最終更新:2021/8/2
ITストラテジストに一発合格しましたので、合格の秘訣についてまとめています。
受験直後の速報記事はこちらをどうぞ。
合格直後の報告記事はこちらをどうぞ。
午前対策・記述対策(午後I対策)・論文対策(午後II対策)・心構え・参考書の評価という順にまとめています。
本記事では、論文対策(午後II対策)・心構え・参考書の評価についてまとめています。
午前対策・記述対策(午後I対策)は前半の記事でまとめていますので、合わせてご参照ください。
一番知りたいところから順に読んでもらえればと思います。
3. 論文対策
3-1. 求められる姿勢
どのようなスタンスで論述するかは大事なので、求められる姿勢をイメージしていくことは重要です。
ITストラテジストの行動規範の一つが、
経営陣と事業部門の架け橋になること
です。
つまり、板挟みになりながらも、指針をもって導きつつ調整しなければならない。
試験区分の「最高峰」と言えども、そんな、泥臭く謙虚に取り組む姿が垣間見えます。
そうした思いで、論述をしてゆくとよいでしょう。
3-2. 傾向の分析
私なりに分析した過去問の傾向をお伝えしましょう。
大きく分けると、この2つに大別されます。
前者は経営を取り巻く状況に力点を、後者は分析と真の問題点追求に力点を置いて、論述しましょう。
もう一つ、傾向的なことをお伝えします。
論述する上での立場に関する話です。
- SI企業に所属している立場
- ユーザ企業に所属している立場
傾向的に、どちらの立場が書きやすいか。
これは、ユーザ企業の方が書きやすい、とお伝えしておきましょう。
他の高度試験とは異なり、STの場合は、ヒアリング・交渉・分析等で、調整系の論述分量が多いです。
ユーザ企業の内部にいないと、紙面が足りなくなる、というのが理由です。
3-3. 知識の強化
問題を解く上で武器になる知識についてお伝えしましょう。
BSC(バランススコアカード)
ITストラテジストとして情報戦略を立案する際に、参考にする経営戦略策定ツールであるBSC(Blance Score Card)は筆頭です。
BSCは、
- 財務
- 顧客
- 内部プロセス
- 教育
の4つの視点で目標を設定し、相互の因果関係を整理して経営戦略を策定するツールです。
午後Iや午後IIの問題文を、この4つの視点で色分けしてみましょう。
設問で問われている事や、問われている論述の内容が、浮かび上がって見えてくるはずです。
ビジネスモデルとビジネスプロセス
IPAの採点講評にもあるが、ビジネスモデルとビジネスプロセスは明確に違うので、押さえておきましょう。
実際の業務現場では、混同して使われることも多いと思います。
何が違うか。
最も単純に言うと、主語が違います。
- ビジネスモデル:経営陣が決定する
- ビジネスプロセス:多くの社員で実現する
ITストラテジストの権限ならば、実現するのは後者(ビジネスプロセス)が適切でしょう。
前者(ビジネスモデル)は、経営者が策定するのを、ITストラテジストとしては「支援する」のがせいぜいになるはずです。
3-4. 論文の事例
参考書などでITストラテジストの論文例を調べていくと、見えてきたことがあるので、お伝えしましょう。
それは、経営目標に具体的な財務目標をあげるケースは少ないということです。
おそらく、IT戦略(内部プロセス指標・顧客指標)が財務指標に貢献することを客観的に示すことが難しいからでしょう。
ですので、論文には財務指標を目標として盛り込まない方が無難です。
ただし、字数などが足りない場合は、記載してもよいでしょう。
3-5. 論文パーツの例
論文の対象となるシステムやプロジェクトは、決めておきましょう。
特に決めておきたいのは、
- 予算
- 期間
- 工数
です。
勉強開始時点から決まっている必要はないですが、ある程度の論文を実際に書いた後でしたら、自分の論文のパターンに合わせて、決めておくのがよいでしょう。
また、1つだけ論文パーツの例を示しておきましょう。
製造系企業で生産管理システムの刷新。
分析して見えた課題は、熟練の職人しかできない作業工程があること。
解決策として、タブレット端末を職人に持たせ、都度数値による入力を行わせることで、最適化とナレッジ継承につなげる。
本記事は秘訣のまとめなので、パーツの例は以上としておきますが、論文パーツだけをまとめた記事もいつかは書きたいですね。
3-6. 漢字対策
ST区分だけではないですが、論述中にど忘れしそうな漢字はチェックしておきましょう。
- 基(カン)システム
- 対策を(テッ)底する
書けますか?
こんなところで焦って集中を乱されたくないですよね。
- 基幹システム
- 対策を徹底する
上記が正しい漢字ですね。
最後の手段、問題文に載っていることもあります。
時間を取られ過ぎるのもまずいですが、諦めずに探せば見つかることも。
4. 試験への心構え
ここからは、試験への心構えをお伝えしましょう。
直前まで目を通すチートシートを作って、すぐにみられるようにしておきましょう。
各試験の前は、5分~10分くらいの時間があります。
直前で起動してすぐ見られるよう、テキストにしてスマホに入れておくのもよいでしょう。
起動する時間がもったいないので、理想は印刷ですね。
また、鞄に不要な物をしまってから、試験開始まで、けっこう時間があります。
この時間も有効活用しましょう。
- 午後Iなら印象的な過去問を連想して、解く上での考え方を思い出せるように。
- 午後IIなら論文パーツを連想して思い出せるように。
ぎりぎりまで、時間を合格のために使います。
5. 参考書の評価
最後に参考書について評価を加えておきましょう。
5-1. 対策本『アイテック重点対策』
とてもお世話になっていますが、午後Iの解説に納得いかないことも多かったです。
解説文が問題文の引用や焼き直しで、なぜその回答になるかの論理が足りない気がしました。
その正答ならば、問題文のこの引用に触れないのはなぜ?といったような。
とはいえ、私は一発合格したので、上に指摘した以外の要素は問題ないと思います。
もっと、参考書のより効果的な使い方について、私も研究したいと思います。
さて、2回に分けて、ITストラテジストの一発合格の秘訣をまとめてきました。
いかがでしょうか?
しばらくは、令和3年度の秋試験のサポートに回りたいので、対策記事を書きたいと思っています。
ではそれまで。