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情報処理試験対策やIT業界への愚見・書評

システム監査技術者 外部サービスを活用した運用プロセスの監査【論文例(有料)】(令和6年秋問2)

 

本記事ではシステム監査技術者の午後II(論文)対策として、

令和6年問2で出題された過去問をもとに論文例をご紹介します(有料)。

 

 

問題(令和6年問2)

過去問は試験センターから引用しています。

 

 

設問文は以下の通り。



 

 

 

論文骨子

論文骨子の例をご紹介します。

■設問ア
1.情報システムと運用プロセスにおける外部サービス
 1-1.情報システムの概要
  N社 眼鏡の製造・販売業
  対象の情報システムは物流配送システム
  オンラインサイトから配送するため、顧客個人情報を扱う
 1-2.外部サービスの位置づけと内容
  業務用ソフトウェアとしてB社パッケージを採用
  ソフトウェアの運用・保守・管理などの業務をB社に委託
■設問イ
2.外部サービスを活用した運用プロセスの監査計画
 2-1.大きいと判断したITリスク
  予備監査において、両社が定める対応策について調査
   B社・受託者:従業員教育、アクセス制御
   N社・委託元:B社に定期的な監査や報告を義務づけ
  大きいと判断したITリスク:個人情報の取り扱い
 2-2.個人情報漏洩への対応策
  B社・受託者
  ①個人情報保護法や取り扱い上の社内ルールについて
   定期的な教育を実施していること
  ②最小権限の原則に基づき、業務上必要な従業員にのみ
   アクセスを許可していること
  ③操作履歴を記録・保存し監査に備えていること
  N社・委託元
  ①インシデント発生時における両社間での通報義務や
   分担・責任・体制について明確化していること
  ②個人情報保護に関する契約条項を契約に盛りこむ
  ③定期報告会を開催し、B社より報告を受け、
   対応策の見直しを講じる機会を得る
■設問ウ
3.個人情報漏洩リスクへの対応策についての監査手続
 3-1.対応策に漏れがないかについて
  被監査部門に対してチェックシート形式の
  リスクアセスメントをもとに対応状況を確認する
 3-2.委託元としての適切なモニタリングについて
  N社とB社の定期報告会の議事録などを監査証跡として
  適切にモニタリングを継続しているかを確認する

  例えば、ある月のインシデントの中で外部からの不正
  アクセスが疑われる事象がB社より報告されていた。
  その後、N社は自身の対応策を見直し、インシデント
  種別ごとに連絡窓口を整備するほか、B社に対しても
  改善提案を求めていたことが分かった

論文全文について

■設問ア

1.情報システムと運用プロセスにおける外部サービス

 1-1.情報システムの概要

 N社は眼鏡の製造・販売を行う中堅の眼鏡メーカーで

ある。論述の対象とする情報システムは物流配送システ

ムである。ユーザからの注文をもとに在庫情報から引き

当てを行い、受注情報をもとに在庫から全国へ出荷・配

送される。

 物流配送システムはN社の基幹システムの一部を担っ

ており、N社の契約するデータセンター上に構築されて

いる。物流配送システムへは受注管理システムと在庫管

理システムからデータ連携され、出荷・配送後は出荷実

績情報が会計管理システムに連携し売上情報・在庫情報

を更新する。

 なおN社では、店頭での注文受付の他、オンラインサ

イトからの注文も受け付ける。ユーザは氏名・性別・年

齢の他、配送先住所も登録フォームより記入し、顧客情

報として管理される。

 

続きの、論文全文を参考にされたい方は有料とはなりますが

以下記事をご参照ください。

note.com

 

 

本記事ではシステム監査技術者の午後II(論文)対策として、

令和6年問2で出題された論文の骨子を紹介しました。

委託元・委託先の立場の違いを認識した対応策、

監査計画の立案を求められる問題でした。

 

また、他の区分・過去問の【論文の書き方】の記事については

以下リンクを参照ください。

論文の書き方 カテゴリーの記事一覧 - スタディルーム by rolerole

 

今後も、【論文の書き方】記事を充実して参ります。

ではそれまで。

プロジェクトマネージャー メンバーの状況に応じたリーダーシップの選択【論文例(有料)】(令和6年秋問2)



本記事ではプロジェクトマネージャーの午後II(論文)対策として、

令和6年問2で出題された過去問をもとに論文例をご紹介します(有料)。

 

 

問題(令和6年問2)

過去問は試験センターから引用しています。

 

 

設問文は以下の通り。

 

 

 

論文骨子

論文骨子の例をご紹介します。

■設問ア

1.マネジメントに携わったプロジェクトチームの概要

 1-1.プロジェクトチームの特性

  O社システムインテグレータ。製造業A社の基幹システムリプレイス案件を受注。

  開発チームの4名は開発畑の出身、3名は運用畑の出身。

 1-2.活動を阻害するおそれのある外部環境の変化

  システム開発本部の本部長の人事異動発令。

  本部長は、運用畑の出身であり、運用に携わるメンバーにとっては人気があった。

  3名のもと運用チームのメンバーのモチベーション低下が懸念された。

■設問イ

2.外部環境の変化への対応

 2-1.悪化したプロジェクトチームの状態

  開発畑・運用畑出身のリーダーの会話がかみ合わないことが増えた。

  個々のメンバーの状況把握のため、1on1での面談を実施。

 2-2.状況改善に向けたリーダーシップ

  会話がかみ合わない際は、指示的なリーダーシップ。

  積極的に議論に介入、課題の整理について助言。

  運用畑出身のメンバーに対しては、支援的なリーダーシップ。

  メンバー自身に心境や不安を語らせるに努め、その上で最低限の助言。

■設問ウ

 3.変化への対応結果

  3-1.改善したプロジェクトチームの状態と評価

  かみ合わない議論は減少傾向。

  メンバー中心に軌道修正ができるようになっていた。

  運用畑出身のメンバーから前向きなコメントを聞き取ることができた。

  3-2.外部環境への変化への対応結果

  混乱の長期化を防ぐことでスケジュール遅延を防ぎ、リリース時期を維持できた。

  課題対応件数の増加と、報告サイクルの短縮化により、成果と品質向上にも寄与。

 

論文全文について

■設問ア

1.マネジメントに携わったプロジェクトチームの概要

 1-1.プロジェクトチームの特性

 O社は首都圏を地盤とし、主に中小企業を顧客とする

システムインテグレータである。このたび製造業のA

の基幹システムをリプレイスする案件を受注し、新シス

テムリリースまで約1年間のプロジェクトが発足した。

私がマネジメントに携わったプロジェクト開発チームは

7名で構成され、4名は開発畑の出身だがもう3名は半

年前の組織再編から合流した元運用チームの出身だった。

この3名は開発経験が浅いものの、ジョブローテーショ

ンによる多角的な経験を期待されて配置されていた。

 

続きの、論文全文を参考にされたい方は有料とはなりますが

以下記事をご参照ください。

note.com

 

 

本記事ではプロジェクトマネージャーの午後II(論文)対策として、

令和6年問2で出題された論文の骨子を紹介しました。

PM理論に代表される、リーダーシップの選択がテーマでした。

ぜひ参考にしてください。

 

また、他の区分・過去問の【論文の書き方】の記事については

以下リンクを参照ください。

論文の書き方 カテゴリーの記事一覧 - スタディルーム by rolerole

 

今後も、【論文の書き方】記事を充実して参ります。

ではそれまで。

高度情報処理技術者 午後対策の仕方と参考書の選び方

更新:2025/7/8

 

一段と暑くなりましたね。

今年は秋の試験は実施日が10月12日と公表されています。

 

本記事は、高度情報処理試験を受験予定の方を対象に書いています。

次回受ける予定でなかったとしても、意味のある情報を届けたいと思います。

 

基本情報技術者試験応用情報技術者試験と違って、

高度は何を対策すればいいんだろう?」と悩んでいたり、

論文や記述式ってどう対策したら?」と思っていませんか。

 

本記事では、高度情報処理試験を初めて受験される方向けに、

  • 高度試験って、基本情報・応用情報にない何か特別な対策をする必要ある?
  • 午後対策で、何を一番重視して進めていけばいい?
  • 午後の、記述式と論文って、どう対策分けすればいいの?
  • おすすめの参考書は?

といった疑問にお答えしたいと思います。

 

筆者は高度情報処理試験を全て制覇しております。

実際の体験も踏まえながら、高度に特有の試験対策を説明したいと思いますので、参考にしてください。

 

 

1. 応用情報(AP)にない特別な対策

応用情報技術者試験(AP)の受験経験がある方向けに、

まずは高度情報処理試験の対策として同じ所と違う所を

整理して説明します。

 

1-1. 応用情報(AP)と同じ対策でいいところ

高度区分の試験は、午前Iと午前IIは4択マークシート式ですが、

応用情報と同じマークシート選択式です。

これにより、マークシート選択式の特有の対策は、応用情報と同じでよいと言えます。

 

応用情報でもそうですが、過去問から同じ問題・類題が

多く出題されます。

これにより、特に午前対策としては、過去問を繰り返し解いて対策とする、

ことも同じ所と思います。

 

1-2. 応用情報(AP)とは異なる対策がいるところ

一方応用情報と大きく異なるのは、午後と思います。

まずは、試験時間をチェックしましょう。

 

情報処理安全確保支援士以外の8区分は以下の時間配分です。

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基本情報・応用情報に比べ、長い。体力も必要。

情報処理安全確保支援士は以下の時間配分です。

午後IとIIで分かれていないのが特徴。

 

午後I(90分)または午後(150分)は、高度試験の全区分で記述式で出題されます。

一方、午後II(120分)は、区分によって記述式か論文かで分かれます。

 

このため、最も異なる対策が必要となるのは午後です。

ご自身の受験予定の区分を確認し、特に論文が必須の場合は、

応用情報とは大きく異なる対策がいるでしょう。

 

2. 午前対策よりも午後対策に注力しよう

前述の通り、午後の方が過去問一辺倒では対策がしづらく、

勉強の進め方としては午後対策に注力するのがよいでしょう。

 

逆に午前は過去問からの採用率が高いので、3~4年程度の

過去問を頭に入れておくだけで十分合格できるでしょう。

 

短絡的な考え方かもしれませんが、合格だけを目的に考えるなら、

出題された単語や意味などを覚えなくても、

問題文と回答のセットだけを覚えれば十分です。

 

午前はそのように対応をすればよいので、

午後対策をどのように進めるか、が合格への鍵になります。

 

2-1. 午後対策をどのように進めるか

誤解のないように最初に述べておくと、

その区分に求められている知識、という意味では、

午後であろうと午前であろうと共通しています。

 

プロマネの例で言うと、PMBOKの基本的な知識エリアや、

ウォーターフォール開発モデルの各工程(V字モデル)は、

午前II(選択式)であろうと午後I(記述式)であろうと

午後II(論文)であろうと、求められる知識です。

(午前Iは各区分共通の問題が出題されるので、

その区分特有の知識が求められる比重は小さい)

 

その区分に求められる知識」というのが存在することを

念頭に置いたうえで、選択式・記述式・論文それぞれに

対処するイメージで対策するとよいでしょう。

 

それでは次に、午後対策の話を中心に掘り下げていきます。

 

3. 午後対策(記述式と論文)

3-1. 記述式の対策

記述式の問題は、時間との戦いになりがちです。

区分によっては、90分の記述式(午後I)と

120分の記述式(午後II)が連続に取り組まなければなりません。

※情報処理安全確保支援士の場合は午後いっぱい150分

 

合格点に満たない時の大きな「課題」としては

  1. 時間が足りない
  2. 知識が足りない
  3. 解き方が分からない

のいずれかだと思います。順にみていきましょう。

 

3-1-1. 「時間が足りない」への対策

これは時間さえあれば合格点に達成できたのに、という

場合の対策です。

 

この課題への対策は、

長文である問題文の読み方、設問文との対照付けなど、

問題を把握するスピードをあげること

と、

記述する内容のあたりをつけてから制限字数にまとめて

記述するスピードをあげること

の2つが主に考えられます。

 

前者は、試験区分によって若干クセがあり、

その試験特有の出題のルールのようなものを

理解する必要があります。

 

たとえば、ITストラテジストでは、

「課題」-「機能」ー「設問」

がセットになっており、「設問」に対応する

「機能」と「課題」が問題文中のどこに記載されているかを

見極めることが重要になります。

これにより、問題に取り組むスピードを向上できます。

 

後者は、内容のあたりのつけ方と、

あたりをつけたあとに手早くまとめる力が必要です。

 

この対策は色々あるので本記事だけではとてもまとめられないですが、

最も効果的なものを1つだけ述べておきます。

 

それは、「迷ったときのルールを予め決めておくこと」です。

 

区分にもよりますが、たとえば、次のようなルールが考えられます。

 

問題文から、回答文として記述する情報元が複数あり、文字数的にどちらかを選択する必要がある場合。設問文のキーワードが書かれている問題文中の箇所からの距離が物理的に(問題文の紙面的に)近い方を選択する。

 

上記のルールを作る場合、「なぜ?」という理由付けは何でも構いません。

重要なことは、時間をかけても意味のないこと(迷う行為)を

減らすということです。

 

この節については情報量が多かったので、いったんまとめておきます。

 

■「時間が足りない」への対策■

1. 問題文を把握するスピードをあげること [INPUT SPEED UP]

その試験特有のクセを理解し、把握に努める。
設問文と問題文の関係と構造把握がカギとなる。

2. 制限字数にまとめるスピードをあげること [OUTPUT SPEED UP]

迷ったときに拠り所にする自分だけの記述ルールを
予め決めておく。

 

3-1-2. 「知識が足りない」への対策

これは前節の前提になっており、時間があったとしても

解けないという場合の対策となります。

 

「知識が足りない」のは勉強したてであれば仕方のないことです。

 

「知識が足りない」への対策は、すなわち

その区分に求められる知識」を習得するということが

対策となるので、当ブログの各試験区分の

対策を覗いてみてください。

 

ひとつ言えるのは、午前対策のように、過去問のみで

仕上げるのは難しいです。

ここは参考書に頼りましょう。

 

問題は、ある程度勉強していたり、何度か不合格を経験していたりで、

得点が取れないのが、「知識が足りない」からなのか、

他に理由があるのかが曖昧になってしまう場合です。

 

ここでは、「知識は足りているが解けない」とは

どのようなパターンがあるか述べておきましょう。

 

■知識は足りているが解けないとは■
・ある程度自信をもって記述した自分の解答文が、微妙に/明らかに正答文と異なる
・複数の解答候補は思いつくが、最終的に正答となる候補を選択できない
・何度やっても、同じようなミスをする
・参考書を読んでも、納得がいかない

 

上記のようなケースにあてはまる場合は、

知識というよりも、次に述べる「解き方が分からない」

状況にあると考えられます。

 

3-1-3. 「解き方が分からない」への対策

これは知識は足りているけど、間違えてしまうという

場合の対策です。

 

筆者の周囲を見ると、現役やベテランエンジニアのように、

ある程度の知識や経験を備えている方が、

頭を情報処理試験のために切り替えられずに

陥っているケースがあるようです。

 

そのことの是非はともかく、合格を目指すならば、

いったんは自分の自信も経験も置いておいて、

解き方がわかってないかも? と自分の思考回路を

振り返ってみてください。

 

この節で言いたいことは、自分の考え方のクセを、

情報処理試験合格のために、矯正することにあります。

 

このことを理解するには、いちど情報処理試験に臨んだり、

過去問を実際に解いてみる必要があります。

 

その上で、自分の疑問を言語化して、

さらにその上で、なぜその考え方ではいけないか、を

納得しなおす必要があります。

 

このプロセスには、一定の勉強時間がかかります。

もしも試験が直前に迫っているのならば、

考え方は納得しなくてもよいので、

正答の表現や参考書に書かれていることを、

「鵜呑み」してしまいましょう。

(あるいは、単にその問題を捨てるか)

 

この節に書かれていたことをまとめておきます。

 

■「解き方が分からない」への対策■

「自分の考え方のクセ」を客観視し、試験合格のために考え方を矯正する。

実際に問題を解いてみて、自分の考え方のクセを認識したら、
その思考プロセスを言語化し、なぜそのプロセスだといけないのかを
納得する。

時間が無ければ、参考書に書かれていることを、「鵜呑み」する。
単に捨てるのも手。

 

こうした、"セルフアジャスト" のプロセスは、

試験合格に限らず、さまざまな人間関係の場面でも、

重要なことだと思います。

 

3-2. 論文の対策

論文は、人によっては問答無用で苦手意識を持っており、

この時点で受験者にとって大きな差になるところと思います。

 

筆者も初の論文試験はとても警戒・勉強しても身になった感覚を持てず、

何度か不合格になり苦手意識を持っていました。

 

ただ、論文も書き方やコツがあります。

ひとたび、合格した区分があったあとは、基本的には、

私はむしろ論文系の試験区分の方が対策が立てやすい、と

思っています。

 

このコツのようなものを一言で言い表すのは難しいですが、

それでもあえて言うと、

求められている"論文構造"に気付くこと

だと思っています。

 

また、単に知識・経験が足りなくて論文が書けない、

ということもあります。

 

120分という時間をどうやって使うか、という点も、

実際に取り組んでみないと、自分に最適な

時間配分は導き出せないと思います。

 

こうした、「その区分に求められる知識」や、

論文に対する基本的なお作法などは、参考書に頼りましょう。

 

また、論文対策においては、最終的に、

自分の表現に"昇華"させる必要があります。

このために参考にしていただきたい本ブログのオリジナルのフレームワークが、

「論文事例マップ」です。

別記事にまとめていますので、合わせてご参考ください。

 

■論文事例マップの作り方■
ITストラテジストを例に、論旨展開の"型化"を目指すフレームワークの紹介記事です。

studyrolerole.hatenablog.jp

 

上記のリンクは、

求められている"論文構造"に気付くこと

を自分の論述につなげる試みでもあります。

コツのようなものを会得する一助になれば幸いです。

 

4. おすすめの参考書

色々述べましたが、ここからは、午後対策となる、

記述式と論文の参考書を筆者の体験をもとに紹介していきます。

 

4-1. 記述式対策の参考書

記述対策に求めるポイントは、次の1点です。

解説が充実していること

どの区分にしろ、勉強し初めから試験センターの定義する

「正解」を記述する事はできないでしょう。

自分の考え方のクセを意識して、「正解」に合わせる行為が必要です。

そこで必要なものが、「解説の充実度」です。

 

ここからは、私自身の体験も踏まえて、参考書について評価してみましょう。

iTEC 重点対策

ITストラテジストに合格した筆者は、

記述対策にiTECの『重点対策』を用意しました。

午前II、午後I、午後IIまですべて

これ1冊でカバーしているところが強みです。

紙面の配分も同等か、しいて言うならば

午後II対策の分量が少ないと言えるかもしれません。

 

記述式の対策は解説が充実していることが重要なので、

その観点で評価してみますと、

  • 200ページ超の分量
  • 段階的に仕上げることができる仕組み
    (テクニック、作成例、実践、解説と節立てされている)
  • とりあげている過去問(解説)16問(うち3問が組込みシステム)

と、かなり充実していると言えそうです。(2020年版の評価です)

 

ただ、解説自体に納得がいかないものも一部でありました。

たとえば、解説文が、問題文の引用や焼き直しに終始しており、

「なぜその回答になるのか?」という論理が足りないと感じるものがありました。

その正答ならば、問題文のこの部分を引用しないのはなぜ?

といったような疑問がわくものもありました。

 

ただし、筆者の場合は一発で合格できたので、

上に指摘した問題点も大した問題ではないのかもしれません。

 

翔泳社 情報処理教科書

システム監査技術者の合格の際は、

翔泳社の『情報処理教科書』で準備しました。

最新版ではなく、2014年版を中古で購入しました。

比較的、午後対策に特化しています。

全体的な章立てとしては、

  • 監査の計画
  • 監査の実施
  • 監査の報告

などいくつかの体系に分けられており、

章ごとに知識・午後I対策・午後II対策ができるようになっています。

章の体系からして、合格に向けた対策がとれることと同時に、

各監査のフェーズにおける専門知識を習得できるようになっており、

実際の監査業務に役立てやすい構成になっていると感じます。

特に、第1章に書かれている「監査とは」の部分は個人的に必見です。

なぜ監査が必要か、監査はどうあるべきで、

実務を踏まえてどうアジャストする必要があるかなどといった

観点が含まれています。

実体験を通じておぼろげながら理解できているという人でも、

よりクリアに理解しなおすことができます。

 

なお、筆者は2014年版で対策し2020年に受験しましたが、

試験体系も、ましてや監査の勘所といった点は

あまり変わりません。

(何しろ監査という概念そのものは、ITが登場する前からあったので)

ですので、対策本を検討する際は、

最新のものに固執せず、中古で安く仕入れるという

考え方もアリだと思います。

 

4-2. 論文対策の参考書

本記事では1冊、参考書のシリーズを紹介します。

論文のある試験区分では『合格論文の書き方・事例集』という

シリーズが出ており、その名の通り、論文を書く上での

言い回しや論旨展開の事例集として活用できます。

 

筆者の場合、基本的に論文系の試験区分の試験対策には

このシリーズで準備しています。

 

とにかく、文の事例が豊富。

 

おすすめする点は、これにつきます。

論文で、どのように表現するべきか迷ったとき、

事例が豊富にあると、参考にしたり取捨選択して

自分のものにできたりします。

 

おわりに

いかがだったでしょうか?

 

高度情報処理試験を受験予定で、どのように対策を

進めればよいか、考え方の一助となれば幸いです。

 

今回の秋試験のスタートダッシュ記事も参考に載せました。

どのように勉強のモチベーションをあげればよいか、

IPA公開の統計情報も元に紹介しているので、

よければ合わせてご覧ください。

studyrolerole.hatenablog.jp

 

 

本ブログでは、高度情報処理試験の、合格に向けたサポート記事を充実していきます。

「読者になる」ボタンで、ブログの更新時に通知されますので、ご検討ください。

 

それでは、ともに頑張りましょう。

 

ではそれまで。

プロジェクトマネージャー 出題予想(令和7年秋)(最新)

本記事では令和7年秋向けのプロジェクトマネージャーの

出題予想を行っています。

 

勉強をそれなりにしてきた人であれば、

どの範囲が出やすいんだろう?」と気になっていたり、

これまであまりうまく勉強時間が確保できていない人は、

残りの時間、何に対策すればいいんだろう?」と思っていたりしませんか。

 

本記事では、次回プロジェクトマネージャーを受験される方向けに、

  • 出題にはどのような傾向があるんだろう?
  • 次回にはどのような問題が出題される可能性があるのかな?
  • で、それらを午後I問題(記述)、午後II問題(論文)について知りたい!

といった疑問・要望にお答えしたいと思います。

 

なお、過去問は試験センターからダウンロード可能です。

www.ipa.go.jp

 

 

1. 午後I(記述)予想

過去問分析(5年分)

上画像は過去5年分の過去問分析です。

午後Iは3問中2問を選択します。

自分にとって相性のよいものを選択しましょう。

 

 

午後Iの出題予想ポイントは次の通りです。

 

■午後I出題予想ポイント■
1. 新規事業や顧客価値などといったST寄りの出題が出題されそう
2. アジャイル開発を前提とした出題があるかも
3. チームやステークホルダ管理が出そう

 

順に説明します。

 

1-1. 新規事業や顧客価値などといったST寄りの出題が出題されそう

令和2年度より傾向が少し変わり、新規事業や顧客価値といった

ST寄りの出題が多くなっている印象です。

 

ここでST寄りとは、組織体を取り巻く背景や事業戦略から説明され、

どのような施策が組織体にどのようなメリットをもたらすかという

タイプの設問が多い問題のことです。

 

情報システムに求められる役割はますます多様化・高度化

していることから、プロジェクトマネージャー区分の問題でも、

戦略的な比重の高い出題が増えることが予想されます。

 

ITストラテジストの資格をすでに持っている方はその復習を、

持っていない方も、課題に対してどう分析して施策を講じれば解決するか

という考え方を身につけておくと解ける問題が増えるでしょう。

 

1-2. アジャイル開発を前提とした出題がありそう

IPAシラバスが更改されたことに伴い、今後は

よりアジャイル開発を前提とした問題が出題されると思います。

 

注目は令和2年の問2がそのはしりであると言えるでしょう。

 

スプリントに応じ開発を進めたり

そのために組織を作り直すことをしたりするなど、

参考になるアジャイル対応するPMの振る舞いや

設問が見られます。

 

アジャイル用語の重要性については

以下リンクを参考にしてください。

>アジャイル用語を習得する

 

1-3. チームやステークホルダ管理が出そう

PMBOK 6 版で提唱される10の知識エリアで過去問を分析すると、

チーム管理・ステークホルダ管理・コミュニケーション管理が

頻出傾向にあります。

令和3年の問1,3、令和2年の1~3問が該当します。

 

今年もこの知識エリアからの出題が見込まれます。

 

IPA の新シラバスからも、激しい変化の波を乗り越えるために

チームメイキングが重要であると読み取れます。

このあたりのことは以下のリンクをご参照ください。

>IPA シラバス ver4.9 変更のまとめ

 

さらにPMBOKで提起される10の知識エリア別で

対策を整理しておくことも重要です。

これについては以下の記事を参考ください。

studyrolerole.hatenablog.jp

 

 

■午後Iのオススメ参考書■

 

 

記述式の対策は解説が充実していることが重要なので、

その観点で「アイテック 重点対策」を評価してみますと、

  • 200ページ超の分量
  • 段階的に仕上げることができる仕組み
    (テクニック、作成例、実践、解説と節立てされている)
  • とりあげている過去問(解説)が多い

と、かなり充実しておりオススメです。

 

 

翔泳社 情報処理教科書」は比較的、午後対策に特化しています。

各章で知識体系を整理でき、

習得具合を節目節目にある小テストでチェックができます。

じっくりと知識を習得してからテスト対策をしたい方にオススメです。

 

 

 

2. 午後II(論述)予想

過去問分析(5年分)

上画像は過去5年分の過去問テーマ分析です。

午後IIは2問中1問を選択します。

自分にとって相性のよいものを選択しましょう。

 

午後IIの出題予想ポイントは次の通りです。

 

■午後II出題予想ポイント■
1. "変化や不確かさへの対応力"を問う出題がありそう
2. オーソドックスなQCDに関する出題があるかも

 

順に説明します。

 

2-1. "変化や不確かさへの対応力"を問う出題がありそう

午前IIや午後Iの予想の時にも触れましたが、

令和4年次にIPAシラバスが変わっているので、

"変化や不確かさへの対応力"を問う問題が狙われそうです。

 

令和4年度にもすでに出ましたが、令和6年にも「修整」という形で、

変化への対応力が問われました。

 

採点基準もまだ整っていないことが想定されるので、

自分の経験に自信があれば多少の体裁が失われていたとしても

するりと合格できる狙い目かもしれません。

 

IPAシラバスの分析も合わせてしておくとよいでしょう。

>IPA シラバス ver4.9 変更のまとめ

 

2-2. オーソドックスなQCDに関する出題があるかも

昨年は出題されませんでしたが、

オーソドックスなQCD(品質・コスト・納期)に関わる出題も

あるかもしれません。

PMBOK の知識エリアでいっても、コスト管理・納期管理・品質管理

あたりが出題されるのではないでしょうか?

その根拠は大きく分けて2つあります。

 

  • 2問中1問はアジャイル系が出題されるので、想定していない受験者を救済するため
  • アジャイル系はチーム管理・コミュニケーション管理・ステークホルダ管理の色彩が濃いので、もう1問はそれ以外が出る

 

PMBOKの知識エリアで言うと、チーム管理・コミュニケーション管理・

ステークホルダ管理は頻出テーマでした。

これらが出ないとすると、次に頻出である

納期管理・コスト管理・品質管理あたりが出ることが考えられます。

 

■午後IIのオススメ参考書■

 

 

筆者の場合、基本的に論文系の試験区分の試験対策には

このシリーズで準備しています。

 

とにかく、文の事例が豊富。

 

おすすめする点は、これにつきます。

論文で、どのように表現するべきか迷ったとき、

事例が豊富にあると、参考にしたり取捨選択して

自分のものにできたりします。 

 

 

 

おわりに

いかがだったでしょうか?

 

プロジェクトマネージャーを受験予定で、どのように対策を

進めればよいかの考え方の一助となれば幸いです。

 

本ブログでは、高度情報処理試験の、合格に向けたサポート記事を充実していきます。

「読者になる」ボタンで、ブログの更新時に通知されますので、ご検討ください。

 

それでは、ともに頑張りましょう。

 

ではそれまで。

システム監査技術者 出題予想(令和7年秋)(最新)

本記事では令和7年秋向けのシステム監査技術者の

出題予想を大胆に行っています。

 

※予想は筆者の独断です。読者の責任でご活用ください。

 

勉強をそれなりにしてきた人であれば、

どの範囲が出やすいんだろう?」と気になっていたり、

これまであまりうまく勉強時間が確保できていない人は、

残りの時間、何に対策すればいいんだろう?」と思っていたりしませんか。

 

本記事では、次回システム監査技術者を受験される方向けに、

  • 出題にはどのような傾向があるんだろう?
  • 次回にはどのような問題が出題される可能性があるのかな?
  • で、それらを午後I問題(記述)、午後II問題(論文)について知りたい!

といった疑問・要望にお答えしたいと思います。

 

なお、過去問は試験センターからダウンロード可能です。

 

www.ipa.go.jp

 

 

1. 午後I(記述)予想

過去問分析(5年分)

上図は過去5年分の過去問テーマ分析です。

午後Iは3問中2問を選択します。(記述式)

自分にとって相性のよいものを選択できるよう、

出題予想を参考にしてください。

 

午後Iの出題予想ポイントは次の通りです。

 

■午後I出題予想ポイント■
1. 1問は先端テーマ(AI、IoT、クラウドアジャイル等)が出題されそう
2. 設問と問題文本文のマッピングが難しい問題の方が問題自体は易しくなる可能性あり

 

順に説明します。

 

1-1. 1問は先端テーマ(AI、IoT、クラウドアジャイル等)が出題されそう

過去5年を分析すると1問は先端技術をテーマとする出題があります。

令和6年はDevOps、令和5年はローコード・ノーコードツール、令和3年はチャットボット、令和2年はDXです。

 

今年はAIかIoTかアジャイル開発あたりが狙われるのではないでしょうか?

 

AIであれば午後IIの令和2年問1、IoTであれば午後IIの平成31年問1が

参考になると思います。

 

1-2. 設問と問題文本文のマッピングが難しい問題の方が問題自体は易しくなる可能性あり

"設問と問題文本文のマッピング" についてまず説明します。

これは、設問と、問題文の各節が対応しているということを意味します。

 

具体例は、以下の通りです。

令和3年問3より。設問文と問題文がマッピングされている。

上記は典型的な例ですが、これはこの問題だけがそうなのではなくて、

システム監査技術者の試験は必ずこの構成になっています。

 

試験突破には、設問文から問題文を逆に読み進めていき、

問題文全体の構造を串刺しで理解することが早道です。

 

それで、この設問文と問題文のマッピングが一見すると

マッピングされていないような出題があります。

一見するとマッピングされていないような出題でも、

詳しく見ていけばマッピングされています。

 

そうした問題は「マッピングが難しい」問題ということになりますが、

マッピングが難しいということは、マッピングのことを知らない

他の受験者の正答率が落ちるということです。

したがって、このことを知っている方にとっては、

相対的に解きやすい狙い目の問題となる可能性があります。

 

AUの午後I マッピングについて■
ここで、システム監査技術者の午後Iの取り組み方をまとめておきます。

1. 問題文構造の表を頭の中に意識して、「縦方向に読み解く」ことを心掛ける。
設問と問題文の各章の各節が対応しているので、串刺し的に読み進める。

2. 設問で何が問われているかを、設問だけでなく本文も使って明確にする。
回答材料は問題文構造を縦方向に遡って探しに行く。

3. 監査手続が問われている場合、回答テンプレートを意識して回答する。
"リスク"が"コントロール"されていることを、"監査証跡"で確認する。

3. については午後Iに限らないシステム監査技術者の全体を成すテーマと
言ってよいです。
詳しくはこちらの記事を参照ください。
>リスク・コントロール・監査手続きについて
 
 
■午後Iのおススメ参考書■

 

 

記述式の対策は解説が充実していることが重要なので、

その観点で「アイテック 重点対策」を評価してみますと、

  • 200ページ超の分量
  • 段階的に仕上げることができる仕組み
    (テクニック、作成例、実践、解説と節立てされている)
  • とりあげている過去問(解説)が多い

と、かなり充実しておりオススメです。

 

 

翔泳社 情報処理教科書」は比較的、午後対策に特化しています。

各章で知識体系を整理でき、

習得具合を節目節目にある小テストでチェックができます。

じっくりと知識を習得してからテスト対策をしたい方にオススメです。

 

 

 

 

 

2. 午後II(論述)予想

過去問分析(5年分)

上図は過去5年分の過去問テーマ分析です。

午後IIは2問中1問を選択します。(論文)

自分にとって相性のよいものを選択できるよう、

出題予想を参考にしてください。

 

午後IIの出題予想ポイントは次の通りです。

 

■午後II出題予想ポイント■
1. 1問は先端キーワード(DX、チャットボット、PoCなど)をテーマとした出題がありそう
2. 1問はオーソドックスなキーワード(新サービス、スケジュール管理など)をテーマとした出題がありそう
3. セキュリティ系は令和5年・平成31年にテーマとして出題されている

 

順に説明します。

 

2-1. 1問は先端系のキーワードをテーマとした出題がありそう

2問のうち1問は従来、先端系のキーワードがテーマで出題されています。

令和5年はビッグデータ、令和3年はRPA、令和2年はAIがテーマでした。

 

令和6年はIT投資のガバナンスがテーマでしたが、その背景は

クラウドやAIの利活用が進んでいることを背景としていました。

 

また令和4年は監査の制約としてテレワークが例示されていました。

 

今年の予想ですが、DX、チャットボット、

PoCあたりが狙われるのではないでしょうか?

 

DXはAU午後Iの令和2年問1、チャットボットはAU午後Iの令和3年問1、

PoCはSA午後IIの令和3年問1を参考にしてみるとよいでしょう。

 

2-2. 1問はオーソドックスなキーワードをテーマとした出題がありそう

2問のうち1問はオーソドックスなキーワードをテーマとして出題される可能性が高いです。

令和6年は外部サービスを活用した運用プロセス、令和4年は障害管理態勢、令和3年は他の監査の利用、令和2年はIT組織の役割・責任がテーマでした。

 

予想する材料が少ないですが、新サービス、スケジュール管理

あたりが狙われるのではないでしょうか?

 

新サービスに関してはST区分の過去問のチェックを、

スケジュール管理に関してはPM区分の過去問のチェックを

行ってみましょう。

 

 

AUの午後II取り組み方■
ここで、システム監査技術者の午後IIの取り組み方をまとめておきます。

午後Iと同様、リスク・コントロール・監査手続の3点セットを
論述に落とし込むことが重要です。
詳しくはこちらの記事を参照ください。
>リスク・コントロール・監査手続きについて

なお、実際の例として、以下の過去問に関する記事も参考ください。

studyrolerole.hatenablog.jp

 

 

studyrolerole.hatenablog.jp

 

また、他区分にヒントを求めるとしたら、圧倒的にPM区分がよいでしょう。
監査の対象とするプロセスは、多くの場合はプロジェクトであるためです。
その際、リスクとコントロールについてはPMが行うべきものであり、
その徹底具合をAUが監査手続によって監査する、という関係性を
頭に入れておきましょう。
 

2-3. セキュリティ系は令和5年・平成31年にテーマとして出題されている

なお、令和5年と平成31年はセキュリティ系をテーマとして出題されています。

令和5年はサイバーセキュリティ管理体制に関して、平成31年は情報セキュリティ管理規定に関する出題でした。

 

ストレートにセキュリティだけを狙われるかはわかりませんが、

リスク管理やコントロールを重要視するシステム監査技術者の試験において

セキュリティの知識は長じていると心強い領域です。

周辺の知識分野として抑えておきましょう。

 

 
■午後IIのおススメ参考書■

 

 

筆者の場合、基本的に論文系の試験区分の試験対策には

このシリーズで準備しています。

 

とにかく、文の事例が豊富。

 

おすすめする点は、これにつきます。

論文で、どのように表現するべきか迷ったとき、

事例が豊富にあると、参考にしたり取捨選択して

自分のものにできたりします。 

 

 
 

おわりに

いかがだったでしょうか?

 

システム監査技術者を受験予定で、どのように対策を

進めればよいかの考え方の一助となれば幸いです。

 

本ブログでは、高度情報処理試験の、合格に向けたサポート記事を充実していきます。

「読者になる」ボタンで、ブログの更新時に通知されますので、ご検討ください。

 

それでは、ともに頑張りましょう。

 

ではそれまで。

プロジェクトマネージャー 予測型(AIシステム開発)プロジェクトのコストマネジメント【論文の書き方】(令和6年秋問1)

本記事ではプロジェクトマネージャーの午後II(論文)対策として、

令和6年問1で出題された過去問を分析します。

 

モチーフとして「AIシステム開発」を扱います。

 

実際に論文を書く上での考え方を整理し

論文骨子を設計するところまでやっていきます。

 

 

 

問題(令和6年問1)

過去問は試験センターから引用しています。

 

 

設問文は以下の通り。



 

何が問われているかを把握する

本問は最近頻出のテーマである「不確かさへの対応」の一形態です。

その中でもコストマネジメントに特化している点が特徴です。

 

設問アでは「不確かさ」の内容や「不確かさ」のある状況での

コストの見積りへの影響、コストへの要求事項、

ステークホルダと共有した認識について問われています。

 

設問イでは計画段階におけるコストの予測活動について

問われています。再見積りタイミングやステークホルダとの協力内容、

コスト差異の顕在時の対応方針などについて述べます。

 

設問ウでは実行段階におけるコストの調整について

問われています。実際の再見積りタイミングや発覚した差異の内容、

承認を得た差異への対応策などについて述べます。

 

 

 

出題要旨と採点講評からの分析

 

試験センターから公表されている出題要旨と採点講評を確認して

出題の意図と論述のNG例を把握します。

 

出題要旨

頻出のテーマである「不確かさへの対応」の一形態です。

その中でもコストマネジメントに特化している点が特徴です。

 

不確かさのある中で、コストの見積りは計画段階と実行段階で

食い違うことが多く、差異が発生することをあらかじめどう

カバーするのか、吸収するのかといったコントロールが求められます。

 

なお、「不確かさ」の背景として、

「事業改革の進め方が未定」「新たに適用するデジタル技術の効果が不明」

といった例が問題文では示されています。

 

見通しのつきづらい状況の中でプロジェクトをマネジメントできる

人材が待望されていることが分かりますね。

 

 

採点講評

はじめに「全問共通」の採点講評ですが、

正確な予測を妨げる要因や外部環境の変化について、以降の論述との関係性が不明確

というNG例が紹介されています。

「正確な予測を妨げる要因」は問1の「不確かさ」を示しており、

設問アで書いた「不確かさ」に対して

以降の論述=設問イやウとの関係性が不明確な論述は

NGであると示しています。

 

経験が感じられなかったりする論述

もNGであると示していますが、これは例年指摘されているものです。

当ブログでは何度も述べていますが、

受験者に「実際の経験」は不要です。

「経験があると感じさせる」論述が書ければよいです。

 

マネジメント手法の一般論に終始したり、マネジメントやリーダーシップのスタイルの一般的な特性を述べるにとどまったりする論述

もNGであると示しています。

 

具体的には、教科書や一般論をなぞっただけではなく、

問題文に与えられたテーマや状況と、

プロジェクトの特徴・独自性を踏まえた論述が書けていることが

ポイントです。

 

上記がピンとこない方は、本問を例にどのように論述して

ゆけばよいかを説明していきます。

 

 

 

問1の採点講評によると、

予測の精度を上げる活動については、ステークホルダとの協力を含む具体的な行動に関する論述

を期待したとあります。

最低限、ステークホルダを具体的に示したうえで、

プロジェクトマネージャーとして主体的・能動的に

調整を図り、不確かさを乗り越えた論文を書きましょう。

 

見積り手法に関して論述したり、抽象的な論述

はNGであったと述べられています。

コストマネジメントに意識を振られすぎると見積り手法(テクニック)

に終始しがちなので、プロジェクトマネージャーとして

周辺のマネジメント(統合管理)を意識した対応が

必要になることに注意しましょう。

 

 

論文を設計する

問われていることの概略を把握したら

自身の経験や用意してきた論文パーツに当てはめて

どのように論述を展開するかを設計します。

 

 

設問アの設計

設問アは「予算を含むステークホルダのコストに関する要求事項」

「不確かさ及び不確かさがコストの見積りに与える影響」

「影響についての認識をステークホルダと共有するために実施したこと」

について問われています。

 

問題文をよく読み、設問アの論述ポイントを確認します。

 

設問イ、ウでは「予測活動」の計画・実行について

論述することになるので、設問アでは「予測活動」に至る

背景について論述します。

 

書き方の一例としては、

まず具体的なプロジェクトにおける「不確かさ」について書き、

その内容が「コストの見積りに与える影響」について書きます。

次に具体的なステークホルダについて書き、

ステークホルダと「不確かな状況でプロジェクトを進める現状」を

意見交換の場やヒアリングを設けるなどして共有します。

最後にステークホルダから聞き出した、そうした状況における

「コストに関する要求事項」を書きます。

 

唯一の解ではありませんが、上記の順序で執筆すると

書きやすいと思います。

また、800字で書ききる必要がありますが、

比較的文字数オーバのリスクの大きい設問であるといえるでしょう。

 

本記事の場合は、「AIシステム開発」が

「不確かさ」の背景にあるとしています。

AIを新たに適用するデジタル技術として、

その効果がプロジェクト開始段階で不明確である、

という点を特徴とします。

 

AIを利用した開発プロジェクトにおいては、

  1. 教師データの品質や所要量が開発途中で判明する
  2. 商用化前のAPIやライブラリの変更
  3. 業務要件の途中変更(PoC結果による方向転換)

などが主だった不確かさです。

コストの見積りに与える影響としては、たとえば

  1. 教師データの不足や誤りには、再収集・前処理工程が延び、追加工数(コスト)がかかる
  2. 外部APIの仕様変更には実装変更・再検証が発生し緊急対応コストがかかる
  3. 業務要件の変更には要件再整理・モデルの再設計による追加コストがかかる

といった点が挙げられるでしょう。

 

 

設問イの設計

設問イは予測活動の計画について問われています。

具体的には、設問文では

「コストの再見積りのタイミングを決める条件」

「予測活動におけるステークホルダとの協力の内容」

「再見積りしたコストと予算との差異への対応方針」

を問われています。

 

一般論としては、仮にベンダーと契約してプロジェクトを

進める場合、PoC段階と商用化段階で契約形式を分けて

進めるケースが考えられます。

PoC段階では準委任型、商用化段階では成果報酬型といった

ような契約形態とすることが主流です。

なぜなら、不確かさのため業務要件や技術要素が流動的なので

請負契約は不向きであり、成果報酬と報酬の連動性を分ける形式が

効果的であるためです。

 

また別の一般論としては、

既知・未知のリスクに対してあらかじめ

コンティンジェンシー予備費やマネジメント予備費

見積りに含めていくことが考えられます。

この場合、再見積り時に当初見積りとの乖離(増額)があった

場合に、しかるべき変更管理プロセスを設け

予備費を充当することでリスクをコントロールすることになります。

 

採点講評によると

ステークホルダとの協力を含む具体的な行動

が重視されていることが分かります。

 

上述の一般論から推し進めると、

準委任型・成果報酬型の契約形態とするにはベンダーとの

合意形成が必要で、ベンダーがステークホルダとなります。

また、予備費の充当に関しては財務部や経営層の承認が

必要になることから、財務部や経営層がステークホルダとなり

あらかじめ認識合わせしておく必要があるでしょう。

 

本記事の場合は、「AIシステム開発」を

「不確かさ」の背景にあるとしています。

PoC段階で学習モデルや応答性の指標をあらかじめ設けておき、

たとえば2マイルストーン連続で未達だった場合に

「再見積りを発動させるトリガとする」というように論述を

展開すると、趣旨に沿った論文が書けると思います。

 

 

設問ウの設計

設問ウは予測活動の実行について問われています。

具体的には、設問文では

「実施した再見積りのタイミング」

「再見積りしたコストと予算との差異の内容」

「ステークホルダに報告して承認を得た差異への対応策」

を問われています。

 

計画フェーズで"基準"を定め、実行フェーズで生じた問題を

"基準をもとに対応する"という形はPM区分の

典型的な構図です。

 

たとえば計画フェーズにおいて、既知のリスク発覚時に

コンティンジェンシー予備費を充当するという

対応方針になっていたとしたら、

その具体的な内容や、予備費充当の具体的な条件などに

触れるとよいでしょう。

 

本記事の場合は、「AIシステム開発」を

「不確かさ」の背景にあるとしています。

PoC段階で再見積りトリガが発生したとしたら、

発覚リスク内容としてはたとえば「教師データの不足と

偏り」が生じて、追加工数・コストがかかる見積り結果に

なったことを示します。

またコンティンジェンシー予備費の充当の条件として、

充当するからには明確な成果条件が必要であり、

たとえばデータ処理の専門家を投入するなどといった

対策につなげるとリアリティが増すでしょう。

 

 

論文骨子

以上を踏まえ、論文骨子は次のようになりました。

■設問ア
 1.不確かさのあるプロジェクトにおけるコストに関する要求事項の整理
  1-1.プロジェクトにおける不確かさ
  ソフトウェアハウスのN社
  AIを利用したチャットボットを導入する計画
  不確かさ:
   ①応答に使用する教師データの品質や所要量が開発途中で判明
   ②商用化前のAPIやライブラリの変更
   ③業務要件の途中変更(PoC結果による方向転換)
  上記見解を整理の上、ステークホルダと意見交換の場を持つ
  1-2.コストに関する要求事項の確認
  コストの見積もりに与える影響:
   ①教師データの不足や誤りには、再収集・前処理工程が延び、追加工数(コスト)がかかる
   ②外部APIの仕様変更には実装変更・再検証が発生し緊急対応コストがかかる
   ③業務要件の変更には要件再整理・モデルの再設計による追加コストがかかる
  ステークホルダからのコストに関する要求事項:
   ①(経営層・事業部門)人件費と比較して効果に見合うコストであること
   ②(財務部門)コストの金額、支払いタイミングが妥当であること
   ③(ベンダー)不確かさの高い業務範囲において採算が確保できること
■設問イ
 2.計画段階で整備した予測活動の内容
  2-1.予測活動の内容
  PoCフェーズ、学習モデル精緻化フェーズ、本番導入フェーズに分け、
  スコープを仮置きして変更余地を持たせたまま見積りを行う。
  既知のリスクに関する予備費をコンティンジェンシー予備費
  未知のリスクに関する予備費をマネジメント予備費として
  あらかじめ見積りに含めておく。
  2-2.再見積りのタイミングを決める条件
  あらかじめ設定したフェーズごとに再見積りを行う。
  また、チャットボットによる回答精度が2マイルストーン連続で未達になるケース、
  応答時間が5秒を超える場合を再検討トリガーとして設定
  2-3.ステークホルダとの協力の内容と再見積り時のコスト差異への対応方針
  ベンダーとは準委任型、成果報酬型の段階契約形態として合意
  コスト差異への対応方針としての、予備費の取り扱いに付いてあらかじめ合意
■設問ウ
 3.実行段階で対応した予測活動の内容
  3-1.再見積りのタイミング
  プロジェクト開始して2か月後、PoCフェーズにおいて再検討トリガーが発動
  3-2.再見積りの結果発覚したコスト差異
  教師データの不足と偏りが出て工数が増加しておりコスト差異が発生
  コンティンジェンシー予備費の充当のため変更管理プロセスに沿って
  財務部門や事業部門・経営層に対し上申
  3-3.承認を得た差異への対応策
  承認条件として、経営層からは明確な成果条件を伴う必要があるため、
  教師データの前処理における精度向上のための専門家を投入
  その結果、次のマイルストーンでは回答精度を達成

論文全文について

ここまででも十分考え方はお伝え出来たかと思いますが、

論文全文を参考にされたい方は有料とはなりますが

以下記事の末尾をご参照ください。

note.com

 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

本記事ではプロジェクトマネージャーの午後II(論文)対策として、

令和6年問1で出題された論文の書き方を紹介しました。

最近の出題傾向にあるプロジェクトの"不確かさ"がテーマであり、

その中でもコストマネジメントにフォーカスがあたった点が

特徴的な問題でした。

また、「AIシステム開発」というこれまた頻出のモチーフも

論文に絡めることができる例を示したつもりです。

ぜひ参考にしてください。

 

また、他の区分・過去問の【論文の書き方】の記事については

以下リンクを参照ください。

論文の書き方 カテゴリーの記事一覧 - スタディルーム by rolerole

 

今後も、【論文の書き方】記事を充実して参ります。

ではそれまで。

高度情報処理技術者 各区分の資格取得メリットについて

更新:2025/5/25

 

だんだんと蒸し暑い日も増えてきましたね。

春の情報処理試験も終わり、次は秋の試験です。

 

前回の試験を受けた方も、受けていない方も、

高度の情報処理試験を初めて受けるという方も、

何を受けよう?」と迷っていたり、

そもそも受けるメリットってなんだろう?」と思っていませんか。

 

本記事では、主に実際にエンジニアの若手~中堅として活躍されている方向けに、

  • 資格取得に興味はあるけど、費用対効果ってどれくらいあるんだろう?
  • 苦労して取得しても、意味が無かったら嫌だな。業務に活用できるの?
  • 基本情報(応用情報)は取得したけど、次はどの資格が狙い目なんだろう?

といった疑問にお答えしたいと思います。

 

筆者自身、エンジニアとして社会人経験を過ごし、

高度情報処理試験の全てをコンプリートしました。

実際の業務経験も踏まえながら、資格が役立った場面を紹介したいと

思いますので、参考にしてください。

 

 

■ATTENTION■
読んでくださる方のために、筆者のバックグラウンドを簡単に説明します。

✔ 社会人経験=エンジニア経験 20 年

業務カットの経験
✔ 社内の技術サポート
✔ フィールドSE(お客様御用聞き)
✔ システムインフラ保守・運用・構築
✔ エンタープライズ向けサービス開発・稼働維持・企画

技術カットの経験
✔ ネットワークやサーバーなどインフラ
✔ 簡単なプログラミング
✔ 自動化ツールの開発

転職経験
✔ あり(1回)

そんな筆者の視点から、各試験区分の取得メリットと、簡単な取得動機を説明します。
参考になるものがあれば幸いです。

 

0. 高度情報処理試験の全般的な取得メリット

まずは高度情報処理試験の全般的なメリットについて述べていきます。

各区分別のメリットを先に読みたいという方は、本章は読み飛ばしてください。

 

0-1. 基本情報の知識補強ができる

本記事は、基本情報試験は取得済みの方を想定しています。

基本情報技術者試験は、テクニカル系・マネジメント系・ストラテジ系と、

「広く浅く」知識を習得することができます。

 

そのため、使っていない知識はすぐに忘れがちです。

エンジニアとして長く活躍していきたいと考えている皆さんにとって、

キャリアのステップや仕事の内容によって、知識の使う・使わないは

明確に分かれます。

すると、使っていない知識は軽視され、忘れてしまいかねないですが、

高度情報処理試験を受けることで、再度その区分の勉強をすることになり、

知識の定着を図ることができます。

 

0-2. 高い奨励金を支給される場合がある

即物的なメリットとしては、奨励金です。

所属している会社や組織の方針もあると思いますが、

IT業界の会社の資格奨励制度には、

基本情報や高度情報の奨励金があり、

多くの場合、高度情報はより多くの奨励金がもらえます。

 

中には10万円以上の高額の奨励金が出ることもあり、

資格勉強のためにかかる参考書や通信教材のコストを差し引いても、

「純利益」が出る場合があります。

かくいう筆者も、資格取得を目指した最初のモチベーションはここにありました。

 

ぜひ、ご自身の所属する会社・組織の資格奨励制度を確認してみてください。

 

0-3. 自分の意見を後押しする根拠になる

社内や組織で、互いに資格を保有しているか否かという話題に

なることはありますか?

筆者の所属していた会社では、そこまで頻繁に話題に上ることは

ありませんでしたが、半期や通期の目標設定/上司面談で

資格取得に関するヒアリングもありましたので、

それを機に、同僚で情報交換が行われることがありました。

 

そうすると、自然と、社内の○○さんは資格を大量に保持しているらしい、

とか、○○さんと○○さんは高度の□□試験を受けるらしい、とか、

そういったうわさ話が耳に入ってくることがありました。

 

そのような空気感を前提に仕事をしていると、ふとした業務遂行上の

協議やディスカッションにおいて、○○さんは□□資格を保持しているから、

これに詳しいでしょう、と自分の意見を通してもらえたり、

決定権を渡してもらえたりすることがあります。

時には、ただの無茶ぶりもあるわけですが、それだけ慎重に避ければ、

高度資格を保有していると、それだけ有利・円滑に仕事を

進めていけることができるように思います。

 

 

0-4. 転職やポスティングに有利

情報処理試験は、歴史が長いことも有利に働きます。

制度自体は昭和40年代からの資格。

これは、いまベテラン以上の年代のエンジニアが

若手の頃からあった資格ということです。

彼らも全員が取得できた資格ではないので、

簡単な資格ではないことは知られています。

つまり人事部や転職先・ポスティング先のしかるべき役職に

ついているであろう方の目にも止まりやすい。

これは、自分の市場価値を高める上で、差別化しやすい

大変なメリットになります。

 

 

1. 各区分の取得メリットと動機付け

それでは本章から各区分の簡単な紹介と、

筆者の経験を基にした取得メリットと取得動機について

解説していきます。

 

1-0. 高度情報処理技術者試験の概要

前提として、試験の概要と形式に触れておきます。

ここは知っているよという方は、本節は読み飛ばしてください。

 

高度情報処理試験とは、IPAのレベル区分でレベル4に該当するものです。

f:id:createrolerole:20210615145119p:plain

高度区分は図中央のピンク部分。IPAより

全部で9種類の資格があり、試験時間は次の通り。

※ただしSC(情報セキュリティ安全確保支援士)だけは午後I・IIの区別が無く、12:30~15:00で150分の記述式の試験です。

f:id:createrolerole:20211130161910p:plain

長丁場。前の試験に落ちると次の試験には行けない。

午前Iは4択問題で30問。午前IIは4択問題で25問。午後Iは記述式。

午後IIは資格ごとに記述式か論述式かで分かれます。

 

なお、午前Iは免除制度があり、応用情報・高度の合格者ならびに午前I通過者は

2年以内であれば免除申請することが可能です。

 

 

以下、筆者の取得順に各試験について解説していきます。

受験予定の科目、気になる科目を中心にご確認ください。

 

1-1. 情報処理安全確保支援士のメリットと取得動機

略称 SC 実施時期 春・秋 午後の形式 長文読解
タイプ テクニカル系

難易度

(偏差値)

67
身につく本質スキル 脆弱性・脅威、リスクコントロール、定性・定量のリスク評価、セキュリティポリシーの定め方

 

■メリット■

 

あなたがアプリ寄りインフラ寄りいずれであっても、

意識しなければならないセキュリティに関する知識セットを

備えることができます。

セキュリティは近年ますます需要が高まっている知識分野の一つで、

取得メリットは極めて大きいと思います。

高度区分の中では難易度的にもとっかかりやすく、他の区分の試験でも

セキュリティの範囲は問われることが多いため、

初めて高度を取る方、今後複数の高度を取る予定の方におすすめです。

 

■筆者の取得動機■
 

当時、ファイアウォールなどのセキュリティを具備するシステムを

主に扱っていたため。

ポリシーベースの制御法は、セキュリティポリシーの実装の基礎ですので、

資格取得後は、隣の部のセキュリティ実装の助言をしたら

一目置かれるようになりました。

セキュリティに携わる実機を実際に触る方はオペレータとして、

自分の判断を交えずに淡々と処理することが重要ですが、

本資格があれば設計段階でセキュリティを加味させることや、

オペレータの負荷にならないような可読性の高いポリシー実装や資料化に

貢献することができます。

 

1-2. ネットワークスペシャリストのメリットと取得動機

略称 NW 実施時期 午後の形式 長文読解
タイプ テクニカル系

難易度

(偏差値)

67
身につく本質スキル OSI参照モデル通信プロトコル、ネットワーク図の読み書き

 

■メリット■

 

あなたがインフラSEならば、登竜門的・代表的な資格に値するので、

この資格を取得することで、システムの通信という

根本的な部分を理解していることを示せます。

また、あなたが自チーム外の活動も意識しなければならないとしたら、

OSI参照モデルとはそのまま組織やチーム分けの

前提になっていることも多いので、

この資格の知識を基に低レイヤと高レイヤを俯瞰視して

チーム間の橋渡し役を買うこともできるでしょう。

 

■筆者の取得動機■

ルータやスイッチなど、ネットワークアプライアンスの担当と

なったため。

実務ではIPアドレスの計算を人より早く

できることが信頼に繋がるように思います。

詳細で複雑なネットワーク図の読み解きも

できるようになり、一歩進めて相手の理解度に応じて

正確さと分かりやすさのトレードオフを調整しながら図おこし

できるようになりました。

 

■COLUMN■

■効率的な勉強法

情報処理安全確保支援士とネットワークスペシャリストは相性がよく、

重複して問われる要素があります。

情報セキュリティの脅威を考える上で、侵入"経路"とは

ネットワークに他ならないためです。

両者を両方取得するつもりなら、時間を空けずに

勉強すると効率がよいかと思います。

 

 

1-3. データベーススペシャリストのメリットと志望動機

略称 DB 実施時期 午後の形式 長文読解
タイプ テクニカル系

難易度

(偏差値)

67
身につく本質スキル ER図、関係スキーマ、正規化(特に第3正規化)

 

■メリット■

あなたがバックエンドのアプリSEであったり、

システム全体の設計を考慮してデータの配置をデザインする立場であれば、

データベースのテーブル設計手法やデータ呼び出しアプリケーションとの

関係を説明・提案できるようになります。

あなたがフロントエンドのアプリSEであったり、

インフラSEであったとして、実務に精通していなくても、

簡単なSQL文やDB設計書を読めるようになります。

 

 

■筆者の取得動機■

業務上必要だった訳ではありませんが、自身の知見を広げるために取得。

後年になり、システム保守の現場でSQL文やDB設計書に触れることがあり、

知識の効果を実感しました。

また、要件定義の段階でも、データ同士の1対1とか1対Nとかと

いった特徴を掴んで、第三正規化やER図の知識を活かして図おこしし、

関係者と認識の一致を図ることなどに、役立ちました。

 

1-4. プロジェクトマネージャーのメリットと志望動機

略称 PM 実施時期 午後の形式

長文読解

論文

タイプ マネジメント系

難易度

(偏差値)

69
身につく本質スキル PMBOKの実践、ウォーターフォール型開発のあるあるネタ追体験

 

■メリット■

あなたが上司に報告しなければならない立場であったり、

チームをまとめる立場にステップアップを考えていたりするならば、

本資格の取得勉強を通じて、上司への報告に使いやすいフレームワークや、

進捗管理や組織運営に必要なノウハウを学ぶことができます。

ネームバリューはもっとも高い資格。

転職やポスティングにも条件として

明示されていることが、基本情報を除くと最も多いように思います。

 

ちなみに、プロジェクト管理やチーム運営に特に大切なことは、

どんな分野に置いても、予め基準を決めておくこと。

こうすることで問題発生の予兆が掴め初動が

早くなり、対応が均質化され、判断コストが下がります。

基準が間違っていれば、修正すればよいです。

 

■筆者の取得動機■

資格の名の通り、プロジェクト管理を任されることが増えつつあったため。

にわとりたまごですが、実体験があった方が合格しやすいと思う反面、

先に合格レベルの知識を備えていると実際のプロジェクト管理も円滑にいくことも

あるように思います。

結論としては、「実体験は必須ではない」ですね。

 

また、プロジェクトは必ず終わりがあり、目標があります。

抜擢された若手が突然チームの目標を定めたりするのは

気恥ずかしく不安もありますが、PMBOKに代表される

フレームワークに過ぎないと思えれば、

淡々とこなしていくことが可能になると思います。

 

■COLUMN■

■筆者の体験談

私は当時はインフラレイヤのプロダクト知識が中心だったので、

プロジェクトマネージャーの想定する業務システム開発の知識を勉強するのが

最も苦労しました。

多くの論文事例集を読み込み、合格論文の"型"を掴んでいく勉強法をとりました。

 

■COLUMN■

■情報処理安全確保支援士との関係

プロジェクト管理にはリスク管理が重要で、

上司によってはリスクの報告をするだけで事足りるようなケースもあります。

リスク管理は安全確保支援士の知識が活用できるので

リスク分析や対応策の策定を論述する際などに、勉強し直して

みると効率的に思います。

 

 

1-5. ITサービスマネージャーのメリットと志望動機

略称 SM 実施時期 午後の形式

長文読解

論文

タイプ マネジメント系

難易度

(偏差値)

68
身につく本質スキル ITIL、変更管理、問題管理、インシデント管理

 

■メリット■

あなたがシステムやサービスの運用・保守を担当しているなら、

問題(インシデント)発生の暫定対処、根本対処の違いなど、

見過ごされがちな業務の中で必要な本質的な要素を理解できます。

あなたが運用・保守とは畑違いであったとしても、

運用・保守に引き継ぐべきフレームワークや重要な点を学べます。

また、ヘルプデスク運営が学べます。

 

■筆者の取得動機■

システムやサービスの運用・保守に携わっていたため。

運用側として、開発側からの受け入れ基準を整備することで、

断る理由を説明して、チームを守れたこともありました。

運用をしていると、一見無駄に思う業務が

たくさんありますが、資格を取得していると、

無駄に見えるけど必要な業務か本当に無駄な業務か

識別できるようになります。

 

1-6. エンベデッドスペシャリストのメリットと志望動機

略称 ES 実施時期 午後の形式

長文読解

論文

タイプ テクニカル系

難易度

(偏差値)

67
身につく本質スキル ハードとソフトの結合、組み込みシステムの利点と欠点への理解

 

 

■メリット■

あなたが組込みシステムの開発者であったり、

制御系システムやエッジデバイスのプロダクトSEであるならば、

本資格の知識を活かして、ハードやソフトの特性を改めて理解し、

より最適なシステム実装の提案ができるようになります。

IoTやセンサーネットワークが叫ばれ、

低コスト・高品質のエッジコンピューティングが

求められている昨今、業界によっては需要の高いスキルと思われます。

 

■筆者の取得動機■

エッジデバイスを駆使した

エンタープライズ向けサービスを担当したため。

既製品プロダクトをカスタマイズする際にも会社間、組織間の責任分界点を、

契約書ベース以外に、技術的な領域で整理して

理解・説明できるようになったと思います。

 

出題は、駅の改札口やドローン、自動運転システムや駐車場システム、

自動音声案内ロボットなど、身近な題材が多く、興味をもって

取り組みやすかったです。

 

1-7. システム監査技術者のメリットと志望動機

略称 AU 実施時期 午後の形式

長文読解

論文

タイプ マネジメント系

難易度

(偏差値)

70
身につく本質スキル リスクとコントロールと監査手続

 

■メリット■

あなたが監査側の業務に携わる人ならば、

監査そのものの意義や原則(独立性や追跡性)、

監査人としてのふるまいを改めて学べます。

あなたが監査される側の人ならば、

求められる監査記録や対応について学べ、

システムログや議事録や管理基準の整備の必要性が学べます。

 

■筆者の取得動機■

いまいち監査の必要性が自分にも理解できていなかったため。

持続可能な組織を実現するためには、

監査の手続きが古来から有効だったということが認識できました。

取得することで、普段の運用や開発の業務時も

監査に求められる記録を意識して振る舞えるようになり、

定期・不定期の監査への対応にも余裕をもって

臨めるようになりました。

 

■COLUMN■

■プロジェクトマネージャーとの関係

プロジェクトマネージャーが、基準を整備することで

リスクをコントロールしているとしたら、

システム監査技術者はその基準と対応記録を査閲して

適切にコントロールされているかを確認する立ち位置になります。

論文執筆時には、こうした立場を明確にする必要があります。

 

1-8. ITストラテジストのメリットと志望動機

略称 ST 実施時期 午後の形式

長文読解

論文

タイプ ストラテジ系

難易度

(偏差値)

71
身につく本質スキル 情報戦略、BSC、マーケティング、プロモーション戦略、KPIの設定方法

 

■メリット■

あなたが管理職であるなど、技術者集団から一歩離れて

経営陣に近いところで執務しているならば、

本資格の知識を活かして情報戦略策定に関われます。

情報システムの経営に対する有効性の説明、KPIを設定して

成果のモニタリングをデザインできるようになります。

あなたが一技術者であったとしても、企画や戦略の

意図を理解しやすくなることになり、

これにより、部門横断的な取組みや、

既存システムの改善提案もしやすくなるでしょう。

 

■筆者の取得動機■

エンタープライズ向けシステムの

企画業務に従事するようになったため。

既存システムの保守費用を捻出するのに、

システムの意義や目標を踏まえて上司経由で経営側を

説得する必要がありましたが、どんな説明が求められているか

"あたり"をつけられるようになりました。

 

時々、まったく型にはまらない方もいて、その方専用の

説明資料を作る必要があることもありましたが・・・

 

■COLUMN■

■PM・SM・AUとの関係

ウォーターフォール型の開発モデルでは、

ITストラテジストが企画・要件定義フェーズに関わり、

プロジェクトマネージャーが要件定義~実装フェーズに関わり、

ITサービスマネージャーが運用テスト以降の受け入れと実際の運営を担うことになります。

システム監査技術者は上述のどのタイミングでも

コントロールが利いているかを検証する訳ですが、

出題として多い・実業務現場として監査の有効性が高いのは

やはりプロジェクト管理のフェーズのようです。

 

1-9. システムアーキテクトのメリットと志望動機

略称 SA 実施時期 午後の形式

長文読解

論文

タイプ テクニカル系

難易度

(偏差値)

68
身につく本質スキル UML図、デザインパターン

 

■メリット■

あなたがどんな形であれシステム開発に関わる方なら、

システムに採用する実装技術の利点と欠点への理解が深まります。

また技術のフィージビリティの評価ができるようになります。

 

■筆者の取得動機■

高度区分の試験全制覇!

開発系の業務は最近は離れてしまいましたが、

世にあるプロダクトや技術を組み合わせて

自分の手で検証、実装するのはエンジニアの醍醐味と思います。

 

 

おわりに

いかがだったでしょうか?

資格取得の費用対効果や、基本情報(応用情報)の次に何を取ろうか

迷っている方に向けて有益な情報となっていたら幸いです。

各試験のメリットを記載したので参考にしていただき、

ご自身のキャリアプランに合わせて、

最適な資格を選択していくことが、費用対効果も最大化されることになる

と信じています。

 

本ブログでは、高度情報処理試験の、合格に向けたサポート記事を充実していきます。

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是非、一緒に頑張りましょう!

 

ではそれまで。