スタディルーム by rolerole

情報処理試験対策やIT業界への愚見・書評

システム監査技術者試験(令和2年)に一発合格しました

合格証が届きました。

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システム監査技術者試験・合格証

一発合格でした。嬉しいですね。

簡単ですが、取り組んだ感想と、振り返りを行っていきたいと思います。

新型コロナの影響

今期(令和2年)は、新型コロナの影響もあり、もともと春(2020年4月)に予定されていた試験が、秋(2020年10月)に延期されたこともあり、半年間勉強時間が伸びたことも、プラスに働いたように思います。

また、そのためか、合格証の番号も、本来受験月をあらわす桁が04と表記されていました。(下図赤丸参照)

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合格証の番号。本来10のところ04と表記されている

これはバグと言っていいのではないかと思うのですが、後日別の情報処理試験の願書提出時で午前I試験を免除申請するときに、合格済みの試験があればその合格時の証書番号を入力するのですが、下図のように、「受験月」と記載されています。

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受験月と書かれている。実際に受験したのは10月だが…

合格証書番号に書かれている「04」を入れるのが正しいのですが、受験した月にならって「10」と入れると、エラーになります。これから次の情報処理試験を受けようとされている方は、ご注意ください。

成績照会の結果

私の成績の結果は以下の通りでした。

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システム監査技術者試験 成績照会の結果

午前IIの合格ラインも午後Iの合格ラインも60点(60%)以上なので、楽勝とまではいかなくともまあまあ危なげなく突破できたのではないかと思います。

午前IIの振り返り

午前IIはそれほど困る問題は出ていなかったと記憶しています。見返すと、

が個人的には目新しかったかと思います。

ただ、どの高度試験にも言えることと思いますが、午前IIは基本的には過去問からの再掲が多いので、目新しい設問が2,3あったところで、恐れることはないです。

午後Iの振り返り

 午後Iは、

  • 問1 デジタルトランスフォーメーション推進プロジェクトの監査
  • 問2 システム監査計画
  • 問3 システムの有効性の監査

から2問を選択し回答します。

問1は昨今のバズワードといってもよい、DX(デジタルトランスフォーメーション)に関するプロジェクトが社内で推進されている状況における、プロジェクト監査を題材にしています。

問2は設問の中で監査部が何かを監査するというシナリオではなく、監査部の監査計画自体を題材にしているところが特徴的だったと思います。

問3は経営陣の課題認識を踏まえ、IT投資の計画と有効性評価を題材にしており、監査のみならずITストラテジの守備範囲も含まれると思います。

おしなべて、例年に比べると類型的・定型的ではなく、少々とがった・特徴的な題材が多かった印象です。

私は問1と問2を選択しました。午後Iは90分で2問を解くので、1問にかけられる時間は45分です。

問1を解いている間に時間が不足しかけた(途中で45分を超えかけた)ので、記述式の文章を下書きして推敲するのではなく、回答欄に直接書き出して時間節約を図りました。

前提知識や経験が不足していると、何度も書き直してかえってタイムロスになるやり方ですが、私の場合はこのやり方でスピードアップできたので、受験勉強の量(試験に対する理解度)的にも、よい判断ができたと思います。

午後IIの振り返り

 午後IIは、

  • 問1 AI技術を利用した企画・開発に関する監査
  • 問2 IT組織の役割・責任に関するシステム監査

のいずれかを選び回答します。

問1は、企画・開発などの上流工程に親和性があり、問2は、構築・運用などの下流工程に親和性があるといえるでしょう。その人の経験に合わせて選択できれば良いと思います。

私は問1を選択しました。午後IIの論文で何が出るかの予想は色々あり、その中でもAIは重点予想の一つであったので、やはり出たか、と思いました。

題材はAI技術という最先端の内容(厳密にいえば、AIそのものの歴史は古いのだが…)ですが、設問構成は、

  • 設問ア でその技術を利用する目的とシステム概要
  • 設問イ で利用段階で想定されるリスク
  • 設問ウ で企画・開発段階で実施すべき監査手続き

というシステム監査技術者試験の鉄板の構成でしたので、取り組みやすかったと思います。

特に設問イで「利用段階で想定されるリスク」は、フィクションの世界や陰謀論的な世界観で「AIが暴走する!」ようなイメージがあるので、そこまで極端でなくてもよいですが、想定はしやすいのではないかと思います。

もう少し論文にかけそうな形に落とすと、「AIを利用したはいいが、意図と異なるような判断がされた」「意図に沿うようにするには学習工程が必要だが、学習データの収集に想定外の工数・期間・コストがかかった」というようなシナリオにするとよいでしょう。

より詳しくは別の記事にて解法について解説してみたいと思います。

それにしても、120分で最低約2100文字~最高3600字を書くのは、論文系の情報処理試験では当然なのですが、利き手の神経・筋肉を、極限にまで使いあげますね…疲れる…

一発合格の秘訣

今期は、コロナ禍もあり、少しでも体調を崩したり、社会情勢が厳しくなったら受験を棄権もするつもりでいたので、そうした肩の力を抜いて臨めたのがよく作用したのではないかと思います。

ということを言っても何の参考にもならないと思うので、合格を狙うには、システム監査技術者試験特有のコツを学んで臨むことが秘訣だと思います。

他の高度系の論文試験・記述試験とは異なり、設問の解き方・力点が、かなり異なっているので、それを見極められれば、合格は容易い、とまでは言わずとも、普通に合格はできるのではないでしょうか。

そのあたりの話も、別の記事にて解説できればと思います。

ではそれまで。