとめ■
  • 1. 気構え:長い試験時間に耐えられる覚悟・体調管理
  • 2. 午前II対策:過去問を解くこと
  • 3. 午後対策(記述対策):解説の多い参考書で準備
  • 4. 午後対策(論文対策):事例集で自分なりの表現を掴む
  • 5. 気構え:SNSでモチベーション維持

 

上記のことは繰り返し申し上げていることですが、2か月前のこのタイミングだからこそ、改めて自身の振り返りにも活用してみてください。

参考までに、前回(令和3年 春試験)の試験対策記事も、余裕があれば目を通してみてください。

 

■高度情報処理試験対策 70日前にやるべきこと■

同様のポイントをまとめていることが、分かると思います。

>勉強法・参考書・気構えについて(残70日!)

 

なお、私は今期、秋試験は受験しません。

情報処理試験のフルコンプリートを目指していますが、前々回にシステム監査技術者に合格したことで、秋試験では受験する科目がなくなってしまったためです。

なお、その時の記事は以下を参照ください。

 

■システム監査技術者 合格記事■

 

今期は、受験される方のサポートに回りたいと思っています。

以下の私のツイートにもあるように、無料相談サービスも立ち上げています。

論文添削や記述式の相談にご興味のある方、ぜひ活用してみてください。

では、合格を目指して共に頑張りましょう。

 

本ブログでは、高度情報処理試験の、合格に向けたサポート記事を充実していきます。

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ではそれまで。