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情報処理試験対策やIT業界への愚見・書評

システムアーキテクト 午後I・午後II 出題 振り返り速報 令和6年春

情報処理技術者試験、受験された方、お疲れ様でした。

 

本ブログでは出題予想をしておりますので、

本記事にて出題予想に対して午後I・午後IIの評価を中心に行います。

 

なお、過去問は試験センターからダウンロード可能です。

www.jitec.ipa.go.jp

 

 

午後I 振り返り

午後Iでは下記の三問が出題されました。

問1 システムの統合
問2 会員向けサービスに関わるシステム改善
問3 学習塾の通知システム

 

午後Iの事前の出題予想と評価は次の通りです。

 

■午後I出題予想と評価■
1. 1問か2問はDB系のスキルがあると有利な問題が出題される → 問1と問3がDB系の設問があった
2. 1問はST系の問題が出題されそう → 問2がST系の設問があった

 

 

なお、過去4年分の過去問は下記の通りです。

過去問分析(4年分)



午後II 振り返り

午後IIでは下記の二問が出題されました。

問1 人手によってしか実現できないと考えていた業務への先進技術の適用について
問2 バッチ処理の設計について

 

 

午後IIの事前の出題予想と評価は次の通りです。

 

■午後II出題予想ポイント■
1. DXやアジャイル開発を前提とした"攻め"の問題が出題されそう → 問1が先端技術系の"攻め"の問題が出題された
2. 既存システムへの改修など"守り"の問題が出題されそう → 問2がバッチ処理というテーマで実装寄りの"守り"の問題が出題された

 

 

なお、過去4年分の過去問は下記の通りです。

過去問分析(4年分)

 

総評

午後IはDB系の比重がやや多いですが、ST系の出題もあり従来通りであったと思います。

午後IIは問1が先端技術など"攻め"のテーマ、問2がバッチ処理という"守り"かつ実装寄りの出題であったと思います。

 

 

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それでは、ともに頑張りましょう。

 

ではそれまで。

ITストラテジスト 午後I・午後II 出題 振り返り速報 令和6年春

情報処理技術者試験、受験された方、お疲れ様でした。

 

本ブログでは出題予想をしておりますので、

本記事にて出題予想に対して午後I・午後IIの評価を中心に行います。

 

なお、過去問は試験センターからダウンロード可能です。

www.jitec.ipa.go.jp

 

 

午後I 振り返り

午後Iでは下記の三問が出題されました。

問1 インターネットサービス事業者による総合金融サービスの提供
問2 地方新聞社におけるITを活用したビジネスモデル変革
問3 旅館のIT活用による業務改革

 

午後Iの事前の出題予想と評価は次の通りです。

 

■午後I出題予想と評価■
1. 問1は先端技術や新流行のビジネスモデルが出題されそう → 問1ではデジタル経済圏をテーマとしていた
2. 問2・3はどちらかが文章(マネジメント系)、どちらかが図表(テクニカル系)の読解力が求められる問題が出題される → 問2が文章系、問3が図表系であった。

 

なお、過去4年分の過去問は下記の通りです。

過去問分析(4年分)

 

午後II 振り返り

午後IIでは下記の二問が出題されました。

問1 DX(デジタルトランスフォーメーション)の実現に向けた新たな情報技術の採用について
問2 新しいビジネスモデルの策定について

 

午後IIの事前の出題予想と評価は次の通りです。

 

■午後II出題予想と評価■
1. 問1は先端技術や新流行のビジネスモデルによる"攻め"の問題が出題されそう → DX(デジタルトランスフォーメーション)の集大成的な出題だった
2. 問2は既存業務やプロジェクトを前提とした"守り"の問題が出題されそう → ビジネスモデルの策定という"攻め"のキーワードだが、問題文には「オペレーション改善による収益UP」という例示もあり、問1よりは"守り"の要素もあったと思われる

 

なお、過去4年分の過去問は下記の通りです。

過去問分析(4年分)

 

 

総評

午後Iは問1でデジタル経済圏が出題されるなど新たなテーマがあったと思いますが、問題の構造は(問4が無くなったことを除けば)従来通りの出題であったと思います。

午後IIはDXとビジネスモデルというここ最近の集大成的な出題であったように思います。"攻め"のテーマを持った方は問1・2いずれも書けたのではないかと思います。一方、業務改善などの"守り"のテーマをもとに挑んだ方は問2の方が書きやすかったかと思います。

 

 

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ではそれまで。

高度情報処理試験対策 残り1週間の「仕上げ方」(令和6年春版)

令和6年度の春季情報処理試験(4/21)まで残り1週間となりました。

残りの時間は限られています。

最後の一週間は、これまでの勉強を前提とした「仕上げ」のみの時間とするべきでしょう。

 

では、具体的に何に取り組めばよいのでしょうか?

本記事でも、さきに結論を書きましょう。

 

■1週間での「仕上げ方」■
  • 1. 午前(選択)・午後I(記述)・午後II(論述)のどれを最終集中対策するか決めること
  • 2. 残り1週間で何をやるか明確でないなら、午後I対策に注力すること
  • 3. 午前(選択式)の仕上げ方:1問でも多く「丸暗記」
    「キーワード」を紐づけて「暗記」すること
  • 4. 午後I(記述式)の仕上げ方:問題文と設問文から、解答を思い出せるかという訓練をすること
  • 5. 午後II(論述式)の仕上げ方:論文パーツを整備すること

 

本記事では、合格に向けた「仕上げ方」について詳しく書いて参ります。

 

[目次]

 

1. 1週間で重点対策をする内容を決める

まずは、ご自身の状況を冷静に振り返り、何を重点的に仕上げるかを決めましょう。

ここで決めることは単純で、

  • 午前II:選択式
  • 午後I:記述式
  • 午後II:論述式

のどれを最終集中項目にするかを決めます。

 

これが重要な理由は、午前で落ちてしまえば午後の試験が採点されることは無いからです。

同様に、午後の記述式で落ちてしまえば、論述試験には進めません。

この現実を踏まえて、どの形式の準備を重点的に行うか、決めておくべきです。

  

■1つ目のポイント■
午前(選択)・午後I(記述)・午後II(論述)のどれを最終集中対策するか決める。

 

2. 午後Iに注意しよう

もしどれを重点対策するか決めかねている方は、「午後Iの記述式」を選びましょう。

 

理由は、午後Iが盲点になりやすいからです。

 

最後の1週間は、足切りを回避するため午前対策に注力する方は多いです。

一方、合格を真剣に目指す方は最後の関門である午後II対策に最後まで注力します。

 

午後I対策を優先するとは言っても、最後にして最難関である午後II対策に集中したくなるかもしれません。

 

実は記述式は、最もコンディションに左右されやすいです。

ちょっとした集中力の欠如で、すぐに問題文の内容が頭に入ってこなくなります。

それなのに時間は午後IIより短いです。

私自身、何度も午後IIに照準を合わせ勉強してきて、午後Iで危なく落とされそうになったり、実際に落ちたりしています。

 

以上のことよりどれを重点対策するか決めかねている方は、「午後Iの記述式を重点対策する」ことを提案したいと思います。

 

■2つ目のポイント■
残り1週間で何をやるか明確でないなら、午後I対策に注力しよう。

 

ただし、今回の合格は諦め、次回のために午前I免除の権利を勝ち取ることを目標にするのなら午前Iの勉強に集中するのもありでしょう。

この節では、現時点で当落線上にいると自分で思っている方に向けて書いています。

 

 

3. 午前(選択式)の仕上げ方

残りは1週間なので、過去問を「丸暗記」しましょう。

その際、問われていることの「キーワード」を自分なりに理解して紐づけて暗記するのが望ましいです。

 

1問1答形式で1問でも多く頭に詰め込むのはテクニック要らずで簡単ですし、全く同じ問題が出る可能性もあるのでダイレクトに得点に結びつきます。

 

過去問を数年踏まえていくと、何度も登場する「キーワード」があります。

「キーワード」に注目していくと、傾向が見えてきます。

傾向が見えてくれば、記憶の定着率が増え「暗記」作業の効率も上がるという好循環が生まれます。

 
「丸暗記」なんて芸がない…と思われる方もいるかもしれません。

 

しかし、残りの時間は「仕上げ」のみに注力するべきという話をしました。

ここからは即得点につながる、「軽い勉強で仕上げていく」のがよいでしょう。

今から試験に対してマインドセットを切り替えたり、その試験区分に求められる人物像の行動規範を理解したりするのは、合格に向けては「重たい勉強」と言えます。

 

軽い勉強で仕上げるために「丸暗記」は有効です。

「キーワード」と紐づけて脳細胞をフル活用しましょう。

 

■3つ目のポイント■
午前(選択式)に注力するなら、残り1週間では1問でも多く「丸暗記」しよう。
「キーワード」を紐づけて「暗記」すること。

 

ところで中には、地力で計算して解けるような問題(計算問題)もあります。

そのような問題でも、なぜ計算するのかという背景部分に「キーワード」が書かれていますので、「丸暗記」する場合は「キーワード」と紐づけておきましょう。

 

 

4. 午後I(記述式)の仕上げ方

午後Iの記述式も午前問題ほどではないとはいえ、1問1答形式で暗記しておくというのは有効です。

 

問題文と設問文から解答を暗記すると、その設問と問題文の構造さらに自分の思考プロセスを関連付けて記憶することができるからです。

 

たとえば、平成〇年度の問〇の設問〇の答えは「〇〇〇〇〇〇すること」と覚えたとします。

こうすることで、その設問と、問題文の構造、さらに自分の思考のクセを関連付けて記憶することが期待できます。

自分の思考のクセを認識できると、正答にたどり着くまでの思考プロセスを研ぎ澄ますことができます。

 

残り1週間で、この研ぎ澄ましに集中しましょう。

 

残り1週間は、隙間時間で、自分で解いたことのある問題文と設問文を見て、解答を思い出せるかという訓練を繰り返しておくとよいと思います。

こうした記憶は「短期記憶」となるため、残り1週間で仕上げるのが都合が良いです。

 

■4つ目のポイント■
午後Iは、隙間時間に、自分で解いたことのある問題文と設問文を見て、解答を思い出せるかという訓練を繰り返そう。
問題文の構造、さらに自分の思考のクセを紐づけて把握し、ぎりぎりまで自分の思考プロセスを修正していこう。

 

 

5. 午後II(論述式)の仕上げ方

まさに一夜漬けの利かない試験形式ではありますが、それでもできる「軽い」勉強はあります。

それは、論文パーツの整備です。

 

これも、論文パーツは暗記できるから残り1週間という短期でできるかつ有効な対策となっています。

 

小難しいことを考えている時間はもうありません。

設問に対応した解答となる論述文、言い回しを1つでも多く覚えましょう。

問題によっては、ある設問と別の設問で同じ論文パーツが使えるものも出てきます。

最後まであきらめず、どのような角度で問われても論述しきれる可能性を高めておくために、引き出しを充実させておきましょう。

 

これまである程度対策してきている方は、設問と論文パーツの関連を整理しておきましょう。

 

■5つ目のポイント■
午後IIにも「軽い」勉強はある。それが論文パーツの整備。
どんな切り口で問われても論述できるように、最後まで引き出しを充実する作業をしよう。

 

 

論文パーツの整理の仕方に特化した記事もあるので、合わせて確認してください。

 

■論文事例マップの作り方■

参考記事はITストラテジスト区分ですが、事例マップの作り方は各区分に共通するものです。

 

 

まとめ

それでは、本記事で紹介したことを改めてまとめておきます。

 

■まとめ■
  • 1. 午前(選択)・午後I(記述)・午後II(論述)のどれを最終集中対策するか決めること
  • 2. 残り1週間で何をやるか明確でないなら、午後I対策に注力すること
  • 3. 午前(選択式)の仕上げ方:1問でも多く「丸暗記」。
    「キーワード」を紐づけて「暗記」すること
  • 4. 午後I(記述式)の仕上げ方:問題文と設問文から、解答を思い出せるかという訓練をすること
  • 5. 午後II(論述式)の仕上げ方:論文パーツを整備すること

 

残りの過ごし方を決めていた方も、決めていなかった方も、何らかの気づきを提供できたのではないかと思います。

 

本ブログでも春試験のITストラテジストシステムアーキテクトの合格体験記事をまとめています。

受験予定の方はご参照ください。

 

■合格体験記事■

 

ここまで読んできてくれた方であれば、当落線上にいると思っている方も是非合格を目指してほしいです。

悔いの残らないようにしましょう。

 

さて、残りはラストスパートですね。

試験後までは X 中心で呟きます。

 

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ではそれまで。 

高度情報処理試験対策 1か月前時点の勉強法(令和6年春版)

令和6年度の春季情報処理試験(4/21)まで残り約1か月前となりました。

勉強をコツコツと進めている方としては、この時期、ラストスパートに入り、万全を期す頃でしょう。

逆に、まさにこの「ラストスパート頼み」となっている方もいるでしょう。

 

では、何に取り組めばよいのでしょうか?

本記事を読めば、残り1か月時点で何をどう準備すればよいか、

分かるようになります。

 

 

 

本記事でも、さきに結論を書きましょう。

 

■1か月前時点で取り組むべき4点■
  • 1. まずは学習状況を振り返ること
  • 2. 残りの時間を可視化すること
  • 3. 重点対策項目を決めること。過去問は複数回検討すること
  • 4. 記述対策はプロセス整備を。論文対策は型化を徹底すること

 

本記事では、合格するために、上記4点について詳しく書いて参ります。

 

 

なお、情報処理試験対策の全般の記事については、下記を参考ください。

 

■モチベーション維持・午後対策・参考書■
モチベーション維持に必要なこと
>受験に向けて モチベーションをアップしよう

午後対策・参考書選びについて
>午後対策の仕方・参考書の選び方

 

 

1. まずは学習状況の振り返りを

さて、まずは自分が積み上げてきた学習状況を振り返ることから始めましょう。

1か月前となった現時点において、計画通り学習を進められましたか?

期待通りでしたか? 期待以上でしたか?

まったく勉強できなかった、という方もいるでしょう。

まずは、自分の現況を直視することから始めましょう。

 

これまで、1週間に1時間しか勉強できなかった人が、1カ月前になったからと言って、突然100倍勉強できるはずがありません。

残り1カ月になったら、ある程度勉強時間を確保するつもりであったとします。

だとしても、自由な時間の少ない社会人であれば、せいぜい1.5倍~3倍くらいの時間しか確保できない、と理解するべきでしょう。

 

このことを念頭に置いて、では、残り1か月でどうするか? を一緒に考えてみましょう。

 

  

■1つ目のポイント■
1か月前になったからと言って、突然勉強時間は確保できない。
せいぜい、それまでの勉強時間の1.5倍~3倍くらいのつもりで、残りの時間の過ごし方を考えよう。

 

私の場合は、論文がある試験区分の場合は論文の過去問分析、

また午前II~午後I~午後IIを1回模擬試験的に通すくらいことを

それまでの間に実施していることが多いです。

1回では十分ではないですが、徐々に本番に向けて

ギアを上げるよう心掛けている頃ですね。

 

2. 残りの時間を可視化する

何事もそうですが、目的とする時点までの残り時間は可視化しておくことが重要です。

プロジェクトマネジメントの基本ですね。

 

土日に勉強する時間を設けている、としましょう。

すると、残りの週末の数は、試験当日を含む週を除くと、4回しかありません。

 

3/23, 24
3/30, 31
4/6, 7
4/13, 14
4/20, 21(当日)

 

仮に、1回の週末で1年分の過去問を解いたとしても、4年分しか解けないことになります。

週末を勉強の中心に据えていた方からすれば、かなり短い実感を持たれたのではないでしょうか?

 

この上で、何を自分の時間として重視して勉強するかが大切です。

 

■2つ目のポイント■
残り時間を可視化しよう。
漫然と時間を過ごすことを、これだけで防ぐ効果がある。

 

週末に集中して勉強することはできないという方もいるでしょう。

ですが1週間単位で何を進めるか、ということは決めて進めることが重要です。

 

3. やるべきことを決める

では、何を残りの時間でやるべきでしょうか?

ここでも、これまでの自分の積み上げた対策を振り返り、より強化が必要なところに集中的に時間を割り振りましょう

午前問題でしょうか? 午後問題でしょうか?

足きりのことを考えると、午前問題もおろそかにできないでしょう。

一方、中心的なスキルセットとして問われるところは午後(記述・論述)であると考えられるので、午後対策を重視するという考え方もあるでしょう。

 

  • これまで、午後対策を中心にしていたならば、午前対策の比重も上げて、間違っても足切りを受けないようにしてください。
  • 反対に、午前対策を十分にやってきたなら、午後対策を中心に据えた学習計画を立ててこなしていくことが必要でしょう。

 

より強化が必要なところが分からない、という方は、やはり過去問に触れておくことがよいでしょう。

過去問も解きっぱなしにするのではなく、解いて、採点して、参考書で検討することが重要です。

 

私のおススメは、過去問を解いた後、すぐに自己採点して、検討し、時間を空けて改めて検討することです。

時間を空けて再検討することで、自分の中に複数の視座を設けることができるようになります。

 

仮に、何度検討しても納得できない問題があったとしたら、残りの時間も少ないので、諦めるか、丸暗記して臨むと割り切ることも必要でしょう。

 

■3つ目のポイント■
残り時間を午前対策に使うか・午後対策に使うか、有効な配分を決めよう。
過去問は、解きっぱなしにするのではなく、何度も回答プロセスを検討し、自分の中の「考え方」を更新すること。
何度検討しても納得できなければ、諦めるまたは丸暗記して臨むという割り切りも大切。

 

私の場合は、最も午後IIを重要視したならば、午後IIについては

過去問分析が一通りできる頃です。

分析をもとに、論文パーツを作りこむことなどをしています。

また、午後I対策が少し時間がかけられていないことが多いです。

午後Iの過去問分析を進める必要がありそうだなと考えたりします。

 

4. 記述対策・論文対策の考え方

ここから先に述べることは一般的なことです。

 

どの高度試験にも言えることですが、記述式の試験の場合、正答へのたどり着くプロセスを自分のものにしていくことで、合格に近づくことができます。

 

  • STであれば、課題が必ず問題中に登場します。
  • AUであれば、リスクとそのコントロール方法が必ず登場します。
  • SAであれば、要件と対応する実装が登場します。

 

このように、そのパターン(正当となるキーワードをどうやって記述するか)を習得していくことを、残り1か月でやりたいですね。

 

次に論述式の試験ですが、区分を問わず、設問アと設問ウは比較的定型度が高いことが多いです。

特に設問アは、丸々自分が用意してきた論文のパーツが使えることがあります。

設問ウは、問われていなくとも、自身の活動に対する評価や反省を入れることで、ある程度の論旨を展開することができます。

 

問題は設問イですね。

検討しなければならない条件」というのは、設問によって異なるので、やはり、過去、どういった点が問われているかを調べておくのがよさそうです。

 

たとえば、組織間の利害調整、とか。業界の状況、とか。技術動向、とか。

そういった条件ごとに、自分の論旨を展開できる論文パーツを準備しておくとよいでしょうね。

 

 

■4つ目のポイント■
記述対策は、正答へのプロセスを残り1か月で自分のものにする。
論文対策は、設問アとウは型化を仕上げる感覚で準備し、設問イは過去問から問われる論点を調べて可能な限り論文パーツを準備しておこう。

 

勉強スケジュールモデル

最後に、ちょっと忙しい方向けに、残りの勉強スケジュールのモデルを出しておきます。

 

  • 3/23, 24 過去問1年分解き、自己採点
  • 3/30, 31 前週の自己採点と再検討
  • 4/6, 7 過去問1年分解き、自己採点
  • 4/13, 14 前週の自己採点と再検討
  • 4/20, 21(当日)

 

上記ですと、結局2年分しか過去問は解けません。 

ちょっと心もとないですが、やみくもに勉強するよりも力がつくと思います。

何をしたらいいか分からなくなっている方は、是非やってみてください。

 

まとめ

それでは、情報処理試験の高度試験にどのように準備するか、本記事で紹介したことを改めてまとめておきましょう。

 

■まとめ■
  • 1. まずは学習状況を振り返ること
  • 2. 残りの時間を可視化すること
  • 3. 重点対策項目を決めること。過去問は複数回検討すること
  • 4. 記述対策はプロセス整備を。論文対策は型化を徹底すること

 

1か月前のこのタイミングだからこそ、改めて自身の振り返りとしても活用してみてください。

 

以下の私のツイートにもあるように、論文添削を中心とした相談サービスも立ち上げています。

ご興味のある方、ぜひ活用してみてください。

 

 

 

では、合格を目指して共に頑張りましょう。

 

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ではそれまで。 

ITストラテジスト 改修要望の分析と対応方針の立案【論文の書き方】(令和5年春問1)

本記事ではITストラテジストの午後II(論文)対策として、

令和5年問1で出題された過去問を分析します。

実際に論文を書く上での考え方を整理し

論文骨子を設計するところまでやっていきます。

 

 

 

問題(令和5年問1)

過去問は試験センターから引用しています。

 

 

設問文は以下の通り。

 

 

 

何が問われているかを把握する

問題文を読むと「分析」に紙面の多くが割かれているのが分かります。

第二段落の中身とその後に続く箇条書きは、

分析に必要な情報とプロセスが書かれています。

 

テーマとしては、利用部門から上がってきた改修要望を、

いかに分析して真の問題点にたどり着き対応方針を定めるか、です。

 

設問アは、背景にある「事業環境」「ITシステム」「利用部門の改修要望」

「利用部門の問題意識」が問われています。

利用部門の目線で見た切り口が必要です。

 

設問イは、分析のための「収集した情報」「分析したプロセス」

「工夫点」が問われています。

経験が少ないと利用部門から上がってきた改修要望を鵜呑みにして

しまいがちですが、ITストラテジストとしての考えに立脚して

要望を分析するプロセスが重要です。

 

設問ウは、「利用部門・関係部門との協議」「対応方針」が

問われています。改修要望をそのまま対応しないことを

説得力をもって説明し、方針を立案します。

 

 

出題要旨と採点講評からの分析

 

試験センターから公表されている出題要旨と採点講評を確認して

出題の意図と論述のNG例を把握します。

 

出題要旨

 

出題要旨の1文目に、

ビジネスの変化の速さを背景に

とあります。

「変化の速さ」はここ数年のIPA試験のキーワードです。

設問アで述べる事業概要や事業特性で、変化の速さを伺わせる

題材を選ぶようにしましょう。

 

3文目に

全社視点での多面的な分析

とあります。

ITストラテジストは利用部門の視点と、全社の視点の両方を

持ち合わせる必要があります。

その視点をもって、2段落目にある

どのような分析を行い、問題の真因を特定したか

について述べるのが出題趣旨のメインでしょう。

 

採点講評

 

「全問共通」の採点講評はここ数年同じことが書かれており、

"論述の対象とする構想、計画策定、システム開発などの概要"又は"論述の対象とする製品又はシステムの概要"が適切に記述されていないものが散見された

とあります。

論文用紙の前にある、下の画像のような論述の概要を記載する用紙ですね。

試験センターも明確に「評価の対象」と言っているので、

手を抜かずに記入しましょう。

聞かれる項目はほぼ毎回同じなので、

予め回答を想定して準備しておきましょう。

 

問1の採点講評では、NG例が2つ紹介されています。

まず1つ目として2文目に

改修要望を与件と捉え、システム化要件として掘り下げたものを、"問題の真因"であるとして論述している

とあります。

ウォーターフォールモデルでは要望を要件定義して掘り下げますが、

本問では単なる要件定義を求めている訳ではないことを意味します。

 

2つ目として4文目に

"特性要因分析"、"AI による対応" など、分析手法や技術を用いたと記述しつつも、具体性に欠ける

とあります。

"特性要因分析"、"AI による対応" は一見 分析手法や技術の具体例のようですが、

試験センターの求める「具体性」とは、

論文内で書かれる業務やシステムの具体性を踏まえているかがポイントです。

 

どのように論文を設計すればNG例に抵触しないか、

次節より説明していきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

論文を設計する

問われていることの概略を把握したら

自身の経験や用意してきた論文パーツに当てはめて

どのように論述を展開するかを設計します。

 

 

設問アの設計

設問アは「事業環境」「ITシステム」「利用部門の改修要望」

「利用部門の問題意識」を問われています。

設問アの執筆に着手する前に、(利用部門からの)改修要望と、

(最終的な)対応方針の骨子は作っておきましょう。

 

ざっくりと本問の構造は

設問ア:改修要望(A)

設問イ:(A)から(B)に到達するプロセス

設問ウ:対応方針(B)

と捉えられるので、AからBの骨子を始めに考えます。

 

骨子の作成例


骨子が定まったら肉付けとして、設問アに書く

「事業環境」「ITシステム」「利用部門の問題意識」を

考えましょう。

 

ここで、問題文や出題要旨には

ビジネスの変化の速さを背景に

という記載があるので、事業を取り巻く環境には

変化の速さがあることを盛り込むとより良いでしょう。

 

例として、

  • 事業:衣料品の卸売業
  • 服飾業界は小売り・アパレルメーカー共に業態多角化の傾向で流通の変化が著しい

などが考えられると思います。

 

設問アの骨子の例をまとめます。

■設問ア
 1.事業概要、ITシステム概要と改修要望
  1-1.事業概要とITシステム概要
   衣料品の卸売業(J社)
   論述対象は販売業務・統合販売支援システム
   業界は業態多角化の傾向で流通の変化が著しい
   再販許諾条件を定めるパートナー契約も複雑化の傾向
  1-2.利用部門の改修要望、問題認識
   パートナー契約の内容(商品・期間)から顧客検索したい
   契約を遵守しつつ迅速な商品販売ができていない意識

 

設問イの設計

設問イでは設問アの「改修要望」から設問ウの「対応方針」の間をつなぐ

「分析プロセス」について詳しく述べる必要があります。

 

改めて設問イの設問文を確認すると、

  1. どのような情報を収集したか
  2. どのように分析したか
  3. どのような問題の真因を特定したか
  4. 工夫したことともに述べよ。

と書かれています。

 

問題文には設問イに関して最も多く紙面が割かれているので確認しましょう。

 

問題文中の「分析プロセス」

 

問題文からは、「1. 収集する情報」の例として、

  • (利用部門の問題認識)
  • 現状の業務プロセス
  • ITシステムの概要
  • ITシステムの利用状況

などが挙げられています。

1つ目の「利用部門の問題認識」は設問アで触れているので、

他の3つが「収集する情報」の候補ですが、

全て触れる必要もないですし、ここで挙げた以外の情報でも

よいでしょう。

 

重要なのは、「全社視点での多面的な分析」を行うために

必要な情報である、という点です。

 

 

また問題文からは、「2. どのように分析するかの例」として、

  • 利用部門の認識を個別最適では無く全体最適の観点で見直す
  • 他のサービスや業務に関連する問題や改修要望は無いか
  • 他の業務プロセスやITシステムに関連する問題は無いか
  • ステークホルダに関連する問題や改修要望は無いか

が挙げられています。

全てに触れると紙面が足りなくなると考えられるので、

1つか2つを参考に分析のプロセスを展開するとよいでしょう。

 

 

また「3. 問題の真因」については問題文の例がありません。

論文執筆時の冒頭で設定した「改修要望」と「対応方針」から、

「問題の真因」を設定するようにしましょう。

 

骨子の作成例(続き)

最後に「4. 工夫したこと」についても問題文には例示がありません。

工夫の中身は考える必要がありますが、「どこに対する工夫」かは、

「2. どのように分析したか」に対する工夫として書くのが無難でしょう。

 

設問イの骨子の例をまとめます。

■設問イ
 2.改修要望に対する情報収集と分析
  2-1.改修要望に対して収集した情報
   バックログに関連性のある改修要望は無いか
   パートナー契約の締結の業務プロセス
   顧客マスタと商品マスタへアクセスする機能
  2-2.分析のプロセス
   バックログからは商品開発部から類似の要望あり
   パートナー契約の業務プロセスをヒアリング
   顧客マスタと商品マスタへアクセスする機能一覧の作成
  2-3.問題の真因と工夫
   パートナー契約の締結時のデータ更新フローが不明確であること
   特性要因図を用いて情報集約を図った

 

設問ウの設計

設問ウは設問文からは

「どのように協議したか」

「どのような対応方針を立案したか」

が問われています。

 

「どのように協議したか」に関連する問題文の箇所に、以下の記述があります。

さらに、特定した問題の真因の解消に寄与する、解決手段、スケジュール、実行体制、投資効果などについて利用部門や関係部門と協議し、

「解決手段、スケジュール、実行体制、投資効果など」について

触れておくのがよいでしょう。

全て触れる必要はありませんが、ITストラテジストとしては

投資効果には触れておいた方が無難かと思います。

 

「どのように協議したか」の記載の後に、

「立案した対応方針」を記載するのが自然でしょう。

 

論述のやり方はさまざまありますが、

協議の際に複数の対応案を提示して、

投資効果などに触れて理由付けし

選定した案を対応方針とする、といった論旨展開が

一例として考えられます。

 

設問ウの骨子の例をまとめます。

■設問ウ
 3.問題の真因に対するアプローチと対応方針
  3-1.関係部門との協議
   解決手段
   ①関係部門でパートナー契約の締結時に各種マスタのデータを
    更新するフローを作成する
   ②各種マスタに検索するための属性情報を付与する
   方式案
   ②-1.追加する属性情報はキーバリュー型とし、
       利用者が自分自身で必要な索引情報を付与
   ②-2.既存の「備考欄」情報を活用し、
       「備考欄」に対する検索機能を実装する
  3-2.立案した対応方針
   ①については合意
   ②は方式②-2.が投資効果が高いため採択された
   最終方針は経営陣にも承認を得た 

 

 

論文骨子

以上を踏まえ、論文骨子は次のようになりました。

■設問ア
 1.事業概要、ITシステム概要と改修要望
  1-1.事業概要とITシステム概要
   衣料品の卸売業(J社)
   論述対象は販売業務・統合販売支援システム
   業界は業態多角化の傾向で流通の変化が著しい
   再販許諾条件を定めるパートナー契約も複雑化の傾向
  1-2.利用部門の改修要望、問題認識
   パートナー契約の内容(商品・期間)から顧客検索したい
   契約を遵守しつつ迅速な商品販売ができていない意識
■設問イ
 2.改修要望に対する情報収集と分析
  2-1.改修要望に対して収集した情報
   バックログに関連性のある改修要望は無いか
   パートナー契約の締結の業務プロセス
   顧客マスタと商品マスタへアクセスする機能
  2-2.分析のプロセス
   バックログからは商品開発部から類似の要望あり
   パートナー契約の業務プロセスをヒアリング
   顧客マスタと商品マスタへアクセスする機能一覧の作成
  2-3.問題の真因と工夫
   パートナー契約の締結時のデータ更新フローが不明確であること
   特性要因図を用いて情報集約を図った
■設問ウ
 3.問題の真因に対するアプローチと対応方針
  3-1.関係部門との協議
   解決手段
   ①関係部門でパートナー契約の締結時に各種マスタのデータを
    更新するフローを作成する
   ②各種マスタに検索するための属性情報を付与する
   方式案
   ②-1.追加する属性情報はキーバリュー型とし、
       利用者が自分自身で必要な索引情報を付与
   ②-2.既存の「備考欄」情報を活用し、
       「備考欄」に対する検索機能を実装する
  3-2.立案した対応方針
   ①については合意
   ②は方式②-2.が投資効果が高いため採択された
   最終方針は経営陣にも承認を得た 

 

論文全文について

ここまででも十分考え方はお伝え出来たかと思いますが、

論文全文を参考にされたい方は有料とはなりますが

以下記事の末尾をご参照ください。 

note.com

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

本記事ではITストラテジストの午後II(論文)対策として、

令和5年問1で出題された論文の書き方を紹介しました。

利用部門からの提案を鵜呑みにせず、ITストラテジストの考えで

全体最適の観点から対応方針を立案する姿勢が重要です。

 

私自身の受験記もまとめているので合わせて参考にしてください。

 

ITストラテジストの合格秘訣まとめ■

 

また、他の区分・過去問の【論文の書き方】の記事については

以下リンクを参照ください。

論文の書き方 カテゴリーの記事一覧 - スタディルーム by rolerole

 

今後も、【論文の書き方】記事を充実して参ります。

ではそれまで。

高度情報処理技術者 午後対策の仕方と参考書の選び方

更新:2024/2/18

 

寒い日が続きますね。

今年は秋の試験は実施日が4月21日と公表されています。

 

本記事は、高度情報処理試験を受験予定の方を対象に書いています。

次回受ける予定でなかったとしても、意味のある情報を届けたいと思います。

 

基本情報処理試験と違って、

高度は何を対策すればいいんだろう?」と悩んでいたり、

論文や記述式ってどう対策したら?」と思っていませんか。

 

本記事では、高度情報処理試験を初めて受験される方向けに、

  • 高度試験って、基本情報にない何か特別な対策をする必要ある?
  • 午後対策で、何を一番重視して進めていけばいい?
  • 午後の、記述式と論文って、どう対策分けすればいいの?
  • おすすめの参考書は?

といった疑問にお答えしたいと思います。

 

筆者は高度情報処理試験を全て制覇しております。

実際の体験も踏まえながら、高度に特有の試験対策を説明したいと思いますので、参考にしてください。

 

 

1. 基本情報にない特別な対策

基本情報処理試験の受験経験がある方向けに、

まずは高度情報処理試験の対策として同じ所と違う所を

整理して説明します。

 

1-1. 基本情報と同じ対策でいいところ

高度区分の試験は、午前Iと午前IIは4択マークシート式ですが、

基本情報の午前と同じマークシート選択式です。

これにより、マークシート選択式の特有の対策は、基本情報と同じでよいと言えます。

 

基本情報でもそうですが、過去問から同じ問題・類題が

多く出題されます。

これにより、特に午前対策としては、過去問を繰り返し解いて対策とする、

ことも同じ所と思います。

 

1-2. 基本情報とは異なる対策がいるところ

一方基本情報と大きく異なるのは、午後と思います。

まずは、試験時間をチェックしましょう。

f:id:createrolerole:20211130161910p:plain

基本情報に比べ、長い。体力も必要。

午後I(90分)は、高度試験の全区分で記述式で出題されます。

一方、午後II(120分)は、区分によって記述式か論文かで分かれます。

 

このため、基本と最も異なる対策が必要となるのは午後です。

ご自身の受験予定の区分を確認し、特に論文が必須の場合は、

基本とは大きく異なる対策がいるでしょう。

 

記述式は基本情報の午後で出題されている形式ではありますが、

午後IIは120分で長文に取り組む必要があり、

勝手が違うと感じる方も多いのではないでしょうか。

 

2. 午前対策よりも午後対策に注力しよう

前述の通り、午後の方が過去問一辺倒では対策がしづらく、

勉強の進め方としては午後対策に注力するのがよいでしょう。

 

逆に午前は過去問からの採用率が高いので、3~4年程度の

過去問を頭に入れておくだけで十分合格できるでしょう。

 

短絡的な考え方かもしれませんが、合格だけを目的に考えるなら、

出題された単語や意味などを覚えなくても、

問題文と回答のセットだけを覚えれば十分です。

 

午前はそのように対応をすればよいので、

午後対策をどのように進めるか、が合格への鍵になります。

 

2-1. 午後対策をどのように進めるか

誤解のないように最初に述べておくと、

その区分に求められている知識、という意味では、

午後であろうと午前であろうと共通しています。

 

プロマネの例で言うと、PMBOKの基本的な知識エリアや、

ウォーターフォール開発モデルの各工程(V字モデル)は、

午前II(選択式)であろうと午後I(記述式)であろうと

午後(論文)であろうと、求められる知識です。

(午前Iは各区分共通の問題が出題されるので、

その区分特有の知識が求められる比重は小さい)

 

その区分に求められる知識」というのが存在することを

念頭に置いたうえで、選択式・記述式・論文それぞれに

対処するイメージで対策するとよいでしょう。

 

それでは次に、午後対策の話を中心に掘り下げていきます。

 

3. 午後対策(記述式と論文)

3-1. 記述式の対策

記述式の問題は、時間との戦いになりがちです。

区分によっては、90分の記述式(午後I)と

120分の記述式(午後II)が連続に取り組まなければなりません。

 

合格点に満たない時の大きな「課題」としては

  1. 時間が足りない
  2. 知識が足りない
  3. 解き方が分からない

のいずれかだと思います。順にみていきましょう。

 

3-1-1. 「時間が足りない」への対策

これは時間さえあれば合格点に達成できたのに、という

場合の対策です。

 

この課題への対策は、

長文である問題文の読み方、設問文との対照付けなど、

問題を把握するスピードをあげること

と、

記述する内容のあたりをつけてから制限字数にまとめて

記述するスピードをあげること

の2つが主に考えられます。

 

前者は、試験区分によって若干クセがあり、

その試験特有の出題のルールのようなものを

理解する必要があります。

 

たとえば、ITストラテジストでは、

「課題」-「機能」ー「設問」

がセットになっており、「設問」に対応する

「機能」と「課題」が問題文中のどこに記載されているかを

見極めることが重要になります。

これにより、問題に取り組むスピードを向上できます。

 

後者は、内容のあたりのつけ方と、

あたりをつけたあとに手早くまとめる力が必要です。

 

この対策は色々あるので本記事だけではとてもまとめられないですが、

最も効果的なものを1つだけ述べておきます。

 

それは、「迷ったときのルールを予め決めておくこと」です。

 

区分にもよりますが、たとえば、次のようなルールが考えられます。

 

問題文から、回答文として記述する情報元が複数あり、文字数的にどちらかを選択する必要がある場合。設問文のキーワードが書かれている問題文中の箇所からの距離が物理的に(問題文の紙面的に)近い方を選択する。

 

上記のルールを作る場合、「なぜ?」という理由付けは何でも構いません。

重要なことは、時間をかけても意味のないこと(迷う行為)を

減らすということです。

 

この節については情報量が多かったので、いったんまとめておきます。

 

■「時間が足りない」への対策■

1. 問題文を把握するスピードをあげること [INPUT SPEED UP]

その試験特有のクセを理解し、把握に努める。
設問文と問題文の関係と構造把握がカギとなる。

2. 制限字数にまとめるスピードをあげること [OUTPUT SPEED UP]

迷ったときに拠り所にする自分だけの記述ルールを
予め決めておく。

 

3-1-2. 「知識が足りない」への対策

これは前節の前提になっており、時間があったとしても

解けないという場合の対策となります。

 

「知識が足りない」のは勉強したてであれば仕方のないことです。

 

「知識が足りない」への対策は、すなわち

その区分に求められる知識」を習得するということが

対策となるので、当ブログの各試験区分の

対策を覗いてみてください。

 

ひとつ言えるのは、午前対策のように、過去問のみで

仕上げるのは難しいです。

ここは参考書に頼りましょう。

 

問題は、ある程度勉強していたり、何度か不合格を経験していたりで、

得点が取れないのが、「知識が足りない」からなのか、

他に理由があるのかが曖昧になってしまう場合です。

 

ここでは、「知識は足りているが解けない」とは

どのようなパターンがあるか述べておきましょう。

 

■知識は足りているが解けないとは■
・ある程度自信をもって記述した自分の解答文が、微妙に/明らかに正答文と異なる
・複数の解答候補は思いつくが、最終的に正答となる候補を選択できない
・何度やっても、同じようなミスをする
・参考書を読んでも、納得がいかない

 

上記のようなケースにあてはまる場合は、

知識というよりも、次に述べる「解き方が分からない」

状況にあると考えられます。

 

3-1-3. 「解き方が分からない」への対策

これは知識は足りているけど、間違えてしまうという

場合の対策です。

 

筆者の周囲を見ると、現役やベテランエンジニアのように、

ある程度の知識や経験を備えている方が、

頭を情報処理試験のために切り替えられずに

陥っているケースがあるようです。

 

そのことの是非はともかく、合格を目指すならば、

いったんは自分の自信も経験も置いておいて、

解き方がわかってないかも? と自分の思考回路を

振り返ってみてください。

 

この節で言いたいことは、自分の考え方のクセを、

情報処理試験合格のために、矯正することにあります。

 

このことを理解するには、いちど情報処理試験に臨んだり、

過去問を実際に解いてみる必要があります。

 

その上で、自分の疑問を言語化して、

さらにその上で、なぜその考え方ではいけないか、を

納得しなおす必要があります。

 

このプロセスには、一定の勉強時間がかかります。

もしも試験が直前に迫っているのならば、

考え方は納得しなくてもよいので、

正答の表現や参考書に書かれていることを、

「鵜呑み」してしまいましょう。

(あるいは、単にその問題を捨てるか)

 

この節に書かれていたことをまとめておきます。

 

■「解き方が分からない」への対策■

「自分の考え方のクセ」を客観視し、試験合格のために考え方を矯正する。

実際に問題を解いてみて、自分の考え方のクセを認識したら、
その思考プロセスを言語化し、なぜそのプロセスだといけないのかを
納得する。

時間が無ければ、参考書に書かれていることを、「鵜呑み」する。
単に捨てるのも手。

 

こうした、"セルフアジャスト" のプロセスは、

試験合格に限らず、さまざまな人間関係の場面でも、

重要なことだと思います。

 

3-2. 論文の対策

論文は、人によっては問答無用で苦手意識を持っており、

この時点で受験者にとって大きな差になるところと思います。

 

筆者も初の論文試験はとても警戒・勉強しても身になった感覚を持てず、

何度か不合格になり苦手意識を持っていました。

 

ただ、論文も書き方やコツがあります。

ひとたび、合格した区分があったあとは、基本的には、

私はむしろ論文系の試験区分の方が対策が立てやすい、と

思っています。

 

このコツのようなものを一言で言い表すのは難しいですが、

それでもあえて言うと、

求められている"論文構造"に気付くこと

だと思っています。

 

また、単に知識・経験が足りなくて論文が書けない、

ということもあります。

 

120分という時間をどうやって使うか、という点も、

実際に取り組んでみないと、自分に最適な

時間配分は導き出せないと思います。

 

こうした、「その区分に求められる知識」や、

論文に対する基本的なお作法などは、参考書に頼りましょう。

 

また、論文対策においては、最終的に、

自分の表現に"昇華"させる必要があります。

このために参考にしていただきたい本ブログのオリジナルのフレームワークが、

「論文事例マップ」です。

別記事にまとめていますので、合わせてご参考ください。

 

■論文事例マップの作り方■
ITストラテジストを例に、論旨展開の"型化"を目指すフレームワークの紹介記事です。

studyrolerole.hatenablog.jp

 

上記のリンクは、

求められている"論文構造"に気付くこと

を自分の論述につなげる試みでもあります。

コツのようなものを会得する一助になれば幸いです。

 

4. おすすめの参考書

色々述べましたが、ここからは、午後対策となる、

記述式と論文の参考書を筆者の体験をもとに紹介していきます。

 

4-1. 記述式対策の参考書

記述対策に求めるポイントは、次の1点です。

解説が充実していること

どの区分にしろ、勉強し初めから試験センターの定義する

「正解」を記述する事はできないでしょう。

自分の考え方のクセを意識して、「正解」に合わせる行為が必要です。

そこで必要なものが、「解説の充実度」です。

 

ここからは、私自身の体験も踏まえて、参考書について評価してみましょう。

iTEC 重点対策

一昨年、ITストラテジストに合格した筆者は、

記述対策にiTECの『重点対策』を用意しました。

午前II、午後I、午後IIまですべて

これ1冊でカバーしているところが強みです。

紙面の配分も同等か、しいて言うならば

午後II対策の分量が少ないと言えるかもしれません。

 

記述式の対策は解説が充実していることが重要なので、

その観点で評価してみますと、

  • 200ページ超の分量
  • 段階的に仕上げることができる仕組み
    (テクニック、作成例、実践、解説と節立てされている)
  • とりあげている過去問(解説)16問(うち3問が組込みシステム)

と、かなり充実していると言えそうです。(2020年版の評価です)

 

ただ、解説自体に納得がいかないものも一部でありました。

たとえば、解説文が、問題文の引用や焼き直しに終始しており、

「なぜその回答になるのか?」という論理が足りないと感じるものがありました。

その正答ならば、問題文のこの部分を引用しないのはなぜ?

といったような疑問がわくものもありました。

 

ただし、筆者の場合は一発で合格できたので、

上に指摘した問題点も大した問題ではないのかもしれません。

 

翔泳社 情報処理教科書

前々回合格できたシステム監査技術者の際は、

翔泳社の『情報処理教科書』で準備しました。

最新版ではなく、2014年版を中古で購入しました。

比較的、午後対策に特化しています。

全体的な章立てとしては、

  • 監査の計画
  • 監査の実施
  • 監査の報告

などいくつかの体系に分けられており、

章ごとに知識・午後I対策・午後II対策ができるようになっています。

章の体系からして、合格に向けた対策がとれることと同時に、

各監査のフェーズにおける専門知識を習得できるようになっており、

実際の監査業務に役立てやすい構成になっていると感じます。

特に、第1章に書かれている「監査とは」の部分は個人的に必見です。

なぜ監査が必要か、監査はどうあるべきで、

実務を踏まえてどうアジャストする必要があるかなどといった

観点が含まれています。

実体験を通じておぼろげながら理解できているという人でも、

よりクリアに理解しなおすことができます。

 

なお、筆者は2014年版で対策し2020年に受験しましたが、

試験体系も、ましてや監査の勘所といった点は

あまり変わりません。

(何しろ監査という概念そのものは、ITが登場する前からあったので)

ですので、対策本を検討する際は、

最新のものに固執せず、中古で安く仕入れるという

考え方もアリだと思います。

 

4-2. 論文対策の参考書

本記事では1冊、参考書のシリーズを紹介します。

論文のある試験区分では『合格論文の書き方・事例集』という

シリーズが出ており、その名の通り、論文を書く上での

言い回しや論旨展開の事例集として活用できます。

 

筆者の場合、基本的に論文系の試験区分の試験対策には

このシリーズで準備しています。

 

とにかく、文の事例が豊富。

 

おすすめする点は、これにつきます。

論文で、どのように表現するべきか迷ったとき、

事例が豊富にあると、参考にしたり取捨選択して

自分のものにできたりします。

 

おわりに

いかがだったでしょうか?

 

高度情報処理試験を受験予定で、どのように対策を

進めればよいか、考え方の一助となれば幸いです。

 

今回の春試験のスタートダッシュ記事も参考に載せました。

どのように勉強のモチベーションをあげればよいか、

IPA公開の統計情報も元に紹介しているので、

よければ合わせてご覧ください。

studyrolerole.hatenablog.jp

 

 

本ブログでは、高度情報処理試験の、合格に向けたサポート記事を充実していきます。

「読者になる」ボタンで、ブログの更新時に通知されますので、ご検討ください。

 

それでは、ともに頑張りましょう。

 

ではそれまで。

システムアーキテクト 出題予想(令和6年春)(最新)

本記事では令和6年春向けのシステムアーキテクト

出題予想を行っています。

 

勉強をそれなりにしてきた人であれば、

どの範囲が出やすいんだろう?」と気になっていたり、

これまであまりうまく勉強時間が確保できていない人は、

残りの時間、何に対策すればいいんだろう?」と思っていたりしませんか。

 

本記事では、次回ITストラテジストを受験される方向けに、

  • 出題にはどのような傾向があるんだろう?
  • 次回にはどのような問題が出題される可能性があるのかな?
  • で、それらを午前問題、午後問題(記述・論文)について知りたい!

といった疑問・要望にお答えしたいと思います。

 

なお、過去問は試験センターからダウンロード可能です。

www.jitec.ipa.go.jp

 

 

1. 午前II予想

過去問分析(4年分)

上図は過去4年の出題一覧です。

他区分でも言えることですが、過去問から同じ問題・似た問題が

出題されることが多いです。

午前IIは25問中15問(60%)正解で通過できます。

 

午前IIの出題予想ポイントは次の通りです。

 

■午前II出題予想ポイント■
1. 令和元年~5年の過去問から同じ問題が6~7問出そう
2. テスト系は今年も出そう
3. SC系・DB系・NW系からの問題が今年も出そう

順に説明します。

 

1-1. 令和元年~5年の過去問から同じ問題が6~7問出そう

令和5年春の過去問を分析すると、実に4割が過去問の再出題でした。

内訳は以下の通り。

  • 問1 アシュアランスケース:令和3年 問1
  • 問2 DFD:令和1年 問1
  • 問5 オーバーライド:令和1年 問4
  • 問6 GoFデザインパターン:令和1年 問2
  • 問7 チューリングテスト:令和1年 問12
  • 問9 スプリントレトロプロスペクティブ:平成30年 問13
  • 問14 WTO政府調達協定:令和3年 問15
  • 問17 共通鍵暗号:令和4年 問15

令和1年(3期前)からの再出題が最も多いです。

 

3期前からの再出題が多いことを仮定すれば、

令和3年に着目して過去問対策をすると効率がよいでしょう。

 

令和3年春問3。正解はウ。

 

1-2. テスト系は今年も出そう

過去4回は毎回テスト系の問題が出題されています。

令和元年秋問7(網羅性テスト)、問9(リグレッションテスト)、

令和3年春問9(システム適格性テスト)、

令和4年春問8(探索的テスト)、

令和5年春問7(チューリングテスト)、問11(ソフトウェア受入テスト)

などです。

テスト系はまとめて覚えてどれが問われても正答できるように

しておきましょう。

 

令和3年春問9。正解はイ。

 

 

■頻出される他区分の問題■

午前II試験は周辺の他区分の問題も出題されます。

システムアーキテクトの場合、頻出される他区分の問題について

イメージを画像でまとめました。


午前II・システムアーキテクトの頻出の他区分問題(イメージ)

IPAシラバスによれば問題は

テクニカル系・マネジメント系・ストラテジ系の3つに分かれます。

 

システムアーキテクトでは、テクニカル系の出題としては

応用情報技術者データベーススペシャリスト寄りの問題が多い印象です。

具体的には、可用性計算やアクセス速度などが応用情報技術者寄りで、

データベースの2相ロックやトランザクションログなどが

データベーススペシャリスト寄りであると言えます。

 

マネジメント系・ストラテジ系の出題としては

プロジェクトマネージャーやITストラテジスト寄りの問題が多い印象です。

システムアーキテクトは設計を主導するのでプロジェクトマネージャーや

ITストラテジストと連携して活動することが多いことからも

妥当な傾向であると言えるでしょう。

 

 

 

1-3. SC系・DB系・NW系からの問題が今年も出そう

例年、自区分以外の問題も出題されています。

SC系(3~4問)、DM・NW(それぞれ1~2問)

という具合であり、15問正解で合格を考えるとこれらは

無視できない問題数です。

 

特にSC系は過去問を何度も実施して

得点源とするよう準備しましょう。

令和3年春問18。正解はウ。

 

 

フレームワークと技術■

システムアーキテクトを勉強するに際しては、

様々な技術やフレームワークを理解する必要があります。

多岐に渡るフレームワークや技術を理解するには、

どのフェーズで利用されるかをジャンルとして整理するとよいでしょう。

ジャンル(フェーズ)別の技術/フレームワークの整理(例)

上図に列挙した各フェーズの代表的な技術・フレームワークは、

ざっくりでもいいので理解しておいた方が良いでしょう。

 

 

 

■午前IIのオススメ参考書■

 

 

午前IIは過去問対策をするのが近道であるのと、

インターネットにも対策コンテンツが充実しているので、

書籍のメリットは、「手に取って対策したい」という点でしょうか。

書き込みや付箋をつけるなど、実際に手を動かして対策を進めたい

方にオススメです。

 

 

 

2. 午後I(記述)予想

過去問分析(4年分)

上図は過去4年分の過去問テーマ分析です。

午後Iは令和6年春より3問から2問選択することとなります。

従前の問4(エンベデッドスペシャリスト系)が出題から外れると予想されるので、

問1~3から自分にとって相性のよいものを選択しましょう。

 

午後Iの出題予想ポイントは次の通りです。

 

■午後I出題予想ポイント■
1. 1問か2問はDB系のスキルがあると有利な問題が出題される
2. 1問はST系の問題が出題されそう

 

順に説明します。

 

2-1. 1問か2問はDB系のスキルがあると有利な問題が出題される

例年、1問か2問は概念データモデル(ER図)または関係スキーマ(テーブル設計図)

をもとにして必要なデータを整理させた上で回答する問題が出題されています。

過去4回で見ると以下の具合です。

  • 令和5年春:問2
  • 令和4年春:問2
  • 令和3年春:問1、問3
  • 令和元年秋:問2

年度や問題によってDBの比重・難易度はまちまちですが、

得意・不得意によって問題選択の参考にするとよいでしょう。

特に、ST系の問題とDB系の2問を選択した場合、

かなり求められる知識やスキルが異なるので時間内に頭を

素早く切り替える必要があります。

 

令和2年春問2より

 

■速読・速答テクニックを磨く■

午後I試験は時間との勝負でシステムアーキテクトも例外ではありません。

時間内に完答するには問題文構造を手早く理解し速読し、

必要な材料が揃った時点で回答を記述します。

問題文を全文読んでから設問1から順に対応するようでは

時間は足りなくなるでしょう。

 

令和5年問3「融資保証システムの再構築」を例に具体的に説明します。

ご参考:IPA過去問

 

問題用紙を開いたらまずは各段落の章タイトルを把握します。

例の場合、

〔融資保証の概要〕図1あり

〔現在の業務と現行システムの概要〕

〔新システムへの要望〕

〔新システムの方針〕

〔新システムの設計〕表1あり

という5パートに分かれていることを把握します。

 

次に各パートを横串で通すようなキーワード(要件名や業務名)を

ざっくり把握します。

例の場合、

(1)申込

(2)承諾/審査

(3)融資

(4)返済/残高管理

(5)代位返済

といったキーワードを把握します。

多くの場合、カッコ数字((1)など)のタイトルになっています。

 

問題文は隅々まで読まずに設問文を読み、

キーワードを識別したら、各パートのそのキーワードが書かれている

部分を読んで回答材料を探して記述します。

 

例の場合、設問4は「融資残高管理機能」について問われていますので、

各パートから関連の部分のみ読めば回答材料が揃います。

例外もありますが、基本は関連部分のみで記述することができ、

隅々まで読む必要はありません。

 

なお、上記の点は三好康之様の下記動画で詳しく紹介されております。

www.youtube.com

 

 

 

2-2. 1問はST系の問題が出題されそう

ITストラテジストの知識があると有利な問題もよく出題されます。

過去の例でいうと以下の通りです。

  • 令和5年春:問1、問3
  • 令和4年春:問1
  • 令和元年秋:問1

ITストラテジストは戦略・企画を担い、システムアーキテクトとしては

開発・実装を担当します。

そのため戦略・企画上の狙いを理解しておくことが

試験センターの期待値としてはあるものだと思います。

実務においても重要な視点だと言えるでしょう。

 

 

■午後Iのオススメ参考書■

 

 

記述式の対策は解説が充実していることが重要なので、

その観点で「アイテック 重点対策」を評価してみますと、

  • 200ページ超の分量
  • 段階的に仕上げることができる仕組み
    (テクニック、作成例、実践、解説と節立てされている)
  • とりあげている過去問(解説)が多い

と、かなり充実しておりオススメです。

また私がお世話になった2022年版の場合ですが

3-2章に主要業務の解説に紙面が割かれ参考になりました。

販売管理・生産管理・購買管理・物流管理といった

いわゆる「基幹系」の業務のDFDがまとめられており

午後I対策のみならず午後II対策としても重宝しました。

 

 

 

翔泳社 情報処理教科書」は比較的、午後対策に特化しています。

各章で知識体系を整理でき、

習得具合を節目節目にある小テストでチェックができます。

じっくりと知識を習得してからテスト対策をしたい方にオススメです。

 

 

3. 午後II(論述)予想

過去問分析(4年分)

上図は過去4年分の過去問テーマ分析です。

午後IIは令和6年春より2問から1問選択することとなります。

従前の問3(エンベデッドスペシャリスト系)が出題から外れると予想されるので、

問1~2から自分にとって相性のよいものを選択しましょう。

 

午後IIの出題予想ポイントは次の通りです。

 

■午後II出題予想ポイント■
1. DXやアジャイル開発を前提とした"攻め"の問題が出題されそう
2. 既存システムへの改修など"守り"の問題が出題されそう

 

順に説明します。

 

3-1. DXを前提とした"攻め"の問題が出題されそう

"攻め"や"守り"といった言葉遣いはイメージですが、

新規投資や事業停滞打開など、事業として攻めの姿勢で

DXやアジャイル開発を採用するシーンをイメージしてください。

 

過去の問題で問われた"攻め"の出題は以下の通りです。

 

最近のITストラテジストの傾向も合わせて把握しておくと

出題予想が立てやすいかもしれません。

 

 

■求められる姿勢について理解する■

システムアーキテクトが求められる姿勢について理解しましょう。

 

プロジェクトマネージャーやITストラテジストとは異なり、

どのように設計するか、実装するかといったテクニカルな知識を

アピールする必要があります。

一方、データベーススペシャリスト応用情報技術者とは異なり、

実装面やタスクの遂行だけをスコープとするのは足りず、

主体的にステークホルダとコミュニケーションをとり

要件を定義したり機能の提案をしたりする必要があります。

 

まとめると、企画/プロジェクトといったマネジメントと

設計/実装といったテクニカルを橋渡しするような

振る舞いが求められるでしょう。

 

 

 

 

3-2. 既存システムへの改修など"守り"の問題が出題されそう

一方、比較的保守的な文脈で出題されるケースもあります。

過去4年は以下のようなことが問われています。

  • 令和1年秋 システム適格性テストの計画
  • 令和3年春 情報システムの機能追加における業務要件の分析と設計
  • 令和4年春 業務のデジタル化について
  • 令和5年春 利用者と直接の接点がない情報システムのユーザインタフェースの検討について

徐々に問われる状況や条件が細かく指定されてきている印象であり、

新規に基幹システムを構築するといったようなシンプルな開発は

あまり出題されないでしょう。

 

 

■午後IIのオススメ参考書■

 

 

筆者の場合、基本的に論文系の試験区分の試験対策には

このシリーズで準備しています。

 

とにかく、文の事例が豊富。

 

おすすめする点は、これにつきます。

論文で、どのように表現するべきか迷ったとき、

事例が豊富にあると、参考にしたり取捨選択して

自分のものにできたりします。 

 

 

おわりに

いかがだったでしょうか?

 

システムアーキテクトを受験予定で、どのように対策を

進めればよいかの考え方の一助となれば幸いです。

 

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それでは、ともに頑張りましょう。

 

ではそれまで。